怪人のタネ

もと

ちゃんとお世話する。(脚本)

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〇学校脇の道
ヒロキ「・・・なんか落ちてる」
ヒロキ「・・・なにこれ、クルミ?」
ママ「どうしたの?」
ヒロキ「ママ、なんか落ちてる」
ママ「木の実? 何かの種が干からびちゃったのかな?」
ヒロキ「タネ?! 拾っていい?!」
ママ「植えてみる?」
ヒロキ「うん!」
ママ「うふふ、どうぞ? キレイな花でも咲くといいね?」
ヒロキ「・・・わあ」

〇勉強机のある部屋
ヒロキ「・・・芽、出る?」
ヒロキ「・・・まだ?」
ヒロキ「・・・」
ヒロキ「・・・おやすみ」
タネ「・・・」
タネ「・・・」
ヒロキ「呼んだ?」
ヒロキ「芽が出るの?」
ヒロキ「わあ」
ヒロキ「わあ・・・」
ヒロキ「わあ!」
ヒロキ「すっごい! 初めまして、僕がママだよ!」
ヘル「・・・初めまして・・・私はヘル ・・・初めまして・・・ママ」
ヒロキ「喋った!」
ヒロキ「僕はヒロキ! よろしくね!」
ヘル「・・・ヒ・・・ロキ様 ・・・ママ」
ヒロキ「わあ!」
ヒロキ「ねえ、名前つけてもいい?」
ヘル「・・・私の名はヘル・・・」
ヒロキ「・・・」
ヒロキ「スズちゃん! 頭に鈴みたいなのがいっぱい付いてて 可愛い!」
ヘル「・・・私の名は・・・スズちゃん」
ヒロキ「あははっ! 可愛いね! ねえ、スズちゃんは何なの?」
ヘル「・・・私は・・・何なの」
ヒロキ「うん」
ヘル「・・・私は・・・ナニ ・・・私は何なのか・・・!」
ヒロキ「うん?」
ヘル「私は! 何なのか!」
ヒロキ「わあ?! な、なんかゴメン!」
ヒロキ「えっと、じゃあ、じゃあ、 好きな食べ物は?!」
ヘル「・・・にんg」
ママ「ヒロキ、何してるの? 早く寝なさい?」
ヒロキ「あ、ママ」
ママ「どちらさま?」
ヒロキ「スズちゃん! タネだよ、帰りに拾ったのから生えたんだ」
ママ「生えた?」
ヘル「・・・ママ ・・・ロキママと ・・・ママ」
ヒロキ「ロキじゃなくてヒロキだよ? 僕はスズちゃんのママで ママは僕のママ!」
ヘル「・・・僕のママ ・・・ヒロキのママ」
ママ「賢いのかな?」
ヒロキ「うん、多分賢いよ? ちゃんとお世話するから育てていい?」
ママ「ご飯はいるの? 散歩とかトイレは?」
ヒロキ「あ! スズちゃんは何を食べるの? お散歩好き? トイレは出来る?」
ヘル「・・・食べる ・・・お散歩 ・・・トイレ」
ママ「生えたばっかりじゃ分かんないかな? じゃあ、今日はもう遅いから明日ゆっくり 聞いてみる?」
ヒロキ「育ててもいいの?」
ママ「とりあえず今夜だけね? 今から外に出しても真っ暗だから 可哀想でしょ」
ママ「もう寝なさい? 明日ちゃんと色々聞いてあげて 無理そうなら元の場所に戻してあげよう?」
ヒロキ「はーい」
ヘル「・・・はーい」
ヒロキ「うふふ」
ママ「スズちゃん、お布団ひいてあげようか ちょっと待っててね? ヒロキはベッドに入ってなさい」
ヒロキ「はーい!」
ヒロキ「良かったね、スズちゃん! 多分だいじょぶだよ!」
ヘル「・・・ヒロキはベッドに、ママはベッドに」
ヒロキ「なあに?!」
ヒロキ「わあ?!」
ヒロキ「あ、ベッドにって言われたから 手伝ってくれたの?」
ヒロキ「ビックリした、投げないでよ! うふふ、人は投げちゃダメ、危ないよ?」
ヘル「・・・ママ、ヒト、投げちゃダメ」
ヒロキ「うん!」
ヘル「・・・」
ヒロキ「・・・」
ヒロキ「一緒に寝る?」
ヘル「・・・一緒に寝る」
ヒロキ「おいで?」
ヒロキ「わあ?!」
ヒロキ「ベッド壊れちゃった・・・どうしよ?」
ヒロキ「あ、スズちゃんのせいじゃないよ? 僕がゆっくり乗ってね、とか言わなかった からだよ」
ヒロキ「・・・怒られるかな?」
ヘル「・・・」
ヒロキ「わ?! 直った?! 直してくれたの?!」
ヘル「・・・直してくれたの」
ヒロキ「ありがとう! じゃあ今度はゆっくり静かに乗って?」
ヘル「・・・ゆっくり静かに」
ヒロキ「ゴロンして?」
ヒロキ「お布団かけてあげる」
ヒロキ「うふふ」
ヒロキ「おやすみ、スズちゃん」
ヘル「・・・おやすみ、ママ」
ヘル「・・・」

〇勉強机のある部屋
ヘル「・・・」
ヒロキ「・・・あ、タネ! スズちゃん!」
ヘル「おはようございます、ママ」
ヒロキ「おはよう! 早起きだね、何してたの?」
ヘル「この家にある本を読んでいました 大体把握しましたよ 散歩もトイレも要りません」
ヒロキ「すっごい! スズちゃんは頭良いね! 育ててイイって言ってもらえると思う!」
ヘル「ンフフ、ありがとうございます」
ヘル「では私を正しく育てて頂く為にも、少々 お願いがございまして」
ヒロキ「なあに?」
ヘル「本日は土曜、ママはお休みですね? 図書館という場所に連れて行って頂きたく 思います」
ヘル「後はテレビとパソコン、スマートフォンを 見てみたいのですが」
ヒロキ「いいよ! ママに聞きにいこ! 朝ご飯食べたら行こう!」
ヘル「はい、お願いします」

〇綺麗な図書館
ヘル「ママ、ありがとうございます! これは心躍る場所ですね!」
ヒロキ「あ、図書館は静かにしなきゃダメだよ? 怒られちゃう・・・」
ヘル「これは失礼しました、気を付けます」
ヒロキ「僕は図鑑とか読んどくね スズちゃんの用事が終わったら来て?」
ヘル「はい、ママ」
ヘル「さて、と・・・」

〇街中の道路
ヒロキ「スズちゃんはスゴいんだね! お昼前に図書館の全部読んじゃった!」
ヘル「いえ、それほどでも」
ヒロキ「本買ってあげたいけど、僕そんなに お金持ってなくてゴメンね」
ヒロキ「大きくなったら沢山買ってあげるからね」
ヘル「はい、楽しみにしておきます」
ヒロキ「うん! 後はどこに行きたい? スズちゃんは男の子? あ、食べ物は?」
ヘル「ンフフ、ではママのお薦めの場所へ 連れて行って貰えますか?」
ヒロキ「いいよ! じゃあコッチ!」

〇スーパーマーケット
ヒロキ「ここでママとお買い物するの プリンとかリンゴが買えるよ!」
ヘル「なるほど」

〇小さいコンビニ
ヒロキ「ここはコンビニ、シールが入ったチョコは ココでしか買えないの」
ヘル「シールを集めているのですね」

〇公園の砂場
ヒロキ「ここは公園」
ヘル「静かで良いですね」
ヒロキ「うふふ、コッチ来て!」
ヘル「はい?」

〇見晴らしのいい公園
ヒロキ「公園の上、ここが一番好きな場所!」
ヘル「これは・・・美しいですね」
ヒロキ「ありがと!」
ヘル「ンフフ、ありがとうございます」
ヘル「そうそう、私は男の子みたいです 食べ物は不要、消化器官がありません」
ヒロキ「男の子! じゃあサッカーとか一緒にしよ! 教えてあげる!」
ヘル「ンフフ、お願いします」

〇豪華なリビングダイニング
ヒロキ「ただいま!」
ヘル「ただいま戻りました」
ママ「おかえりなさい お昼の準備しましょうか」
ヒロキ「はーい」
ヘル「お手伝いしましょう」
ママ「あら助かる・・・けど、そうだスズちゃん ニュース見とく? アチコチでスズちゃんみたいな子が 出て来てるみたいよ」
ヘル「ほう? よろしければ見せて下さい」
ママ「ヒロキ、やってあげて? ご飯作っちゃうね」
ヒロキ「はーい あ、これがパソコンだよ」
ヘル「はい」
ヒロキ「これで矢印を動かして、ポチッて」
ヘル「なるほど」
ヒロキ「これかな?」
ヘル「ええ、『同時多発的に怪人が出現』ですね 負傷者一名、驚いて転倒した八十代女性 ・・・ふむ」
ヘル「概ね友好的、会話が出来る怪人もいる、と ・・・ママ、写真を見せて頂けますか?」
ヒロキ「おおむね見せてあげる」
ヘル「ンフフ、ありがとうございました」
ヘル「昼食のお手伝いをしてきます」
ヒロキ「もういいの?」
ヘル「はい、ママのお昼ご飯の方が大切です グウグウ言ってらっしゃいますからね」
ヒロキ「うふふ、お腹すいた!」

〇公園のベンチ
ヘル「どうも初めまして 深夜にお呼び立てして申し訳ないです 早急にお話しておきたく思いまして」
ムギ「うっす」
カブト「ハジメマシテ」
ヘル「とりあえずご近所さんで話が出来るのは 貴方達ぐらいです 手を組みましょう」
ムギ「了解した 俺は牙や爪の物理攻撃が専門だ」
カブト「マホウ ツカウ」
ヘル「私は回復や物の復元が出来ます 何かあれば頼って下さい」
ムギ「もう来るのか?」
ヘル「ええ、彼らは早いですよ 地球、特にこの日本に何かあれば すぐ来ちゃいます」
ヘル「それに明日はちょうど日曜日です ・・・朝から来るでしょうね」
ムギ「主人の為、隣の家のおばあちゃんの為に!」
カブト「オレモ カレンチャン マモル タメ!」
ヘル「ンフフ、ですよね 私も全力でママを・・・」
ムギ「近いな? 本当に早い・・・」
ヘル「人間の誘導、バリア等は 生まれたての怪人達にお任せすると 伝達済みです」
ヘル「私達は話が通じなければ戦うのみです 危険ですが行けますか?」
ムギ「異論は無い、お前の指示を受けよう」
カブト「イク オマエ カシコソウ」
ヘル「では明日の朝、またお会いしましょう」

〇スーパーマーケット

〇小さいコンビニ

〇公園の砂場

〇見晴らしのいい公園
ヘル「ンフフ・・・」

〇豪華なリビングダイニング
ヘル「おはようございます」
ヘル「朝食を用意してみました お口に合うと良いのですが・・・」
ヒロキ「わあ、おはよう! イイにおい!」
ママ「あらまあ美味しそう! おはよう、スズちゃん! そんな気を遣わなくて良いのに!」
ヘル「ンフフ、やりたくてやってるだけですよ」
ヘル「ママは食事が終わったら着替えて 待っていて下さいね 約束通り後でサッカーを教えて下さい」
ヒロキ「え? 後で?」
ヘル「少々出かけて来ます、すぐ戻りますよ」
ヒロキ「・・・うん」
ママ「あまり遠くへ行っちゃダメよ? 変な人もいるから気を付けてね?」
ヘル「はい、変な人には存分に気を付けます では行って参りますね」
ママ「行ってらっしゃい」
ヒロキ「・・・」

〇海辺の街
赤井「大変だ、怪人だらけだぞ!」
桃川「私達の出番ずら!」
青山「早く片付けよう、研究で寝てないし」
ヘル「おはようございます 少しお話を・・・」
赤井「何?! そっちから来るとは 飛んで火に入る冬の虫だな! みんな、変身だ!」
ヘル「させませんけどね」
ムギ「ピンクは任せろ」
カブト「アオ オイカケル」
ヘル「多分変な人達ですから気を付けて」
ヘル「変身アイテムを持ったらなるべく 阻止して下さい」
ムギ「心得た!」
カブト「リョウカイ!」
ヘル「手が空いたら応援に行きます」
赤井「クソッ、卑怯だぞ!」
ヘル「卑怯はどちらです? 突然押し掛けてきて対話も拒否、 そんなに怪人の虐殺は楽しいですか?」
赤井「虐殺じゃない、怪人は悪いヤツだ! だから倒す!」
赤井「へんし・・・!」
ヘル「会話にもなりませんね」
赤井「ズルいぞー!」
ヘル「ふむ・・・復元は応用が効きますね これで良いでしょう」

〇基地の広場(瓦礫あり)
青山「ちょタイム! 止めるって、宇宙帰るから!」
カブト「アブナイヤツ タオス」
ヘル「お疲れ様です」
カブト「コイツ ヒトガ イルノニ タテモノ コワシタ」
ヘル「とてもワルイヤツですね」
青山「待って、だからもう帰るってば!」
ヘル「帰っても他の星の怪人を殺すでしょう? だったら地球に居て下さい」
青山「いやソレはダメでしょ、だって・・・」
ヘル「ダメじゃありません」
ヘル「戦隊は正義を振りかざし街を破壊します それに巻き込まれた人も怪人も どれだけ不幸にしてきたか」
ヘル「確かに悪い怪人もいますが一握りですよ? 貴方の頭は悪くない筈です」
ヘル「視点を変えて生き直して下さい」
青山「待って、まだ死にたくないってば!」
青山「へ?」
ヘル「カブト、ムギの応援へ行きましょう」
カブト「ナゼ コロサナイ?」
ヘル「戦隊と同じ事をしてはいけません 悲しみの連鎖を断ち切る為に殺しません」
カブト「・・・ワカッタ」
ヘル「・・・あ、ちょうど良いですね」
青山「え?」
青山「え?!」

〇荒廃したセンター街
桃川「とおっ! へんしー・・・!」
ムギ「させん!」
桃川「やん!」
ヘル「お疲れ様です」
ムギ「すまん、一度変身させちまった! 避難も間に合ってねえ、まだ残ってるぞ!」
ヘル「カブトを向かわせました ムギも取り残された人達を頼みます」
ムギ「心得た!」
桃川「なに? アンタがラスボスずら?」
ヘル「いいえ、私はただの怪人です」
ヘル「この街、どうしてくれるんですか? 直してくれます?」
桃川「私が? なんでよ? 悪から救うんだからこれぐらい・・・」
ヘル「戦隊が無駄に攻撃して来たから こうなったんですよ? 私達は話をしようとしているのに」
桃川「あ?」
ヘル「・・・もう関わらないで下さい 地球は私達が守りますので」
桃川「ヤダ何これー!」
桃川「にゃ?!」
ヘル「復元の途中でDNAをいじる事も出来ますね これは便利だこと」

〇基地の広場(瓦礫あり)
青山「え?!」

〇東京全景
ヘル「・・・復元完了、ですかね」

〇地球
スズちゃん「・・・怪人というだけで難癖つけられますね」
スズちゃん「私達が何を糧に生きてる種族かも 知らないくせに・・・ 悪になるはず無いでしょう、全く・・・」
スズちゃん「・・・また来るのでしょうね」
スズちゃん「また3月上旬に・・・」
スズちゃん「はあ・・・帰りますか」
スズちゃん「ンフフ、サッカーを教えて貰わねば」
  おわり

コメント

  • 拾った男の子だけでなく、ママも偏見なく受け入れる人でよかった〜!
    平和的に解決する方法もちゃんと学習して、これで世界は平和に!
    ヒーローは…ちゃんと反省しろ!

  • 姿形にとらわれないことが大切だと言うテーマとは別に、個人的には心の形成は実は周囲の力が重要だと言うメッセージ性を感じました。
    遠くからやってきた怪人ではなく、怪人のタネから展開されるストーリーや、子供に戻されたヒーローたちなどがそれを示唆している気がしてなりません。

  • いい怪人のスズちゃん達がかわいかったです。
    怪人のタネって発想がおもしろかったです。
    敵対しているヒーロー達も、殺しはしないんですね。
    時間操作だけかと思ったら、猫ちゃんにも変化させられるとは。

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