第二話 これがアマゾンの洗礼だ! 謎の果実と人食いワニの恐怖!!(脚本)
〇密林の中
多田京子「それでは、化け物に奪われたゴッドオーブ目指して、いざ出発!」
藤森ヒロシ「待て待て! どこにあるかもわかんねえのに、一体どこ行く気だ?」
サイモン「それなら多分、どこかの洞窟でショウ」
サイモン「先住民が描いた絵に、それっぽいのありマシタ」
藤森ヒロシ「なんつうか・・・すげえざっくりとした情報だな」
多田京子「じゃあ、さっそくその洞窟へいきましょう!」
多田京子「・・・って、どっちの方角へ進めばいいんですか?」
サイモン「ご安心クダサーイ。洞窟まではあそこの彼が案内してくれマス」
ザザッ!!
サイモンが木の上を指すと、突然、先住民の男性が木から降りてきた。
「うわあッ!!」
サイモン「こちらガイドの『ロッカ』デース」
ロッカ「【現地語】・・・ツイテ来イ」
藤森ヒロシ「つ、ついて行って大丈夫なのか・・・?」
多田京子「隊長、早く行きましょう♪」
サイモン「ロッカ、あなたがたの民族について少しインタビュー、オッケー?」
ロッカ「【現地語】黙レ」
藤森ヒロシ「お前ら、頼むから少しは警戒しろよ!」
〇アマゾン川のほとり
1時間後──
藤森ヒロシ「はあ・・・熱い・・・喉がカラカラだ」
多田京子「これぞサバイバル、って感じで燃えますねえ・・・くふふふっ」
藤森ヒロシ「んなこと言ってねえで、水飲めよ?」
多田京子「水・・・? 持ってませんけど」
サイモン「オ~、ワタシも荷物は車の中デース。こんな事態は想定の範囲外デシタ」
藤森ヒロシ「つうことは、水は俺が持ってるこの一本だけか・・・」
藤森ヒロシ「よし、これを全員で分け合って飲もう。量が少ないから、なるべく大事に──」
藤森がカバンから水のペットボトルを取り出すと、京子はそれを即座に奪った。
そしてボトルを開封すると、なぜか中身をすべて捨ててしまった。
藤森ヒロシ「ああああッ! てめっ、何してんだ!?」
多田京子「こっちのセリフです! 私たちは今、本物の探検に出ているんですよ?」
多田京子「なのにペットボトルの水だなんて・・・」
多田京子「探検って言ったら、川の水を飲むものです!!」
藤森ヒロシ「バカヤロウ! 浄水器なしでアマゾン川の水なんて飲めるわけねえだろ!!」
サイモン「飲んだら腹痛どころの話じゃ済まないデース・・・」
多田京子「えっ・・・」
多田京子「じゃ、じゃあフルーツで水分補給すればいいんですよ!」
多田京子「あちこちに生えてますし。ほら、この赤いやつとか美味しそうですよ?」
藤森ヒロシ「あのなぁ・・・この手の果実には毒があることもあんだよ」
藤森ヒロシ「食えるかどうか、まずはパッチテストで毒の有無を確認して・・・」
藤森ヒロシ「まあ、毒がなくても灰汁(あく)が強くて食えねえこともあるがな」
多田京子「毒とか灰汁とか、そんなの動物に与えてみれば一発でわかるじゃないですか」
多田京子「えいっ!」
京子は手に持っていた果実を川辺にいたワニに向かって勢いよく投げた。
そしてワニに見事命中してしまった。
ワニ「シャーーーーッッ!!!!」
「ぎゃあああああああッ!!」
サイモン「お、オー・マイ・ゴッド! こっちに向かって来マース!!」
藤森ヒロシ「ぜ、全員逃げろッ!!」
多田京子「よしっ、やってやりますよ~!」
多田京子「ワニ、かかって来いっ!」
藤森ヒロシ「バカヤロウッ、ワニに食われてえのか!?」
ロッカ「【現地語】ドケッ!!」
藤森たちを押しのけ、ロッカがワニに向かって猛突進する。
そして持っていた槍を躊躇なくワニの脳天にザクッと突き刺した。
ワニは槍が刺さったまま転げまわる。
多田京子「あーーーッ、テストがまだなのにぃ!」
藤森ヒロシ「ぐずぐずすんな! 逃げるぞ!!」
〇密林の中
サイモン「ハァ・・・ハァ・・・なんとか逃げてこれマシタ・・・」
藤森ヒロシ「おい、お前なんでワニを攻撃した!?」
多田京子「攻撃したんじゃありません!」
多田京子「フルーツをあげて食べられるかどうかテストしてたんです!」
多田京子「というか、探検家ならワニと揉み合いになって戦ってくださいよ!」
藤森ヒロシ「はあッ!? また、わけわかんねえことを・・・」
ロッカ「【現地語】オイ、ソコノ女」
多田京子「えっ・・・?」
ロッカ「【現地語】次ヤッタラ、殺スゾ」
多田京子「・・・なんて言ったんでしょうか?」
サイモン「彼は『ケガがなくて良かったよ、オテンバお嬢さん♪』と言いマシタ」
藤森ヒロシ「あんなに殺気立ってんのに、それかよ!?」
多田京子「ロッカさん、なんて優しい言葉…」
多田京子「ありがとう! サンキュー!!」
多田京子「ハッ・・・もしかして」
多田京子「他の先住民と違って、ロッカさんは私たちの味方なんじゃ・・・?」
藤森ヒロシ「いやいや・・・なんでもかんでも簡単に信じ込むんじゃねえよ」
多田京子「隊長は慎重すぎです。探検家なのに」
藤森ヒロシ「ハア・・・頭、痛えわ」
サイモン「ケンカはやめまショウ。余計に喉が渇いてしまいマスよ?」
藤森ヒロシ「・・・確かにそうだな。さっきの全力疾走で、さらに汗かいちまったし」
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