お似合いのあの子とは?(脚本)
〇大学の広場
──ある日のキャンパスにて
悪友リュウの一言が、全ての始まりだった
リュウ「明日の夜、3対3の合コンやるけど、 お前来れるよな!?」
リュウ「お前にお似合いの子がいるから!」
コイツまた何か企んでやがるな・・・
でもまぁ、断る理由もないし、
とりあえず参加することにした。
〇大衆居酒屋
そうして迎えた当日の合コン・・・
まずは俺の自己紹介を簡単に済ませて、
リュウ「どーも、リュウって言います K大経済学部の3年です!」
ケン「ケンです。 同じくK大の理学部3年です!」
男側の自己紹介をつつがなく済ませて
で、肝心の女性側はというと・・・
アン「はじめましてー アンです! S大の教育学部3年です!」
ミカ「ミカっていいますー 同じくS大の3年、農学部ですー」
そして・・・
カノン☆「カノン☆です! S大の工学部の3年生です♪」
ええと、あのその・・・
どう見ても、怪人さんですよね・・・?
ヒーローと戦う悪役の方にしか・・・
しかも、何か雄叫びみたいのが・・・
・・・帰ってイイデスカ??
〇大衆居酒屋
リュウ「カノン☆ ちゃんっていうんだー! 可愛い名前だねっ!」
うわー、普通に話しかけてる・・・
コイツ、マジモンの勇者ですな!
カノン☆「えへっ、そんなことないですよ~♪」
カノン☆「でも・・すっごく嬉しいです♪」
ミカ「カノン☆、よかったねー」
カノン☆「でも、”カノン☆”っていうより、 ”キャノン砲”のほうが似合うって よく言われちゃうんですよー♪」
ゴメン、リアルすぎて笑えないかな・・・
〇大衆居酒屋
ケン「女の子3人とも仲良しだけど、 みんな地元で昔から仲良しなの?」
アン「私とミカは地元で昔からですけど、 カノン☆は大学からですね!」
カノン☆「そうなんです! 進学でこっちに来たんですよ♪」
ケン「地元はどこなの?」
カノン☆「田舎すぎて恥ずかしいから、 ・・・・・・秘密です!」
カノン☆「決して、地下にある秘密組織のアジトじゃ ないですからね~♪」
自虐ギャクがリアルすぎですよ・・・
〇大衆居酒屋
リュウ「ミカちゃん、学校忙しそうだよね? 今日も時間作ってくれてありがとねっ!」
ミカ「いえいえー 理系はどうしても実験が多く入ってしまうんですよー」
ミカ「今日もギリギリになってゴメンナサイ!」
カノン☆「そーだよね! 私も実験が増えて大変になってきたよ♪」
カノン☆「実験メインの生活になっちゃいそう・・・」
ミカ「わかるー」
カノン☆「ええと、あたしは実験する側ですから! 決して”実験体”じゃないですからね♪」
思っても口に出せなかったから、
ご自身でネタにしてくれて助かった・・・
〇大衆居酒屋
ケン「俺、キャンプが趣味なんだけど、 よかったら今度みんなで行かない?」
アン「いいですね!行きたいです!」
カノン☆「でも、あたし虫がダメなんですよ~」
アン「虫が苦手なの!?」
カノン☆「だって、虫って怖いじゃない・・・」
カノン☆「バッタもダメなんですけど・・・ あっ・・・ バッタ型改造ヒーローが天敵だもんなって ツッコミ入れないでくださいよ~♪」
おー、その発想はなかった!
〇大衆居酒屋
リュウ「お料理、何か追加で頼もっか!? 唐揚げとフライドポテトでいい?」
ミカ「あっ、食べたいですー」
カノン☆「あのー、この「山菜の天ぷら」って 注文してもいいですか?」
カノン☆「あたし、山菜が大好きなんですよ~♪」
ミカ「えー、オトナー!」
カノン☆「えへへっ♪」
カノン☆「でも「サンサイが好きっ」って言ったら、 きっとみんな「三歳児が好き」って 勘違いしそうですよね♪」
カノン☆「三歳児の乗った園バスのジャックとか したことないですからね~♪」
誰もその発想はしないから!
でも納得はできてしまう(笑)
〇大衆居酒屋
ケン「みんな、卒業したら進路はどうするの?」
アン「私は教育学部なので、教員採用試験で 中学校の教師志望です。 受かるかどうかはわかりませんけど・・・」
ケン「きっと大丈夫だよ! カノン☆ちゃんは決めてるの?」
カノン☆「あたしは院に行って研究を続けたいです♪ 修士だけでなくて博士も!」
ケン「おーすごいね! 博士まで行くと就職が難しくなるけど、 研究職一本で行くの!?」
カノン☆「はい、できれば♪ でも確かに就職先に悩みそうですね・・・」
カノン☆「悪の秘密組織が求人を出していたら、 応募しちゃうかもですねっ♪」
うん、内定確実!
〇大衆居酒屋
リュウ「じゃ、そろそろお開きの時間だね!」
リュウ「お前は二次会行く?」
いや、今日はもう帰ることにするわ
リュウ「りょーかい!」
リュウ「次、カラオケでも行こっか! 行きたいひと~?」
ケン「俺も行くわー!」
「行きたいで~す!」
リュウ「オッケー! カノン☆ちゃんは?」
カノン☆「すみません・・・ あたし、もう酔っちゃってダメです♪」
リュウ「飲ませすぎちゃってゴメンね! じゃ、二次会は4人で行ってくるね!」
リュウ「それじゃ・・・ お前にカノン☆ちゃんを任せるな!」
リュウ「ちゃんと送っていってやってくれよ!」
リュウ「くれぐれも「襲う」なよ!」
・・・どう見てもこっちが襲われる側だ
〇川に架かる橋
カノン☆「送ってくださってありがとうございます♪」
カノン☆「あたし夜道って苦手なので・・・」
カノン☆「変質者とか怖いじゃないですか!」
カノン☆「あっ「お前のほうが怖い」って 思ったでしょ~!」
はい、大正解!
カノン☆「今日はすっごく楽しかったですね♪」
カノン☆「またこんな楽しい場があるといいなっ♪」
俺は恐怖感でいっぱいだったけど・・・
まぁ言わないでおくか
カノン☆「あっ、お空っ!」
カノン☆「見て、すごいですっ!!」
〇空
〇川に架かる橋
カノン☆「たくさんの流れ星でしたね!」
カノン☆「いっぱいお願い事しちゃいました♪」
カノン☆「あっ、地球征服なんて 思ってないですからね~♪」
・・・やばっ、心の内がバレた!?
カノン☆「願い事の内容は秘密ですっ! 恥ずかしいですから・・・」
カノン☆「でも、特別に1つだけっ♪」
カノン☆「また、こんなふうにお会いしたいなって♪」
何か一瞬胸が、、、、
いや気のせいか・・・
〇黒背景
──翌日
〇大学の広場
リュウ「おはよーっす!」
ケン「昨日あの後どうだった?」
どうもこうも、
ただ普通に送っていただけだぞ!
何もない、はずだ・・・
ケン「つまんねーの! せっかく2人っきりにしてやったのに!」
リュウ「そもそも、お前とカノン☆ちゃんのため セッティングした合コンだったんだぞ!」
そうなのかよ!?
ケン「あの後4人でその話ばっかりだぞ!」
リュウ「そうそうっ!」
リュウ「ミカちゃんなんか・・・」
ミカ「一目見て「カノン☆の運命の人」って 思っちゃいましたー!」
リュウ「って、ずっと言ってたぞ!」
「一目見て」ってどういうことだよ!?
ケン「そのまんまの意味だよ!」
リュウ「あっ、次の授業に行かないと!」
ケン「俺もだ、じゃーな!」
俺の見た目ってあの子とお似合いなのか?
・・・正直意味わかんねー
俺「マジでわかんねー」
普通の大学生が普通の生活環境で仲良し合コンの中に、とんでもないカノンちゃんの登場でとにかく日常からかけ離れた風貌をしてビックリしました。
カノンちゃんの自虐ギャグがおもしろすぎて、笑ってしまいました!
いい子ですよね!
乙女でかわいい子だと思うんですが、最後に主人公見てびっくりしました!笑
カノンちゃんの受け答えが毎度かわいくて、でもボケかたがかなりリアルで二度楽しめました! 実際、彼女の地元は何処なんだろう!?と想像してしまいます。怪人女子いけますね!