入れ替わりパーソナリティ~好きなあの子が恋してる相手は僕に恋してる!?

れこん

エピソード4(脚本)

入れ替わりパーソナリティ~好きなあの子が恋してる相手は僕に恋してる!?

れこん

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〇男の子の一人部屋
藤堂千陽(とうどう ちはる)「くそ、どうしてこんな事に・・・。考えろ、考えるんだ僕」
  少し状況を整理する。
  千陽は千陰と精神が入れ替わった際、学年一の不良の来栖から告白された。
  けれど千陽は返事を何も考えずにテキトーに答えてOKしてしまい、なんと、来栖と交際する失態を犯してしまう。
藤堂千陽(とうどう ちはる)(僕は委員長の事が好きなんだ。絶対に来栖となんか付き合いたくない)
藤堂千陽(とうどう ちはる)(だから、この意味不明な状況を覆す神の一手を考えて思い付くんだ!)
藤堂千陽(とうどう ちはる)「閃いた! なーんだ簡単な事じゃないか」
藤堂千陽(とうどう ちはる)「普段から僕がストレスを感じないようにして、千陰に入れ替わらなければいいだけじゃないか」
藤堂千陽(とうどう ちはる)「だとしたら何も問題ない。今日はもう悩まずに寝て明日学校に行こう!」

〇保健室
藤堂千陰(※千陽)「・・・」
藤堂千陰(※千陽)「──っ、ておい! なんでいつの間に千陰に入れ替わってるんだよ!」
  人間は常にストレスを感じる生き物だ。だから普段からストレスを感じることなく生きるのは難しい。
藤堂千陰(※千陽)「・・・てか、ここは学校の保健室?」
  とても不味い状況だ。
  早く元の姿に戻らないと
柊先生「千陰ちゃん。遅くなってごめんねちょっと職員室で話が立て込んじゃって──」
藤堂千陰(※千陽)(えっ・・・保険室の担任の柊先生?)
柊先生「それじゃ『いつもの』を始めましょうか」
藤堂千陰(※千陽)「ちょっと待ってください。いつものっていったい僕は今から何をするんですか?」
柊先生「僕? という事は今のあなたはもしかして姿は千陰ちゃんだけど、今の精神は千陽君!?」
藤堂千陰(※千陽)「そうです。あっ! いやそのこの格好はそういう趣味とかじゃなくて!」
藤堂千陰(※千陽)「たまに記憶が無い時にこんな風になってるです! 信じてください!僕は変態じゃないんです!」
柊先生「・・・」
柊先生「ええ信じるわよ。だってあなたは『二重人格』の持ち主なんでしょ。私は入学当初から千陰ちゃんの事を見てたから知ってるわ」
柊先生「それにしてもさっきは言ったとおり千陰ちゃんの事はよく知ってるけど、今回は千陽君の人格と話すのは初めてだわ」
藤堂千陰(※千陽)「え、えーと・・・はじめまして?」
柊先生「ふふ、そんなに緊張しないで、私は保険の先生なんだから、いつでも困っている生徒の味方よ」
  今回は初めてのパターンだ。
  家族意外で千陰の存在を知っている人物な会うなんて・・・。
柊先生「取り敢えず今日はどうする? 何時もみたいに診察する?」
藤堂千陰(※千陽)「診察って何をするんですか?」
柊先生「主にすることはカウンセリングね。そもそも二重人格って幼少期の『トラウマ』が原因だったりするから、」
柊先生「カウンセリングしてトラウマが何かを探って、具体的な対処を模索したり、心の傷を癒したりしするの」
柊先生「それで最終的な目標は二つの人格を『一つに統合』するのよ」
藤堂千陰(※千陽)「人格を一つにですか!? けどそれじゃもう一つの人格は消えるんじゃ・・・」
柊先生「そうよ、じゃないと大抵今のあなたみたいに生活に支障をきたすわ。それで苦労して良くない事になるケースが考えられるの」
柊先生「だから普段は千陰ちゃんの人格と会話をして色々探っているんだけど・・・」
藤堂千陰(※千陽)「あの、僕は千陰に身体を乗っ取られてる時ってどんな話をしてるんですか?」
柊先生「えーとそうねぇ。確かよく『自分は悪い子だから幸せなったらいけない』って言ったわね」
柊先生「けど、どうして千陰ちゃんは自分を悪い子だと思うのかいまだに理由を話してくれないの」
柊先生「千陽君・・・何か思い当たる事ってある?」
藤堂千陰(※千陽)「いえ、全然ないです」
藤堂千陰(※千陽)「ていうか、千陰は前から自分勝手な奴で、僕の体を乗っ取って好き放題して本当に迷惑ですよ、まったく」
藤堂千陰(※千陽)「なのに自分が悪い子って自覚があるならさっさとその性格を直してもらいたいよ!」
柊先生「千陽くん、ちょっといいかしら・・・。 『前から』って具体的にいつ頃からかしら」
藤堂千陰(※千陽)「・・・」
  言われてみれば・・・。
  僕がの中に千陰が宿ったのはいつだったんだろうか・・・
柊先生「あと前から疑問なのが、千陰ちゃんがあなたの事を『お兄ちゃん』と呼ぶ事なんだけど」
柊先生「千陽君・・・あなたご家族に妹さんは居るのかしら?」
藤堂千陰(※千陽)「いいえ、居ません。 僕は一人っ子です」
  あれ?
  急に違和感が・・・
藤堂千陰(※千陽)「あ・・・時間が。 授業をさぼりたくないんでそろそろ行きます」
柊先生「分かったわ。今日はここまでにしましょう」
柊先生「次は千陰ちゃんの姿じゃなくても気軽に相談に来ていいわよ」
藤堂千陰(※千陽)「わかりました。 けどその前にちょっと着替えを・・・」
柊先生「はい、そう言うと思って男子の制服は準備してあるわよ」
  準備がいい。
  とても頼りになりそうだし、
  困った事が在ったら柊先生に相談しよう
藤堂千陽(とうどう ちはる)「・・・」
藤堂千陽(とうどう ちはる)「それじゃ柊先生、僕は授業に行きます」
柊先生「ええ、わかったわ。 お大事に」
柊先生「・・・」
  ・・・さて、本当に体を乗っ取っているのはどっちかしらね

〇まっすぐの廊下
藤堂千陽(とうどう ちはる)「戻ってきたらなんだか教室が騒がしいぞ? 何が起こってるんだ?」

〇教室
可憐(かれん)「来栖武司・・・あんたなんか・・・ あんたなんか・・・」
可憐(かれん)「ぶっ〇してやるううー!!」
来栖武司(くるす たけし)「落ち着かんかい、まずお前は誰じゃ!」
木村(ちょ、急に俺を間に挟んでなんか始まってんですけど!?)
可憐(かれん)「来栖ぅ~! 覚悟しなさい! あんたのせいで、あんたのせいでえええ!!」
木村(チーン はい、もうオワタ。 俺の人生巻き込まれて終了──)
来栖武司(くるす たけし)「おい、待てや! そげに危ないモノ出したら流石にシャレにならんで!」
木村(うわっ、誰かに間を押し出された!?)
木下誠美(きのした なるみ)「ダメ! 武ちゃんはやらせない!」
来栖武司(くるす たけし)「バカ、誠美! せっかく木村を盾にしとったのに、俺の前に出てくんな!」
可憐(かれん)「何よあんた! 邪魔するなら来栖とまとめて──」
藤堂千陽(とうどう ちはる)「委員長、危ない!」
  僕は委員長が立ちはだかる姿を見て、思わずカッターを持って暴れる女子生徒に後ろからタックルして取り押さえた

〇教室
来栖武司(くるす たけし)(刃物で襲われそうになった。 俺は一体どんな怨みを買ったんじゃ、 全く見当がつかん)
可憐(かれん)「離して、離しなさいよ! あいつを〇すんだからあああ!」
藤堂千陽(とうどう ちはる)「女子なのにすごい力だ。 お願い、誰か抑えるのを手伝ってくれ!」
来栖武司(くるす たけし)「すまん、俺も取り押さえるのを手伝う!」
可憐(かれん)「ふざけるな! 女子一人に男子二人で取り押さえるなんて卑怯よ!『お兄ちゃん』に言いつけてやるから!」
来栖武司(くるす たけし)「黙れボケ! お前の兄貴なんか知るかいや!」
可憐(かれん)「──工業高校の戸田剛(とだつよし)! 忘れたとは言わせないわよ!」

〇ネオン街
  まさか、この前の喧嘩の事か──

〇教室
藤堂千陽(とうどう ちはる)(しまった! つい勢いに負けて手が緩んだ)
可憐(かれん)「〇ね、来栖!! お兄ちゃんの仇!」

〇血しぶき
  この時、一瞬で教室が静まり返った。
  何故なら僕を含めてクラス全員が目の前で
  人が傷着けられるのを初めて目撃したからだ
  そして、誰一人動けずに呆然とした中、カッターで腕を着られて血を流す被害者の来栖──
  それと、自分が何をしてしまったのか後から自覚して怯えた様子の加害者の可憐と名乗る女子生徒が教室の真ん中に残された

〇教室
木下誠美(きのした なるみ)「嘘・・・でしょ? はぁ──」
藤堂千陽(とうどう ちはる)「委員長、しっかり! (ショックで気を失った!)」
来栖武司(くるす たけし)「気は済んだか? もうこれ以上暴れるなや」
可憐(かれん)「あ──私、 どうしよ・・・けど、私は悪くない! 全部来栖武司がお兄ちゃんをあんな目に合わしたのが悪い──(ブツブツ)」
来栖武司(くるす たけし)(なんか事情があるみたいじゃし、これ以上コイツは追い詰めん方がええの)
来栖武司(くるす たけし)(それに俺一人が傷ついたらそれでええ。 誠美も傷つかんかったし、これ以上騒ぎを大きくせんほうがええ)
来栖武司(くるす たけし)「オドレら全員聞け! 今さっきの事はセンコーにも他の奴らにも言いふらすな! わかったの!?」
  クラス全員が来栖に逆らえないので同意した。
来栖武司(くるす たけし)(チッ、腕がズキズキしてブチ痛い。 保健室に行っても騒ぎが学校にバレるけえ 自分で直接病院に行くしかないの)
  来栖は自己犠牲の精神が強かった。
  それと騒ぎになれば愛しの千陰に会えなくなると思い、できるだけ大事にしたくなかった
来栖武司(くるす たけし)(知り合いの闇医者のジジイの所にいくかの)
  続く

次のエピソード:エピソード5

コメント

  • 少しずつ核心に近づいてきましたね。
    まさかの千陰が本当の人格だったりしたらかなりヤバイですね?
    今、保健の先生と同じ気持ちです。
    お兄ちゃん思いの妹に武史が切られちゃうし、ただの学園ドラマじゃないのが面白いです。

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