逃げ切れ!妖狐ちゃん

戸羽らい

#4 信念(脚本)

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戸羽らい

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〇古い洋館
僧侶 アルカ「ふん」
僧侶 アルカ「僕が本物の占い師です」
村娘 アリス「・・・」
僧侶 アルカ「僕が本物の占い師ですよ」
冒険者 マーベリック「・・・」
僧侶 アルカ「僕が本物の占い師です!」
医師 クランツ「知ってるさ」
商人 ルドルフ「どうやろなー」
僧侶 アルカ「僕が本物の占い師ですからね!」
神父 ランド「ははっ。そうだね」
踊り子 フォクシー「・・・」
僧侶 アルカ「ふん」

〇おしゃれな居間
村長 ゴードン「揃ったか。では、今日の処刑を決めよう」
僧侶 アルカ「今日の処刑は貴方です。お疲れ様でした」
村長 ゴードン「・・・ほざけ」
村娘 アリス「2人はお医者さんを占ったんだよね。とりあえず、占った理由だけ教えてくれない?」
商人 ルドルフ「せやなー。そこは気になるなー」
村長 ゴードン「理由か。それは其奴が龍神様の信仰に否定的だったからじゃ」
村長 ゴードン「人狼の習性がどうのぬかしており、全く龍神様を信じようとせん。こんなの見るからに怪しいわい」
医師 クランツ「・・・ふん。それは医師として当然だ。オカルトでは人の命は救えない」
僧侶 アルカ「僕は知識の豊富な医師様がもし人狼なら危ない、と思って占いました」
僧侶 アルカ「仮に人間であることが分かっても、それはそれで頼れるので」
村娘 アリス「なるほど。占いを外した時のことまで考えてるのは真目高いね」
村娘 アリス「やっぱり私は僧侶さんが真だと思うな」
商人 ルドルフ「じゃあワイも〜」
村長 ゴードン「お主ら、考え直せ。アルカは耳触りの良い言葉を並べているだけじゃ」
商人 ルドルフ「そうなん?」
村娘 アリス「村長さんだって、お医者さんを怪しんでたって嘘じゃないの?」
村娘 アリス「龍神への信仰が薄いのは私だって同じだし、お医者さんを怪しむなら私のことも怪しまないとおかしくない?」
村娘 アリス「私の最初の悪態を忘れたの?」
商人 ルドルフ「「雨降らす意味ある?」ってやつやな」
村長 ゴードン「いや、そこはわしも同じこと思っとったし。実際に雨降らす意味なかったし」
村娘 アリス「何それ。胡散臭い」
冒険者 マーベリック「んじゃ村長殺すか」
神父 ランド「僕も賛成です〜」
村長 ゴードン「待ってくれお主ら・・・本気か?」
冒険者 マーベリック「本気だ」
踊り子 フォクシー「・・・」
踊り子 フォクシー(私には村長さんが嘘をついてるようには見えない)
踊り子 フォクシー(逆に、僧侶さんは何か、私たちに媚を売っているというか、みんなを丸め込もうとしている気がする)

〇森の中
神父 ランド「妖狐はね、呪術に弱いんだ。占いの力を浴びると、その身体を現世に留められなくなってしまう」
踊り子 フォクシー「え・・・」
神父 ランド「だから、君のためにも占い師は殺さなくてはならない」

〇おしゃれな居間
踊り子 フォクシー(でも、いくら村長さんが本物に見えても)
踊り子 フォクシー(自分のためを思うなら、この流れに乗じて処刑してしまった方が良い)
踊り子 フォクシー(本物の占い師は、私にとって脅威だから)
踊り子 フォクシー「・・・」
踊り子 フォクシー(違う。私がやりたいのはこんなことじゃない)
踊り子 フォクシー(私は生き残りたい。でも、他人に流されて生きるなんて、自分を殺してるのと一緒だ)
踊り子 フォクシー(私は私が正しいと思う道を選ぶ)
踊り子 フォクシー(だって、地上に降りてきたのだって、私が自分で選んだ道だから)
踊り子 フォクシー「私は、村長さんが本物の占い師だと思う!」
村長 ゴードン「おぉ! 旅の踊り子よ! 其方は分かってくれるか!」
神父 ランド「・・・」
冒険者 マーベリック「理由を説明できるか?」
踊り子 フォクシー「理由なんてないよ。直感。私には村長さんが嘘をついてるようには見えない」
村娘 アリス「直感〜? そんなのが通ると思ってるの?」
踊り子 フォクシー「君たちの意見も直感と変わらないじゃん」
踊り子 フォクシー「占い理由なんてその人の性格によるし、それが真偽に結び付くと私は思わないな〜」
村娘 アリス「占い理由は大事な要素でしょ」
村娘 アリス「それに村長さんが真なら、僧侶さんとお医者さんの2人が人狼ってことになるよね」
村娘 アリス「仲間を庇って占い師を騙るなんて、そんな分かりやすいこと人狼がするの?」
踊り子 フォクシー「するよ。だってそうするしかないもん」
踊り子 フォクシー「もし僧侶さんが占い師を騙らずに、村長さんだけが占い師の状況だったら」
踊り子 フォクシー「村長さんの本物が確定して、狩人に護衛されて終わりだよね」
村娘 アリス「・・・」
村娘 アリス「今朝は誰も襲われなかった・・・ってことは、死んだ人が占い師って理屈は通らないのか」
踊り子 フォクシー「昨日処刑された格闘家さんも絶対占い師じゃないしね」
医師 クランツ「おいおい・・・君の意見はまさに人狼の思う壺だぞ」
僧侶 アルカ「村長は偽ですよ」
僧侶 アルカ「「嘘をついてるように見えない」とか、眼球が腐っているのでは。どう見ても村長は嘘つきですよね」
踊り子 フォクシー「人狼の思う壺? 眼球が腐ってる?」
踊り子 フォクシー「まるで私が人間のような言い方だけど、君たちからしたら私って人狼じゃない?」
踊り子 フォクシー「だって私以外の全員が村長さんを殺すのに賛成してるんだから。村長さんの仲間って私くらいしかいないよね」
僧侶 アルカ「あーはい、じゃあ貴方が人狼ですね。お疲れ様ですさようなら。村長と一緒に死んでください」
踊り子 フォクシー「それともう一つ」
踊り子 フォクシー「僧侶さんってさ、お医者さんを占って人間だったんだよね?」
僧侶 アルカ「はい」
踊り子 フォクシー「でも今朝、お医者さんが人狼みたいなこと言ってなかった?」
踊り子 フォクシー「占いで人間だと分かってるのにおかしいよね」
僧侶 アルカ「はぁ? いつ僕がそんなこと言ったんですか?」
医師 クランツ「・・・あれか」

〇おしゃれな居間
医師 クランツ「アリスちゃ〜ん、僕とお医者さんごっこしないかい?」
村娘 アリス「いいよ〜。私がお医者さんで、クランツさんは死体役ね。その汚い腹の中を私が解剖してあげるよ」
医師 クランツ「やめてぇ」
僧侶 アルカ「破廉恥です。こんな不道徳な茶番を人前で披露するなんて人狼では?」

〇おしゃれな居間
僧侶 アルカ「あんなの冗談に決まってるじゃないですか」
村長 ゴードン「君は冗談を言うような性格じゃない」
村長 ゴードン「クソが付くほどの真面目で、頑固者で、自分を僧侶だと思い込んでる異常者だ」
僧侶 アルカ「・・・」
踊り子 フォクシー「「お医者さんを占った」というのは、仲間を庇うために咄嗟についた嘘じゃないかな?」
踊り子 フォクシー「嘘をついたから矛盾が生じた」
冒険者 マーベリック「・・・確かに踊り子の言うことは一理あるな」
冒険者 マーベリック「村長が真かもしれない。今日は医師を殺そう」
冒険者 マーベリック「反対の者はいるか?」
村娘 アリス「私も村長真な気がしてきた。お医者さんの処刑に異論はないよ」
商人 ルドルフ「じゃあワイも〜」
神父 ランド「・・・ないよ」
冒険者 マーベリック「じゃあ、そういうことで──」
医師 クランツ「や、やめろぉ! 私は人狼じゃない!」
医師 クランツ「嵌められたんだ! そこの小娘とジジイに嵌められたんだ!」
冒険者 マーベリック「連行しまーす」
医師 クランツ「離せ!」
村長 ゴードン「さらばだ人狼〜」
医師 クランツ「このクソジジイ!」
医師 クランツ「待て! 待ってくれ!」
医師 クランツ「本当に私は人狼じゃない!」
医師 クランツ「冤罪だァー!」
踊り子 フォクシー(私の意見がみんなを動かした)
踊り子 フォクシー(気持ちいい。生きてるって感じする)
踊り子 フォクシー(・・・でも、本当にこれで良かったのかな?)
神父 ランド「・・・」
神父 ランド「君は・・・愚かだ」
踊り子 フォクシー「・・・なんなの」
踊り子 フォクシー(知ってるよ。自分が愚かなことくらい)
踊り子 フォクシー(自分勝手に天界を飛び出してきて、こんな人狼騒ぎに巻き込まれて・・・)
踊り子 フォクシー(元から私は愚かだよ)
踊り子 フォクシー(でも、たとえ愚かでも、自分の気持ちを優先したいじゃん)

次のエピソード:#5 夢幻

コメント

  • 人狼ゲーム感が増して、どんどん面白くなってきましたね✨
    そして、処刑が次回に持ち越しなので、まだ医師が人狼なのかも定かではないと…。
    どの様な波乱が待っているのか楽しみです👍

  • 不利益になろうが自分の思う通りを通す。それが決めた生き方だから。この回はカタルシスありますね。
    どうしてもそこに「それが間違いだとしても」って注釈が入るところに、不穏さと、この作品にしかない魅力を感じます。面白かったです。

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