STLIMAN

小松朋喜

エピソード2 1/1の純粋な単純(脚本)

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〇草原の一軒家

〇黒背景
林ゆかり「どこ行くんだ!」
林杏子「ちょっと部活に・・・朝練があって」
林ゆかり「部活?あんたが?」
林杏子「そ、そう!最近始めたの!」
林杏子「遅れちゃうから行くね!」

〇怪しい研究所

〇研究装置
林杏子「傷がもう癒されている。ここの設備はすごいな。一体ムーチー博士とは何者?ここには居ないのか?どこに居る?」
林杏子「うーむ やはり井上卓の力は人並み以下か・・・」
林杏子「書いてある通りに井上卓を生み出したが まさかどこかでミスを?そんなはずは・・・」
井上卓「わ!」
林杏子「何をする貴様!」
井上卓「おはよーママ!」
林杏子「ママじゃ・・・!もういい疲れた」
井上卓「何してるの?」
林杏子「な、なんでもない!早く学校に行く準備をしろ!」

〇学校の校舎
林杏子「黙れ貴様ら!」

〇教室
林杏子「何をギャーギャーと!ただ井上卓が怪人と戦っただけだろう!」
小島美咲「そりゃそうっしょ・・・普通の人は怪人と戦わないから」
井上卓「何それ?」
井上卓「食べる物?」
井上卓「あむ」
井上卓「美味しい!ありがとう!」
小島美咲「なんか久しぶりに戻ってきたら井上変わったよね?前はもっとクールって言うかさ」
林杏子「そうか?」
小島美咲「相変わらず何にも知らないね杏子」
林杏子「興味ない。それにあいつは嫌いだった。何をやるにも自分が1番みたい顔しやがって!」
小島美咲「だったって、いるじゃんあそこに」
林杏子「い、いやそれは・・・」
林杏子「何をする貴様!」
井上卓「サッカーって言うんだって!おもしろいねこれ!」
林杏子「グラウンドでやれ貴様!」
小島美咲「ホント変わったね」
林杏子「変わりすぎだ!」
小島美咲「じゃなくて 杏子が変わったって事」
林杏子「な!?どこがだ!」
小島美咲「なんとなく」
林杏子「外でやれと言っただろバカ者!」

〇秘密基地の中枢
ブリリアンス「これは!?」
ウォリアン「今後生み出す怪人のリストだ 次からはここに書いてある通りにやれ」
ブリリアンス「資料めっちゃかわいい入れ物に入ってるぅ!? 正気ですかウォリアン様!?」
ブリリアンス「申し訳ございません!・・・しかしこれは前回の怪人よりも弱く設定されている?何故・・・」
ウォリアン「世界はすでにレジスタンスのもの!焦る必要はない!じっくり世界を恐怖のどん底に落としてやるのだ!」

〇教室
井上卓「あ!昨日お弁当ありがとうね!そして今日もいただきまーす!」
林杏子「人の弁当食うな!売店でパンを買ってやると言っているだろ!」
井上卓「はーいママ いただきまーす」
林杏子「うぉーい」
小島美咲「なーんか杏子と井上いい感じじゃーん」
林杏子「な!どういう意味だ!」
小島美咲「付き合ってるの2人?」
林杏子「バ!バーカちげぇよ!そんなんじゃねぇし!」
中野葉月「調子に乗らないで」
林杏子「どういう意味だ」
中野葉月「井上卓の前でヘラヘラベタベタ 好かれようとしてるのバレバレなのよビッチ」
林杏子「ああん!?俺様とやろうってのか貴様!」
中野葉月「上等だ!かかってこいや!」
小島美咲「落ち着いて2人とも」
井上卓「どうしたの?」
林杏子「こいつが突っかかってきたんだよ!」
井上卓「君この前の?怪我は大丈夫?」
中野葉月「うん・・・私のためにありがとね」
井上卓「僕はヒーローだから助けるのは当たり前さ」
中野葉月「ああん❤️カッコいい❤️」
林杏子「どっちがビッチだ・・・」
井上卓「君とママはお友達?」
林杏子「誰がこいつと・・・」
中野葉月「親友よ!」
井上卓「そうなんだ!仲良くてしている人を見るの僕大好き!」
中野葉月「好き・・・それは・・・告白❤️」
林杏子「ちがうわ!」
井上卓「これからも仲良くね!」
中野葉月「ええ!大親友だもの!じゃあね井上卓❤️」
中野葉月「べー!」
林杏子「ああん!?」
井上卓「仲良いね!」
林杏子「どこがだ!」
小島美咲「すごいね杏子 中野さんにあんな・・・」
林杏子「学級委員長なんだろ?前に聞いた それがなんだというのだ」
小島美咲「でも中野さん3年だよ?」
林杏子「先輩なのか? な、なんて暇な学級委員長だ 他にやる事があるだろう」
小島美咲「井上のファンクラブ会長だからねぇ」
中野葉月「ちょっと!気安く話しかけないで!」
林杏子「あいつまだいるのか・・・」
中野葉月「変な事したら退学にさせるわ!」
林杏子「職権濫用してやがる なんで野郎だ・・・」
小島美咲「それだけ井上に魅力があるって事じゃない?」
井上卓「ママ」
井上卓「そういえば僕がヒーローになるための修行 いつやってくれるの?」
林杏子「ふふ・・・任せろ」

〇秘密基地の中枢
ウォリアン「あの~ 弱い怪人を作れって言いましたよね・・・」
ブリリアンス「指示通り力を弱くしましたが、作り甲斐がないのでせめて見た目だけでもと美しくしてみました。おかげで材料が足りなくなりました」
ウォリアン「・・・優秀だぞブリリアンス 呆れるぐらい優秀だこのヤロー!」
ウォリアン「行くぞ!」

〇荒野
ブリリアンス「ウォリアン様?何故このような場所をお選びに?人間がいませんが・・・」

〇学校の校舎
井上卓「悪って何?なんで皆を傷つけるの? 誰も望んでないよそんな事・・・」

〇荒野
ブリリアンス「ウォリアン様?」
井上卓「ん?誰?」
ブリリアンス「あいつはこの前の弱い人間!?何故ここに?」
井上卓「ママに呼ばれたんだけどいないんだ 君達道に迷った?出口ならあっちに・・・ん?」
井上卓「君は・・・」
ウォリアン(まさか俺様に気づいた!?)
井上卓「すごい筋肉〜憧れる~」
井上卓「変わった格好をしてるね? パーティってやつに行くの?」
ブリリアンス「我々の容姿をバカにするのか!」
井上卓「してないよ カッコいいなって思ってさ」
ブリリアンス「カッコいい?・・・我々が」
ウォリアン(そうか・・・何も戦う必要はないのかもしれない。ブリリアンスを説得したらもしかして・・・)
ブリリアンス「そうやって我々を騙してまた裏切るんだ!人間など信用できるか!」
ブリリアンス「行け怪人!その男を殺せ!」
井上卓「怪人!?君達この前の・・・」
ブリリアンス「やはり虫ケラ!いや!虫ケラ以下だ!」
ウォリアン(大丈夫だ井上卓!奴の行動をよく見れば勝てるように設定されている!これぞウォリアン流!実践に勝る修行はない!だ!)
ウォリアン「いやもうボロボロになっとる~! よわすぎぃ~!」
ブリリアンス「わはは!少し強くした甲斐があった!」
ウォリアン「優秀!」
ブリリアンス「私のプライドが許せないので指示されていた怪人の弱点も外しておきました」
ウォリアン「優秀!?」
ブリリアンス「あ、よく考えたら前の怪人より強いかも」
ウォリアン「優秀すぎーる!」
ウォリアン「貴様俺様に逆らうつもりか!指示通り作れ!」
ウォリアン(くそーブリリアンスめ!今度たっぷり教育せねば!)
ウォリアン(まずいぞ!前よりも強いのであれば井上卓に勝機はない!)
ブリリアンス「また貴様かジ・ブラック!」
ジ・ブラック「これでお前と同等の力となったはず」
ジ・ブラック「今なら勝てる 戦え」
井上卓「嫌だ・・・戦いたくない あんなボロボロにされて 怪人がかわいそうだよ」
井上卓「ヒーローにはなりたい・・・だけどできれば戦いたくない!それにこれは・・・」
井上卓「弱い者いじめだ!」
ジ・ブラック「そうだった」
ジ・ブラック「そういう奴だった 思い出してきたよ」
ブリリアンス「な!?あいつら知り合いだったのか!?」
ウォリアン(井上卓はついこの前生み出されたばかり!そんなはずは・・・)
井上卓「いだ! 何するのさ!」
ブリリアンス「仲間割れ!?」
ジ・ブラック「その甘さ いずれ後悔する事になるぞ」
ジ・ブラック「出てこい 死にたくなければ」
井上卓「君!同じクラスの!?どうして・・・」
ジ・ブラック「化け物 こいつを殺せ」
井上卓「なんだと!」
ジ・ブラック「どうした?やれよ」
佐藤達彦「た・・・たすけ・・・」
井上卓「やめろ!」
ジ・ブラック「助けたければ戦え 人間を守るのがヒーローなんだろ?」
井上卓「・・・そうだ」
ジ・ブラック「やれ!ストライマンとなれ!」
井上卓「うぉ~!」
ジ・ブラック「闇雲に突撃するな。相手の動きをよく見ろ」
井上卓「攻撃をかわせた!?」
ジ・ブラック「油断するな クールになれ」
井上卓「わかった!」
ブリリアンス「い、一体何を・・・」
ウォリアン(これは・・・)
  ジ・ブラックが井上卓に修行を付けている!?
井上卓「く!やっぱり敵わないよ!」
ジ・ブラック「怪人のダメージが回復してきたか」
井上卓「やめろぉ!」
井上卓「彼を傷つけるな!」
井上卓「ここは僕が何とかする! 今のうちに逃げ・・・」
ジ・ブラック「上出来だ井上卓 あとは任せろ」
カッコ・イン・デス「なんでやね~ん!」
ジ・ブラック「もう危険はない 行け」
ブリリアンス「邪魔ばかりしおって!あいつを倒す怪人を研究せねば!先に戻りますウォリアン様!」
ウォリアン「今奴は・・・」
  井上卓と・・・
井上卓「あ、ありがとうございました・・・」
ジ・ブラック「よく聞け お前は普通の人よりも弱い」
ウォリアン「何を・・・」
井上卓「知ってる・・・」
ジ・ブラック「そうだ まず受け入れろ そして人の何百倍も努力をし 甘さを捨てろ」
ジ・ブラック「ヒーローは優しく温かい存在だ しかしいざという時は非情にならなければ大切な者を救えない よく覚えておくんだ」
井上卓「うん・・・」
ジ・ブラック「そして」
ジ・ブラック「師匠の言う事をよく聞くんだ」
ウォリアン(今!?俺様を見た!?)
ジ・ブラック「健闘を祈る」
ウォリアン(奴は俺様が師匠だと・・・ 林杏子だとバレている!? 何故それを黙っているのだ? ジ・ブラック・・・なんの目的が・・・)
井上卓「う!」
林杏子「井上卓!!」

〇研究装置
林杏子「目覚めたか ご苦労だった 腹減ったろ?飯でも食いに行こぅ」
井上卓「うん・・・」

〇うどん屋台
林杏子「ここのうどんは美味い 食ったら元気になるぞ」
井上卓「そう・・・」
林杏子(争いを拒み 優しいこの男に 俺様は一体何をさせたいのだ?)
  きっと
  なぜ僕はこんな目にあわなければいけないのかと思い悩んでいるに違いない・・・
井上卓「そっか・・・わかった」
井上卓「あそこでかわせば僕のパンチは当たったんだ!くやしいなぁ~!」
井上卓「次は負けないぞ!絶対にストライマンになってみせる!」
林杏子(単純なやつめ お前のために悩んだこっちがバカバカしくなる)
林杏子(きっとそれでいいんだ もっとシンプルで・・・ もっとありきたりで・・・ それが)
井上卓「ヒーロー!」
井上卓「かっこいい響きだね ヒーローって!」
林杏子「そう! ヒーローはシンプルでかっこいいんだ!」
井上卓「わー!おいしそう!これがうどん?」
林杏子「そうだ この世にうどんよりうまい物はない!」
井上卓「そうなんだ! 覚えておくね! いただきま~す!」
井上卓「あっち~!!」
林杏子「ははは! 落ち着いて食え!」

次のエピソード:エピソード3 ストライマンって…

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