第四話 めるちゃんより愛をこめて!?(脚本)
〇華やかな広場
私、甘宮苺果(あまみやいちか)、中学一年生!
魔法少女「ピュアストロベリー」の正体なんだ!
子どもからの応援で、ストロベリーパワー発動の手がかりを得たけど・・・
まだまだこんなんじゃダメだよね!もっと頑張らなくちゃ!
ニコタイン「う、う・・・成長したでござるな、ストロベリー殿・・・!!」
ピュアストロベリー「誰目線なんだよ・・・」
〇オフィスビル
スモーキー「モッキィ〜」
ピュアストロベリー「また1匹だけふらふら歩いてる・・・」
ニコタイン「さっさとぶっ飛ばすでござるよ」
そこまでですわ、副流會!!
レッドプリン「バケツ・プリンセス参上!!」
ピュアストロベリー「げっ!!出た!!」
スモーキー「モギモギィ!」
レッドプリン「ハァ!!」
スモーキー「モッギュウ!?」
レッドプリン「一丁あがりですわね」
おねえさん「すごい、一瞬で倒しちゃった!!」
オタク「やっぱり時代はバケプリだよなぁ〜!!」
レッドプリン「おほほほ、この程度ティファニーで朝飯前ですのよ」
ブループリン「こんな雑魚・・・必殺技を使うまでもない」
ピュアストロベリー「だ〜か〜ら〜!!」
ピュアストロベリー「なんでいつもいつも人の手柄を横取りするの!?」
レッドプリン「横取りだなんて人聞きの悪いですわね」
レッドプリン「あなたじゃ頼りないから、代わりに退治してあげてるのに」
ピュアストロベリー「余計なお世話だから!!」
ピュアストロベリー「ほらニコタイン、アンタもなんか言ってやってよ!!」
ニコタイン「・・・・・・」
レッドプリン「あら、なにか御用?」
ニコタイン「いつも手際よく副流會を倒していてお見事でござるぅ〜」
ピュアストロベリー「何褒めてんだよ!?」
レッドプリン「あらあら、ずいぶん素直ですこと!」
ブループリン「素直な男は、嫌いじゃ・・・ない・・・」
ニコタイン「・・・ポッ」
レッドプリン「それでは皆さまごきげんよう〜」
ニコタイン「ごきげんようでござる〜」
ピュアストロベリー「・・・・・・」
ニコタイン「ストロベリーどの?」
ピュアストロベリー「キィー!!」
ニコタイン「荒れてるでござるなぁ」
ピュアストロベリー「あんたこそなんでそんなに平然としてるの!!」
ピュアストロベリー「手柄取られたんだよ!?」
ニコタイン「この街を守る人間がたくさんいるのは良いことでござろう?」
ピュアストロベリー「急に大きな視点で話し始めんな!!」
ニコタイン「それに・・・」
ピュアストロベリー「それに・・・?」
ニコタイン「あんな美人と戦えるなら、副流會に残っても悪くなかったでござるな」
ピュアストロベリー(そのままやられちゃえばいいのに・・・)
〇教室
女子生徒「ねえねえ聞いた!?またバケプリが怪人を退治したみたいだよ!!」
女子生徒「知ってる知ってる!瞬殺だったって!!」
「かっこいいよねー!!」
苺果(みんなバケプリの話題で持ちきりかぁ)
苺果(しょーがない、帰ってストロベリーパワー発動の練習でもしよっと)
〇学校の廊下
苺果「あっ!?」
苺果「いったたぁ・・・」
苺果「ごめんね、怪我ない!?」
める「う、うん。私こそよそ見してて・・・」
苺果「あ、これ落とし物・・・ん?」
苺果「こ、これ・・・!?」
める「返して!!」
苺果「えっと確か・・・同じクラスの生柄(なまから)めるちゃんだよね?」
苺果「ひょっとして、好きなの!?」
める「え・・・甘宮さんも?」
める「その、私ずっと前から大好きで・・・」
苺果「わー嬉しい!実は私が・・・」
める「私が?」
苺果「あ、いや、私もずっと好きなの!」
〇中庭
める「このチラシ、すっごくかっこよくて、ずっと見てたの!!」
める「扉が開いたのに気づかなくて・・・本当にごめんなさい!!」
苺果「・・・・・・」
める「・・・苺果ちゃん?」
苺果「いけない、感動してちょっとトンじゃってた」
苺果(見てる人はちゃんと見てくれてるんだ・・・!!)
苺果「めるちゃんはさ、どんなところがかっこいいなーって思ったの!?」
める「やっぱり、怪人を倒していくところかなぁ」
苺果「うんうん、わかるわかる!!」
める「それに明るい笑顔がすっごくキュートだし」
苺果「そうだよねえ!!やっぱり魔法少女はかわいくないと!!」
める「あとは燃えたつようなオーラとかも憧れちゃうし」
苺果「うんう・・・ん?」
める「古風な口調もお侍さんみたいでシビれちゃうよね!」
苺果「・・・・・・」
苺果「あの~」
苺果「めるちゃんが好きなのって、ひょっとして・・・」
める「うん!!私、ピュアニコタイン様の大ファンなの!!」
苺果「そっちか~い!!」
める「い、苺果ちゃん!?どうしたの!?」
苺果「ごめんごめん」
苺果「つい必殺技のエフェクト出しちゃった」
苺果「え、あ、そう・・・ニコタインが好きなんだ」
める「うん!!最初は悪側だったのに、正義の心に目覚める人って私、大好物なの!!」
める「ご飯三杯イケちゃう!」
苺果(倒錯してるなぁ・・・)
める「ねえねえ、苺果ちゃんはピュアニコタイン様のどんなところが好きなの!?」
苺果「え、えーっと私は・・・」
苺果(とりあえず死んでもあいつに「様」は付けたくねえ・・・)
「助けてくれぇー!!」
苺果「・・・まさか、学校にもスモーキーが!?」
苺果「めるちゃんごめん!!ここで待ってて!!」
める「あ、苺果ちゃん!?」
〇体育館の裏
ニコタイン「貴様、こんなところで・・・言語道断である!!」
不良「許してくれ~!!」
苺果「何してんの、あんた?」
ニコタイン「おお、苺果どの」
ニコタイン「道を外れかけていた青年に注意していたところでござる」
苺果「天下一「お前が言うな」選手権でもやってるの?」
ニコタイン「二度としないと誓うでござるな!?」
不良「ちちち、誓います!!サーセンしたー!!」
ニコタイン「貴殿はまだ若い。いくらでもやり直しがきくでござるよ」
苺果「・・・で、あんた、何しに来たの」
ニコタイン「うむ。母上どのから、苺果どのを迎えに行くよう仰せつかったでござる」
ニコタイン「最近物騒でござるからな」
苺果「ぜってえその方が危ねえって・・・」
める「苺果ちゃん、大丈夫!?」
める「あっ!?」
苺果「げっ!?」
ニコタイン「?」
める「ぴゅ、ピュアニコタイン様だぁー!!」
苺果「やはりこうなったか・・・」
める「あ、握手!!握手してくださいいいい!!」
ニコタイン「・・・残念ながらそれは意に添いかねるでござる」
める「ど、どうしてですか!?」
ニコタイン「タバコの火は喫煙時には摂氏1,000度を超えることもある」
ニコタイン「貴殿をヤケドさせるのは本意ではないでござる」
める「ハードボイルドなのに勉強になるぅ~!!」
苺果(収集つかねえ・・・)
苺果「あの、さ。めるちゃん。ニコタイン今日は疲れてるみたいだから・・・」
ニコタイン「何を言うでござるか、このとおり元気で・・・!」
苺果「ちょっと黙ってて!!」
める「えーじゃあ一個だけお願い!!」
める「ピュアニコタイン様の必殺技が見たいです!!」
ニコタイン「必殺技でござるか?」
める「はい!!ピュアニコタイン様、魔法少女になってからぜんぜん本気出してないでしょう?」
める「一度でいいから本気のピュアニコタイン様を見たいんですぅ!!」
ニコタイン「・・・ふーむ。あまり力をひけらかすのは好ましくはないが」
ギャーッハッハハ!!
ニコタイン「この声は・・・!?」
ベンゾ・A「オイラの名前はベンゾ・A!!」
ベンゾ・A「今日も人間のエネルギーをチューチューすってやるぜぇ~タバコみて~にな!!」
ニコタイン「ちょうどいい、奴で試してやるでござる」
苺果「えっ」
ニコタイン「うおおおお!!」
ニコタイン「モード・ブラックデビル!!」
ベンゾ・A「えっ?えっ!?」
〇カラフルな宇宙空間
ニコタイン「ウィンストンキャビン・100(ワンハンドレッド)!!」
ベンゾ・A「ぐっひゃああああー!?」
〇体育館の裏
ニコタイン「ま、こんなところでござるな」
苺果(初登場なのに瞬殺された名有り怪人が不憫すぎる・・・)
める「す、すごいですピュアニコタイン様ー!!」
める「今のはどういう技なんですか!?」
ニコタイン「うむ、あれは某の・・・」
苺果「はいはい今日はもうおしまい!!帰るよニコタイン!!」
ニコタイン「あ、待つでござる苺果どの!!」
める「あ、待ってぇ、ピュアニコタイン様ぁー!!」
〇通学路
ニコタイン「い、苺果どの、なぜ怒ってるでござるかぁ~!?」
苺果「な・ん・で・も・な・い!!」
苺果(あんなやつにまでファンはいるって言うのに)
苺果(いつになったら私の人気は上がるのー!?)
傷心の苺果の目には、夕焼けのオレンジが、やけに眩しく映ったのであった──
〇体育館の裏
──その夜
ベンゾ・A「う、うう・・・」
ベンゾ・A「あれ、オイラはいったい・・・」
める「・・・ようやく起きたの?つっかえない」
ベンゾ・A「なんだこのガキ!?」
ベンゾ・A「お前のエネルギーを吸ってやるー!!」
レッドプリン「遅い!!」
ベンゾ・A「う・・・ぐ・・・」
レッドプリン「あ〜あ。こいつをけしかければ、もっとニコタインの情報が手に入るかと思いましたのに」
レッドプリン「ま、いいですわ」
レッドプリン「肝心のストロベリーの方は、まだまだお排泄物小魚(クソザコ)のようですしね」
レッドプリン「おーほっほっほ!!ほーほっほっほ!!」
ブループリン「・・・・・・」
──続く
〇華やかな広場
ピュアストロベリー「ニコタインの無茶振りで、合体必殺技を練習する私たち」
ピュアストロベリー「そこへ、副流會の怪人「アクロレーン」が現れる!」
ピュアストロベリー「しかもアクロレーンが呼び出した怪人は・・・え、あれザ・コールタールなの!?」
ピュアストロベリー「次回、「強襲!マスター・コールタール!」」
「・・・・・・」
ピュアストロベリー「誰かなんか言えよ!!」
めるちゃん、色んな意味で強キャラだった!
バケツプリンセス、どうしてバケツ……?と思っていましたが、セスの前で区切ることにようやく気がつきました😂そういうことか!
ベンゾ・Aさんがゾがザになった某かぜ薬と関係があるのかどうか気になります。
変身で大きくなるなら、そりゃ正体ばれませんよね…
オープニングとエンディングの統一感がいいですよね。あれ?メインキャラがだんだん変わってる気がする。相変わらず面白かったです。