この初恋に命を捧ぐ

彩京みゆき

#5. 名医ジョバンニと復讐と(脚本)

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〇中世の街並み
ルカ「サラ、 そいつは名医だが、とんでもなくヤバいヤツだ!!」
サラ「えっ!?」
ルカ「俺たちに医術を教える代わりに、 この人は俺たちを人体実験しようとした・・・」
アンジェロ「逃亡の理由の半分はこいつのせいだ・・・」
ジョバンニ「失礼なヤツらだ、 最初からの約束だろう 君たちはその長い時間の中で私から 立派な医術を学んだ」
ジョバンニ「その代わりに君たちの人体メカニズムを研究して何が悪い?」
ジョバンニ「君たちの一族に医療技術が行き渡ったのは 私のお陰ではないか?」
アンジェロ「ふざけるな!! そのせいで何人もの仲間が犠牲になったじゃないか!?」
ジョバンニ「ああ、済まなかったね。 さじ加減が難しいのでな・・・」
アンジェロ「相変わらず イカれてやがるな」
ルカ「あなたは ヴァンパイアを恐れてはいない」
ルカ「それはヴァンパイアが言い伝えられているような種族じゃないと誰よりも分かっているからじゃないですか!?」
ジョバンニ「何事も 証明が難しいのだよ・・・」
ジョバンニ「現代医療技術も、 最初は魔法のように扱われた」
ジョバンニ「何事も積み重ねだ。 実験して証明して、 切り刻んで、 解剖して・・・」
サラ「アンジェロ、ルカっ!!」
サラ「このお方、 とんでもないですわーーーっ!!」

〇空
「あのっ・・・」

〇中世の街並み
  赤ん坊を抱いた母親が現れる
母親「もしや サラ・アルディ様では?」
サラ「え!?」
母親「競技場でのお話をうかがって 感銘を受けました」
サラ「そんな・・・」
サラ「まあかわいい赤ちゃん・・・」
サラ「え!?」
サラ「これは・・・ 人形・・・?」
母親「どうぞこれからは・・・」
母親「死んで、 私たちに詫びて・・・」
母親「ヴァンパイア病で死んだ、 私の愛しいベイビー お前達のせいよ」
母親「魔女も、ヴァンパイアも、 決して許さないっ!!」
ルカ「サラ!!」
  ルカがサラに駆け寄る
国民「キャーっ!!」
兵士「どうした!?」
  母親が
  兵士に取り押さえられる
母親「あの世で 懺悔するがいい!」

〇空
ルカ「サラっ!!」

〇中世の街並み
  ルカはマントを脱いで止血をする
ジョバンニ「これは緊急処置が必要だな・・・ お前たちが持ってる医療キットでは難しい」
ジョバンニ「私なら 医者の知人もいるしお前たちより遥かに腕もいい・・・」
ジョバンニ「ただでは処置出来ないがな・・・」
ルカ「俺の事なら、 好きにすればいい・・・」
アンジェロ「ルカ・・・!!」
ジョバンニ「ははは、 交渉成立だな!!」
アンジェロ「!!」
アンジェロ「オッサン、 サラにもルカにも 何かあったら噛み付くぞ・・・」
ジョバンニ「望むところだわ・・・」
ジョバンニ「って・・・オッサン言うなっ!! (お前たちより若いわっ!!)」

〇英国風の部屋
ジョバンニ「うむ」
ジョバンニ「処置は成功だ。 目覚めれば問題無いだろう」
ルカ「サラ・・・」
アンジェロ「一応 礼は言っとくぞ」
ルカ「俺たちと出会わなければ こんな事には・・・」
「サラ、 サラっ・・・!!」
ルカ「誰だ!? なぜここが・・・!?」
ニコラ「噂を聞きつけて探したぞっ!! サラは無事なのかっ!?」
ルカ「ニコラさん・・・」
ルカ「サラは、 治療を受けて眠っております・・・」
ニコラ「何だって!?」
ニコラ「またもやお前たちのせいで サラが危険な目に遭うなんてっ!! この疫病神めがっ!!」
ジョバンニ「ここは今病室だっ お静かにっ!!」
ニコラ「何だお前は医者か!? こいつらとグルなのかっ!?」
ニコラ「私の婚約者だ!! サラを返すんだっ!!」
ニコラ「だいたいサラも どうしてこんなヤツらを庇いたてるんだ」
ニコラ「この私と一緒にいた方が明らかに 幸せだというのに!!」
サラ「ニコラさん・・・」
  ベッドに横たわるサラが
  目を覚ます
サラ「いつも心配して下さって ありがとう・・・」
「サラっ!!」
ニコラ「サラ! 目覚めたのか」
ニコラ「さあ、 私と一緒に帰るのだ」
サラ「ごめんなさい・・・」
サラ「私の幸せは、 私が決めるものです」
サラ「あなたとは、 行けません・・・」
ニコラ「なっ、 何だとっ!?」
ニコラ「君という人は いつもそうだった・・・」

〇美しい草原
ニコラ(乗馬の練習で この地に来ていた時だった)
ニコラ「ねえ、」
ニコラ「あの金の巻き髪の女の子はだれ?」
乳母「あの子は アルディ家のサラ様ですよ」
乳母「ニコラ様のお友達としては お家柄が合わないかと思われますが・・・」
ニコラ「そんな事は関係ない」
ニコラ(まっさらな、 何も疑う事の無いような笑顔)
ニコラ(その笑顔を、 自分に向けて欲しかった)
ニコラ「この花を・・・」
サラ「まあ、 私に・・・!?」
サラ「ありがとう」

〇貴族の応接間
ニコラ「お母様はいつ戻るのですか?」
乳母「奥様も旦那様も お忙しいのですよ・・・」
ニコラ(いい家柄で高級品に囲まれても いつも満たされなかった)
ニコラ(ああ、サラ、 君にまた会いたいなぁ・・・)

〇美しい草原
ニコラ(そして、 君に再び出会った)
ニコラ(どうしよう・・・ 花など持っていないのに・・・)
サラ「初めまして、 いいお天気ね・・・」
ニコラ「・・・!!」
ニコラ(君は、 私の事など覚えてなどいなかった・・・)

〇英国風の部屋
ニコラ「サラ、 君はいつもそうだった」
ニコラ「なぜそうも頑なに私を拒むのだ!?」
サラ「私は・・・」
サラ「あなたの前で、 本当に笑った事が無いわ・・・」
ニコラ「・・・!!」
ニコラ(何を言っているんだ この娘は・・・)
ニコラ(いつも真っ直ぐな笑顔で、 誰からも愛されて・・・)
ニコラ(私以外に本当の笑顔を見せて・・・)
ニコラ(私以外と幸せになる・・・だと・・・!?)
ニコラ「サラ・・・」
ニコラ「お前だけ幸せになるなんて、 私は許さない・・・」
ニコラ「私に背いた事を 心から後悔するがいい!!」
ニコラ「ルカ、 お前もだ!!」

次のエピソード:#6. 告白

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