虹架かるセカイは愉快に歌う

宇野木真帆

2話:入学式(脚本)

虹架かるセカイは愉快に歌う

宇野木真帆

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〇教室
威流 緋雨(クラスは1-A。 俺の席は・・)
江頭 仁「1年生の皆さんー!! 式が始まるまで教室で待つように!」
  ー座席表ー
威流 緋雨(あそこか。一番後ろの角。 名前順じゃないんだな)
岸野 俊介「おっ!あんた四隅の獲得者か?」
岸野 俊介「俺も狙ってたが残念! 四隅くんの前の岸野だ!よろしく!」
田中 よしこ「なになに~? 私のとなりは岸野くん?」
威流 緋雨(こいつが3人目の可能性の人物。 ターゲットNO.2,田中よし子)
岸野 俊介「田中さんよろしく! 俺って忘れ物けっこう多いから! 迷惑かけるの先に謝っておく!」
田中 よしこ「え~ それはしないように気を付けてよ」
威流 緋雨(その通りだな)
岸野 俊介「うぉぉぉーー!! めっちゃ可愛いーー!!!」
栗木田 真衣「ちょっとちょっとー! 後ろからずっと見てれば四隅くんは人気者だな~♪」
栗木田 真衣「人気すぎて座れないじゃないか~!」
江頭 仁「まったく!うちのクラスは騒がしいな!」
江頭 仁「式の前に自己紹介を始めるぞ! みんな席に着け!」
江頭 仁「じゃぁ、後ろの四隅君からいくか! 威流緋雨!トップバッターだ!」
威流 緋雨(みんなよく喋るな。 俺にとっては好都合だけど)
威流 緋雨(一番危険なのは喋り過ぎ。 自分の事は話さない方がいいだろう)
威流 緋雨(ターゲットNO.2は確認した。 残るターゲットは3人。 いい出だしだ!)
栗木田 真衣「ねぇ、ねぇ、」
威流 緋雨(ターゲットNO.1も同じく1年生。 この後の式でクラスだけでも確認しておこう)
栗木田 真衣「ねぇってば!」
威流 緋雨「な、なんだ?」
栗木田 真衣「威流緋雨くんって、きみでしょ? 自己紹介呼ばれてるよ!」
江頭 仁「どうした!威流!? 緊張してるのか!?」
威流 緋雨「い、行きます!」
栗木田 真衣「がんばれ~!」
威流 緋雨「い、いりゅう、ひっ、さめ、です・・・」
威流 緋雨(な、何を言えばいいんだ・・・)
栗木田 真衣「好きな食べ物は何ですかー?」
威流 緋雨「ぶ、ぶどう、です・・・」
威流 緋雨「・・・」
江頭 仁「よし! もう戻っていいぞ!」
江頭 仁「次!栗木田真衣!」
栗木田 真衣「は~い♪」
栗木田 真衣「栗木田真衣です!」
1-A(男子)「お!可愛い!」
1-A(男子)「Aクラの女神きたぁー!」
栗木田 真衣「この間アメリカから帰ってきたばかりです!」
栗木田 真衣「なので日本食にうえてま~す♡ 以上です!」
江頭 仁「はい!次! 岸野俊介!」
岸野 俊介「岸野俊介です! 好きな食べ物は・・・」
栗木田 真衣「ねぇ、ひっさも帰国子女なの?」
威流 緋雨「ひ、ひっさ?」
栗木田 真衣「さっき、ひっさめって言ってたよ!」
栗木田 真衣「なんかみんなと雰囲気ちがうよね~」
威流 緋雨(潜入が気づかれてる!? コイツ、何者!?)
栗木田 真衣「とーきょーの人じゃないとか?」
威流 緋雨「と、東京だけど・・・」
栗木田 真衣「へ~! なんか面白いね!」
威流 緋雨(なんかって、何だ!? まさかもうバレて!?)
威流 緋雨(コイツには関わらないでおこう)
江頭 仁「自己紹介が途中だが! そろそろ入学式だ!」
江頭 仁「そのまま座席順2列で体育館へ移動するぞ!」

〇体育館の舞台
栗木田 真衣「ねぇ!きょろきょろしてどうしたの?」
威流 緋雨(コイツまた!?)
威流 緋雨「い、色んな学生がいると思って・・・」
栗木田 真衣「ね~! 私も中学はずっとアメリカだったから! フレッシュ~♪」
威流 緋雨(ターゲットNO.1,佐藤広美。 クラスは1-Cか。 さて、どうやって接近しよう・・・)
岸野 俊介「ひっさ~! 2人で何話してんの?」
栗木田 真衣「きっし~! ひっさがきょろきょろしてるから、誰か知り合いでもいるのかなって!」
岸野 俊介「可愛い子でも探してたんじゃね~?」
栗木田 真衣「あ~! じゃあさっきの子だ!」
岸野 俊介「え!?なになに!?」
威流 緋雨「お、おい!やめ・・・」
栗木田 真衣「黒髪ショートボブの子に見惚れてた!」
岸野 俊介「なんだよひっさ~! 清純派だったのか~♪」
威流 緋雨(なんでそんな外見まで!? ちゃんと覚えてんだコイツは!!)
威流 緋雨(ターゲットに近づき辛くなるだろっ!)
栗木田 真衣「やべ、からかいすぎちった・・・」
岸野 俊介「平気だろ~!」
司会「それではこれより入学式を始めます!」
司会「まずは校長先生のお話です!」
威流 緋雨(まったく。何なんだアイツは・・・)
威流 緋雨(誰かの差し金なのか? ことごとく俺の邪魔をしてくる)
威流 緋雨(さて、佐藤広美にどう接近するか・・・)
司会「校長先生の話は以上です。 続いて、部活紹介です」
威流 緋雨(・・・)
威流 緋雨(HRが終わってから、廊下の人混みに紛れて、)
赤木 里香「ダンス部の紹介を始めます! 現在、私たちダンス部は総勢30名で・・・」
威流 緋雨(え? なんで転校初日で部活紹介に出れるんだ?)
1年生「ねぇ!あの髪の長い人かっこよくない!?」
1年生「私もダンス部にしようかな!?」
司会「続いて、映画研究部の紹介です」
1年生「あ!!さっきの人!?」
1年生「ほんとだ!! わたし!!映画研究部にする!!」
篠田 祥子「これ、読んで」
  ─カンペ─
威流 楓「任せて」
威流 楓「こちらが部長の篠田祥子。 私は威流楓です」
威流 楓「私たち映画研究部は・・・」
威流 緋雨(あいつのおかげでターゲットNO.3,4に近づきやすくなった)
威流 緋雨(後で礼ぐらいは言っておかないとな)
栗木田 真衣「威流って珍しいよね。 あの髪の長い人って、もしかして、ひっさのお兄さん?」
岸野 俊介「あ、俺もそれ気になる~」
威流 緋雨「兄だ」
岸野 俊介「全然似てねーのな!」
栗木田 真衣「兄弟って意外と正反対になるらしいよ~」
岸野 俊介「じゃぁまさに兄弟だな! 威流先輩!! 大人な感じでカッコいいぜ~!」
威流 緋雨(大人?中身はまるで子ども。 いや、子どもよりタチが悪い)
栗木田 真衣「ね~! 威流先輩ってカッコいいー!」
岸野 俊介「え!? 栗ちゃんってあーいう大人な感じが好み!?」
威流 緋雨「ちょ、岸野、声・・」
栗木田 真衣「う~ん、そうかも♪」
威流 緋雨「栗木田も静かに・・・」
岸野 俊介「俺も髪伸ばそうかなぁー!」
  後ろの3人!
  部活紹介中なので静かにしてください!
威流 緋雨(あー!!くそっ!!)
威流 緋雨(俺を目立たせるな!!)

〇教室
栗木田 真衣「わ~い! お昼だ!お昼だ!」
岸野 俊介「高校からは弁当だもんな~」
威流 緋雨(なぜ俺の所に!? 余所で食え!!)
岸野 俊介「俺んとこは共働きだから買弁だぜ~」

〇明るいリビング
母さん「ごめーん!緋色! 今日も仕事になっちゃって・・・」
吾妻 緋色「母さん、俺たちは大丈夫だから」
母さん「ほんとごめんね! なんか買って、ひばりと一緒に夕飯食べてあげて!」
吾妻 日晴「わ~い!」
吾妻 日晴「好きなもの買っていいの?」
吾妻 緋色「お菓子はだめだぞ」
吾妻 緋色「母さん。俺たちは大丈夫だから、行ってきて」
母さん「助かるわ! それじゃあ行ってくるね!」
「行ってらっしゃい!」

〇教室
岸野 俊介「そんな目で見んなよ~!」
威流 緋雨「ちっ、ちが・・」
威流 緋雨「すまん・・・」
岸野 俊介「俺ん所はな、兄弟が多いから」
岸野 俊介「仕方ねーんだよ! あんぱんうめー!」
栗木田 真衣「私もお弁当あけよう~!」
栗木田 真衣「わ~♡ママさすが!」
岸野 俊介「栗ちゃんの弁当すげぇな~!」
栗木田 真衣「ひっさのお弁当は?」
威流 緋雨「え、俺は・・・」
岸野 俊介「俺も気になる~」
威流 緋雨「そんな見せるもんじゃ・・・」
岸野 俊介「あんパンばかにして! それはナシだぜ~!」
岸野 俊介「なんだ!ひっさも買弁じゃねーか!」
威流 緋雨「一応、弁当なんだが・・・」
威流 緋雨(外袋まで用意する考えがなかった・・・)
岸野 俊介「ならいざ!」
栗木田 真衣「いざ!!」
威流 緋雨(これは・・・!?)

次のエピソード:3話:どうしても兄さんって呼んでほしい♡

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