異世界転生に本格ミステリぶっこんだら、新感覚ざまぁになりました!

高岩唯丑

エピソード13(脚本)

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高岩唯丑

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〇西洋の街並み
ロク「間違ってなくてよかった」
  僕は一安心する。それにしても、魔法か。
  王都を歩いてみて分かったけど、いろいろな所で魔法が使われている。
  この世界ではほとんどの人が、魔法を使えるらしい。
  これだけの魔法技術の発展があると、科学技術はまず発展していないだろう。
  一部、魔法技術が発展する前に、発展していたであろう物や、魔法ではどうしてもダメな物は、発展している様だけど、
  概ね魔法に頼った生活様式だった。不思議な感覚だった。
ジョマ「魔力紋について、捕捉ですけど」
  ジョマの言葉に、僕は意識を向ける。
ジョマ「魔法を使って誰かを殺した場合、すぐに犯人が判るという事ですね」
  指紋採取を活用した捜査と近いものがある。
ジョマ「騎士団本部はそういう事件が起こったら、犯人を特定して捕縛します、魔力紋を追跡できる魔法で追いかける訳です」
  そこは指紋より便利な部分だ。指紋は採取したとしても、照合作業がある。魔力紋は、そこをすっ飛ばす事ができるのだ。
  ただ逆に言えば、魔力紋に頼りすぎていて、魔力紋がなかった場合、どうしようもなくなる気がする。
ロク「魔力紋がない場合もあるんだよね?」
  僕の問いかけに、ジョマが眉間にしわを寄せた。
ジョマ「そうです・・・・・・なかには、魔力紋が残っていない、謎の怪死や、謎の事故も当然ある訳です」
  そこまで言ったジョマは、怒りに震えながら、言葉を続ける。
ジョマ「それをっ、ウチに押し付けてくる訳です、本部の奴らは!」
  僕は苦笑を浮かべて、ジョマをなだめた。
  つまりは特殊捜査室という部署は、そういう役割の所という事だ。
ジョマ「わかりますか?!」
ジョマ「訳の分からない事を押し付けられて、それを前にして、毎日一人で頭を悩ませる日々が、どれだけ」
ジョマ「・・・・・・気が狂いそうになりますよ!」
  僕はそれほど、苦は感じない気がするけど、ジョマは違うらしい。
ジョマ「ロクと出会えてよかったです、私が特殊捜査室の部屋で、発狂して怪死するところでした」
  そこまでか。
ジョマ「ありがとうございます」
  その言葉を口にしたジョマは、少しだけ、つないでいた手に力が入る。こういうふとした所が。
ロク「卑怯だなぁ」
  僕は独り言ちる。
ジョマ「なんです?」
ロク「何でもないよ」
  僕が微笑んで見せると、ジョマは不思議そうな顔で、軽く首を傾げた。
ロク「・・・・・・それで、話は戻るけど」
  僕は前置きをして、疑問に思った事を確認するために、口を開く。
ロク「例えばの話だけどね、短剣を魔法で操って、人を刺して、その短剣を持ち去ったら、魔力紋は残らないよね、どうするの?」
  魔力紋の特性を考えると、そういう事になる。ナイフを握って、人を刺しても、傷口付近に、指紋が残らないのと同じだ。

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