異世界転生に本格ミステリぶっこんだら、新感覚ざまぁになりました!

高岩唯丑

エピソード12(脚本)

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高岩唯丑

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〇西洋の街並み
  王都はとても賑やかな場所だった。到着した時にそれは見てわかった事だけど、実際、その通りを歩いてみて、より理解した。
  露店があって、良い匂いが漂ってくる。いろいろな道具が売られている。
  そう言う通りを笑顔の人たちが、歩いている。賑やかで楽しい場所だ。
  僕たちはそこを歩いて楽しむ。時には店に立ち寄って、よくわからない物を眺めて笑って、美味しい物を食べて。
ロク「ふぅ」
  僕は一息つくと、周りを見渡す。僕とジョマは休憩のために、広場にやってきた。
  ここは騒ぎに疲れた人が休むための場所なのか、割と静かな場所だ。
ジョマ「疲れましたか?」
  ジョマが、微笑んでそう問いかけてくる。
ロク「うん、田舎出身だから、正直な所、人が多いのに慣れてなくて」
  僕の微苦笑に、ジョマは少し笑った。
ジョマ「やっぱり田舎出身ですか、王都を見て、お祭りをしてると思ってましたもんね」
ロク「そうだね」
  僕の微苦笑が苦笑へと変わる。
ジョマ「まぁ、慣れてください、ここでロクは働くんですからね」
  ジョマの、僕の手を握る力が強くなる。実はずっと手をつないでいた。ジョマは僕が逃げない様に、手を離さないんだろう。
  それと惚れさせるために。残念ながら、効果は絶大だった。
  情けない話、僕の中で逃げるという選択肢が、思った以上に消えてきている。
  歩いている最中、何度もジョマの横顔を盗み見て、にやけただろうか。
ジョマ「それで」
  ジョマは少しだけ、真剣な表情に変わって言葉を続ける。
ジョマ「ちょっと、仕事の話をしましょうか」
ロク「うん」
  僕はいい加減、覚悟を決める様に返事をする。こうなってしまったからには、ちゃんとしないと。
ジョマ「過去にも起こっていますし、これからも、訳が分からない事案が起こると思います」
ジョマ「そういう物は魔力紋が重要になる場合が多いです・・・・・・知ってると思いますけど、復習しておきましょうか」
  モリアテから授けられた魔法の才能の中に、たぶん魔法の知識もあったらしく、用語の意味はちゃんとわかった。
  魔力紋とは、魔力の固有の波長の事。人によってすべて異なっていて、生まれてから死ぬまで、絶対に変わる事がない。
  この魔力紋は魔法を使うと、残る。
  指紋に近いものがあって、例えば、魔力紋が残った物を、どこかに擦り付けたとしても、魔力紋がそこに移ることは無い。
  ただ、指紋に近いだけで、違う部分もある。
  魔力紋はふき取るなどの行為で、消し去る事ができないのだ。ただずっと残るというわけではない。
  魔法の強さによるけど、だいたい一週間程度で消える。
  そして、指紋の様に手袋をつければ、残らないという物ではない。
ロク「魔力紋は」
  僕はジョマに、頭の中で整理した魔力紋について、指紋の事を抜きにして話した。
  指紋なんて認知されていないだろうから。ジョマは満足げに頷いて、口を開いた。
ジョマ「良いですね」

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