1 ハートのお弁当(脚本)
〇マンションの共用廊下
小川みやび「はい、これ」
その日の朝っぱらチャイムが鳴って、僕は可愛らしい包みの弁当箱を手渡された。
宮田「ん? なんだこれ」
ぷいと明後日の方向を見て僕に弁当を持ってきたのは、隣の部屋に住む女子高生、みやび。
小川みやび「罰ゲームで仕方なくなんだからねっ」
宮田(物言いがいつもきつい。もっと可愛く出来ないのだろうか)
宮田「開けてもいい?」
小川みやび「昼前に開けたら、もう二度と作らないから」
宮田(それって、昼前に開けなかったら次もあるということか?)
言い方は悪いがなんだか可愛くて思えてきて、自然と笑顔が漏れる。
宮田「ありがとな、みやび」
小川みやび「べ、別にお礼を言われる筋合いないんだからっ」
宮田「罰ゲームな、わかってる」
小川みやび「でれでれしちゃって、勘違いしないでよね。じゃあ遅刻するから。あんたも早く会社行きなさいよっ」
みやびはツンツンしながらも足早に階段を降りていった。
〇休憩スペース
昼になり会社で弁当箱を開けてみると、桜でんぶで♥が描かれていた。
宮田(ツンデレ最高かよ。くっそ可愛い)
宮田(それともこれも罰ゲーム? 許す!)
これから僕はツンデレJKの一挙一動に振り回されることとなるのだが、今はただみやびのお弁当が嬉しいのだった・・・
ハートのお弁当 end