第7話 ライバルは芸能人!?(脚本)
〇大企業のオフィスビル
玲子と大和の前に現れた伊代は、何と芸能人だった。
2人は伊代のマネージャーの誘いで、伊代が出演する番組の収録現場に行くことになった・・・
玲子「ここで収録するの!?」
大和「すごい。こんな大きなビルで・・・」
マネージャー「今日はテレビ番組のインタビューをやるんだよ」
マネージャー「伊代が声優として出演するアニメの宣伝を兼ねてのインタビューなんだ」
玲子「テレビ番組のインタビューを受ける!?」
玲子「伊代ちゃん、本当にプロの役者さんなんだ!カッコいい!」
マネージャー「じゃあ入ろうか」
玲子「はい!」
大和「伊代さん、本当に芸能人なんですね・・・」
伊代「まあ一応ね。ほら、行くわよ」
大和「俺なんかがこんなところに入っていいんでしょうか?」
伊代「マネージャーがいいって言うんだから大丈夫でしょ」
伊代「それにテレビの収録の現場って、意外と地味なもんよ」
大和「でも・・・」
伊代「いいから行くわよ。あの女は躊躇なく入っていったわよ」
大和(本当だ。玲子さんはやっぱり行動力と度胸がすごい・・・)
〇テレビスタジオ
玲子「すごい、本物のテレビのスタジオだ」
大和「・・・」
マネージャー「じゃあ、邪魔にならないように端のほうで静かに見ててね」
玲子「はい!」
大和「わかりました」
司会者「今日のゲストは、来月から始まる注目のアニメに出演する伊代さんです」
伊代「よろしくお願いします」
司会者「まずはこの作品の見どころを聞かせてください」
伊代「そうですね。何と言っても・・・」
司会者「次に伊代さんが演じる役についてですが・・・」
伊代「はい。この役は主人公の女の子の親友で・・・」
司会者「なるほど。では、この役をやるにあたって気を付けていたことは・・・」
伊代「やはりこの作品の世界観を・・・」
玲子「伊代ちゃん、芸能人の顔になってる!」
玲子「喫茶店にいたときとは全然違う!」
大和「これが本物のタレント・・・」
司会者「・・・ということで、今日のゲストは注目の若手女優であり声優でもある伊代さんでした」
司会者「ありがとうございました」
伊代「ありがとうございました」
玲子「伊代ちゃん、すごかったね」
玲子「めちゃくちゃ輝いてた。カッコいい!」
大和「はい」
〇テレビスタジオ
玲子「収録は終わったけど、伊代ちゃんはまだ仕事みたいね」
マネージャー「どうだった、伊代は?」
玲子「すごかったです。さっきまでとは別人!」
大和「本物のタレントの顔でした。感動しました」
マネージャー「それはよかった」
マネージャー「伊代はこの後打ち合わせがあるから、少し待っててね」
玲子「はい」
マネージャー「そういえば、君たちもミス卑弥呼コンテストに出るんだって?」
玲子「はい!」
マネージャー「高校生なのに予選を通過するなんてすごいじゃないか」
玲子「伊代ちゃんも高校生ですよ」
マネージャー「伊代はプロの役者だしね。予選通過は当然だよ」
マネージャー「君たちもなかなかやりそうだが・・・俺は本選でも伊代が優勝すると思っている」
玲子「優勝するのは私たちです! でも、確かにプロの女優や声優である伊代ちゃんは強敵かも・・・」
マネージャー「おっと、伊代が優勝すると言っているのは、プロの役者だからってだけが理由じゃないぜ」
玲子「どういうこと?」
マネージャー「それは・・・ま、立ち話もなんだし、場所を変えるか」
〇休憩スペース
マネージャー「好きなところに座っていいよ」
玲子「さっきの話はどういうことですか?」
玲子「伊代ちゃんがすごいのは、プロの役者だからというだけじゃないって・・・」
マネージャー「伊代はただの女の子のじゃない。邪馬台国のことについても相当詳しい」
玲子「へえ、そうなんだ」
大和「確かにいろいろなことを知ってました」
マネージャー「ちなみに俺も邪馬台国のことについてはけっこううるさくてね」
マネージャー「ところで、君は邪馬台国はどこにあったと思う?」
玲子「えっ、急に何?」
玲子「畿内説とか九州説くらいは知ってるけど・・・」
マネージャー「日本以外にも候補地がある・・・と言ったら、どう思う?」
玲子「は? 日本以外? そんなことあるわけ・・・」
大和「ジャワ・スマトラ説やエジプト説ですか?」
マネージャー「ほう・・・」
玲子「大和くん、何それ?」
大和「邪馬台国はジャワ島とスマトラ島にあったという説やエジプトに起源を持つという説があるんですよ」
玲子「ジャワ島やエジプト!?」
大和「もちろん、そういう考え方もあるというだけですが、他にも・・・」
マネージャー「俺は沖縄説も面白いと思ってる」
大和「はい。「魏志倭人伝」の読み方や沖縄の昔の風習を考えると、あり得ない話ではないかと」
マネージャー「畿内説や九州説といっても、その中で候補地は複数ある」
大和「そうですね。九州説では、博多湾沿岸、太宰府、諫早湾沿岸・・・」
マネージャー「畿内説の大本命は纒向(まきむく)遺跡のある奈良盆地だか、琵琶湖畔も捨てがたい・・・」
大和「それ以外にも日本全国に候補地があります」
マネージャー「そうだな。東日本にも候補地があるな」
大和「僕はその中でも・・・」
マネージャー「ほう、それはなかなか面白い視点だな」
玲子(何、この人たち!?)
玲子(マネージャーさんも邪馬台国オタクなの?)
マネージャー「・・・おっと、そろそろ時間だな」
マネージャー「兄ちゃん、なかなか楽しかったよ」
大和「はい、僕もです」
マネージャー「なるほど。君たちは2人でコンテストに挑むというわけだな」
マネージャー「いいコンビだ」
マネージャー「楽しみにしてるよ」
マネージャー「ま、優勝するのは伊代だがな」
玲子「優勝するのは私たちです!」
〇大企業のオフィスビル
玲子「伊代ちゃん、すごかったよ!」
伊代「別に普通よ」
大和「すごく輝いていました」
伊代「そ、そう? ありがと」
玲子「今日はとても楽しかった。ありがとう!」
大和「ありがとうございました」
伊代「あなたたちもコンテストに向けてちゃんと練習するのよ」
伊代「そうじゃないと私も張り合いがないわ」
玲子「もちろん! ね、大和くん」
大和「はい」
玲子「伊代ちゃん、またね」
大和「失礼します」
伊代「またね・・・大和」
〇川沿いの公園
玲子「伊代ちゃん、すごかったね」
大和「はい」
玲子「伊代ちゃんに負けないためには、こっちも本気で準備しないと・・・」
大和(電話? 伊代さんから!?)
伊代「メールを送ったから後で見てね」
大和「は、はい」
伊代「それだけよ。じゃあね」
大和「?」
玲子「誰から?」
大和「え、えっと、伊代さんからでした」
玲子「伊代ちゃん?」
玲子「・・・って、大和くん。いつ連絡先交換したの!?」
大和「い、いや、喫茶店を出るときに聞かれてそれで・・・」
玲子「ふーん」
大和「すみません」
玲子「別にー。謝る必要なんてないわよ。私には関係ないしー」
大和(玲子さん、何か機嫌悪いな。何でだろう・・・)
玲子「じゃあ、私こっちだから。帰るね」
大和「はい。お疲れさまでした」
大和(玲子さん、どうしたんだろう? 何か悪いことしたかな?)
大和「そういえば、伊代さんからのメールは・・・」
大和「えっ!」
〇水族館前(看板無し)
今度の日曜日にいっしょに行きたいところがあるんだけど・・・(伊代)
大和(よくわからないけど来てしまった)
大和「伊代さん、何の用があるんだろう?」
伊代「大和!」
伊代「ごめん、待った?」
大和「い、いえ、僕も今来たところです」
伊代「よかった」
伊代「じゃあ、行こう♥️」
大和「は、はい・・・」
休日、何と大和と伊代が待ち合わせ!?
伊代の目的は?
そして、玲子はこのことを知っているのか!?
えっ、伊代さんと大和くんがデート??
玲子さんも含めた三角関係って邪推してしまいますよね。伊代さんのキャラが立っていて、恋もコンテストも楽しいことになりそうですね!
伊予積極的!
そして出ましたね、邪馬台国海外説!