エピソード2(脚本)
〇西洋の市場
ヒロト「わぁ! すげー! これも! これも! 見たことない料理がこんなにあるなんて!」
2人はリゼの故郷「リーガル」へと向かっていた。
リーガルまではかなりの距離があるため、数日では着かない。2人はその途中にある街「スローバ」の宿に泊まることに。
2人は宿のチェックインを済ませ、市場を散策していた。宿のお金を出したのはもちろんリゼ。
急にこの世界に来てしまったヒロトはお金を持つどころか、お金の名前すらまだ覚えられていなかった。
ヒロト「特にこれ、すごいな! バケツに緑色のスープと肉と野菜が沢山! ん? この匂いは・・・・・・カレーだ!」
リゼ「ふふっ! お冗談がほんとにお好きなんですね! この世界にいて「バケッチャ」を知らない人なんていませんのに!」
リゼ「それに、「かれー」?でしたっけ? そんな名前初めて聞きましたよ」
ヒロト「え?! あー、俺、かなり遠くから来たからさ・・・・・・! うちの地元じゃこの料理を「カレー」っていうんだ!」
ヒロト(さすがに別の世界から来たって言ったら警戒されちゃうよな。そしたら攻略が厳しくなる・・・ ここは誤魔化しておこう)
リゼ「あ、そうなんですね! ちなみにどこの街から来たのですか?」
ヒロト「え、えーと・・・・・・」
ヒロト(まずい。街の名前なんて1つも分からない。ど、どうしよう・・・)
リゼ「もったいぶらずに教えてくださいよ! とっても気になります!」
ヒロト(・・・・・・よし、もう適当に言おう。 それでバレたら事情を全部話そう。バレなければそのまま誤魔化せる)
ヒロト(っていっても当たるわけないんだよな。 あー、もういいか、全部話そう。 素直に地元言うかー)
ヒロト「え、えーっとね、「オチャノーミーズ」だよ・・・・・・」
ヒロトはすこしそれっぽくした。
リゼ「・・・・・・何言ってるんですか?」
ヒロト(ですよねー・・・あるわけないですよね・・・ はい、すぐにホントのこと話します)
ヒロト「あの、実は・・・」
リゼ「「オチャノーミーズ」じゃなくて「オーチャノーミズ」ですよ! 自分の故郷を間違えるなんてほんとに冗談がお好きなんですね!」
ヒロト(いや、それっぽいのあった!!)
リゼ「それにしてもオーチャノーミズですかー・・・ほんとに遠いですね。よくこんな遠いところまで来ましたね」
ヒロト「ま、まぁね! 1度来てみたかったんだよ!」
リゼ「なるほどなるほど、あそこはかなり辺鄙なところですから文化もかなり違うのかも。 それならバケッチャを知らなくても納得です」
ヒロト「そ、そうなんだよ〜」
ヒロト「あっ、すみません! 大丈夫ですか?」
謎の魔道士「・・・・・・」
謎の魔道士「大丈夫です。こちらこそごめんなさい。 それでは失礼します」
リゼ「そろそろ宿に戻りましょうか」
ヒロト「そ、そうだね」
ヒロト(さっきの人・・・・・・)
ヒロトは彼女と初めて会った感覚がしなかった。そして何故か、それと同時に彼女に恐怖感を抱いていた。
〇西洋の市場
謎の魔道士(はぁ、やっと会えたのに やっと2人きりになれると思ったのに)
謎の魔道士(まぁ、そうだよね 元々ヒロくんは浮気性な所あるもんね だから殺しちゃった訳だし)
謎の魔道士(・・・・・・それにしても早くない? こっちに来て間もないのにもう女と出会ってるなんて)
謎の魔道士(まるで、「運命の出会い」みたいじゃん)
謎の魔道士(もうっ、仕方ない ヒロくんに相応しいのは誰なのか)
謎の魔道士「ちゃんと教えてあげないとね」