第6話 私は女王・壱与ちゃんになる!(脚本)
〇大きな木のある校舎
無事コンテストの予選を通過した2人の前に新たなライバルが現れる!?
鈴木「で、結局お前と葛城玲子はどんな関係なんだ?」
大和「どんな関係って?」
鈴木「あの「私と付き合って!」は何だったんだってことだよ」
大和「ああ。あれに別に変な意味はなくて・・・」
大和「ちょっと俺に協力してほしいことがある、って意味だったんだよ」
鈴木「何で根暗で邪馬台国しか興味のないお前があんな美人と・・・」
大和「あのな・・・」
伊代「ちょっと、あなたたち!」
鈴木「ん?」
大和「?」
鈴木(かわいい!)
鈴木「何でしょう? 困ったことがあれば、何でもこの僕に!」
伊代「葛城玲子って女を知ってる?」
鈴木「葛城玲子・・・ですか?」
伊代「そう。ちょっと会ってみたいんだけど」
鈴木「はあ・・・まだ学校にいるのかな?」
鈴木「お前知ってるか?」
大和「知ってるというか、ちょうどこれから会う予定があるんだけど・・・」
鈴木「何! お前らやっぱり付き合ってたのか! なんでお前だけ・・・」
伊代「あんた邪魔!」
鈴木「すみません・・・」
伊代「あなた、これから葛城玲子と会うのね」
大和「ええ、まあ」
伊代「私もいっしょに行くわ。いいでしょ?」
大和「えっ!」
大和「いきなりそんなこと言われても・・・」
伊代「さ、行くわよ!」
大和「いや、あの・・・」
鈴木「大和、何でお前だけ・・・」
〇テーブル席
大和(何でこんなことに・・・)
大和(そういえば、最初に玲子さんと会ったときもこんな感じだった気がする・・・)
伊代「それで、あなたと葛城玲子との関係は?」
大和「いや、関係というか、ちょっとあることで協力しているというだけで・・・」
伊代「あること?」
大和「ええ。ミス卑弥呼コンテストで・・・」
大和「・・・すみません。そんな話してもわからないですよね」
伊代「ミス卑弥呼コンテスト!?」
伊代「あなたもこれに何か関係あるの?」
大和「これは・・・」
大和「コンテスト予選のときの玲子さんの写真ですよね・・・って、えっと・・・」
伊代「伊代(いよ)。伊代でいいわよ」
大和「伊代さんはどうしてその写真を?」
伊代「どうしても何も、私もコンテストに出ているのよ」
大和「本当だ! これが伊代さん?」
大和「でも、これは卑弥呼とはちょっと雰囲気が違うような・・・もっと若いというか幼いというか・・・」
大和「まるで、卑弥呼の後に邪馬台国の女王になった壱与(いよ)・・・」
伊代「そうよ。これは卑弥呼でなくて壱与ちゃんをイメージしたのよ」
大和(壱与ちゃん?)
伊代「それにしても、よくわかったわね」
大和「まあ、邪馬台国のことは多少は・・・」
大和「ところで、ミス卑弥呼コンテストなのになぜ壱与を?」
伊代「邪馬台国の女王・卑弥呼は確かに偉大だったわ」
伊代「でも、本当にすごいのは、そのカリスマ女王・卑弥呼の後をわずか13歳で継いだ壱与ちゃんよ」
伊代「壱与ちゃんは卑弥呼の後を継いで、卑弥呼の死後混乱していた邪馬台国を見事に治めた」
伊代「だから、私にとってミス卑弥呼、いやミス邪馬台国の女王は、卑弥呼ではなくて、壱与ちゃんなのよ!」
伊代「壱与ちゃん♥️」
大和「こ、これは! 玲子さんと同じ!?」
〇テーブル席
伊代「それで壱与ちゃんは、中国に使いを送って・・・」
大和「魏志倭人伝によれば、真珠や大勾玉を贈ったんですよね」
伊代「そうそう。へえ、あなたよく知ってるわね」
大和「伊代さんこそ、女王・壱与だけでなくて邪馬台国や古代史にも詳しいんですね」
玲子「大和くん?」
大和「あっ、玲子さん!」
玲子「誰、その子?」
大和「えっとですね、こちらは伊代さんで・・・」
大和「ミス卑弥呼コンテストにも出場してて・・・」
玲子「ミス卑弥呼コンテスト!?」
大和「こちらです」
玲子「かわいい! 卑弥呼様の子どもの頃?」
大和「いや、それは・・・」
伊代「それは邪馬台国の女王・壱与ちゃんよ」
玲子「壱与? ああ、卑弥呼様の後に女王になった女の子ね」
伊代「は?」
伊代「ちょっと、壱与ちゃんに対して何、その軽い言い方は?」
玲子「は? 何怒ってんの?」
大和「あの・・・」
伊代「失望したわ」
伊代「同じ予選通過者が近くにいるようだからわざわざ見に来たのに・・・」
伊代「壱与ちゃんのことを何も知らないこんなアホな女だったなんて」
玲子「は?」
玲子「ちょっと、あなた中学生でしょ? 高1の私に向かってその口の利き方は何!」
伊代「私は高2よ!」
「えっ!」
伊代「何よ、その顔は?」
大和「すみません・・・」
大和「まあ、とりあえず2人とも落ち着いてください」
玲子「わかったわよ」
伊代「わかったわ、あなたがそう言うなら」
玲子「伊代ちゃんもコンテストに出るんだ。HPに載ってるってことは予選も通過したのね」
伊代「伊代ちゃんって・・・まあいいわ」
伊代「そうよ。さっきも言ったけど、HPで偶然あなたを見つけて、制服を知っていたから会いに来たってわけ」
伊代「それがこんな壱与ちゃんをろくに知らない女だったなんて・・・」
大和「伊代さん、その話はもう・・・」
伊代「わかったわよ」
玲子「参加者に会えるなんてうれしい!」
玲子「伊代ちゃんもやっぱり目標は優勝?」
伊代「当然でしょ」
伊代「みんな邪馬台国の女王・卑弥呼のことは知っていても、壱与ちゃんのことはあまり知らない」
伊代「だから、ミス卑弥呼コンテストであえて壱与ちゃんの姿で優勝して、壱与ちゃんこそが最高の女王だと証明するのよ!」
大和(そんな考え方もあるんだな・・・)
玲子「最高の女王は卑弥呼様よ!」
玲子「けど、伊代ちゃんのその熱い思いは嫌いじゃないわ」
伊代「はいはい」
伊代「じゃあ、私はそろそろ帰るわ」
玲子「えー、せっかくだしもっとお話していこうよ」
伊代「これから仕事なのよ」
玲子「仕事? アルバイト?」
伊代「あなたには関係ないでしょ」
伊代「大和、今日はありがとう」
伊代「あなたとはまた会って、いろいろと話がしたいわ♥️」
大和「はあ・・・」
玲子「・・・」
玲子「・・・大和くん、どういうこと?」
大和「いや、その、自分にもさっぱり・・・」
〇店の入口
伊代「何であなたたちも出てくるのよ」
玲子「いやー、今日は伊代ちゃんとも会ったし、私たちも帰ろうかなって」
マネージャー「伊代、迎えに来たぞ」
伊代「マネージャー、遅いわよ」
玲子「マネージャー!?」
マネージャー「ん? その子たちは?」
伊代「何でもないわ。行くわよ」
玲子「伊代ちゃんの友だちの玲子です」
伊代「は? 友だちって、さっき会ったばっかでしょ」
マネージャー「へえー、伊代の友だち。珍しいな」
玲子「マネージャーさんってことは、まさか伊代ちゃんは芸能人なの?」
伊代「うるさい。あんたには関係ないでしょ」
マネージャー「伊代は子どもの頃から役者や声優として・・・」
玲子「うそ。ガチの芸能人じゃん」
伊代「ちょっと、変なこと教えないでよ」
マネージャー「今日もこれからテレビ番組の収録なんだよ」
玲子「テレビ番組の収録!?」
マネージャー「そうだ! よかったら君たちも見学に来るかい?」
伊代「は?」
玲子「いいんですか!」
マネージャー「ああ、邪魔さえしなければ構わないよ」
マネージャー「伊代が友だちといるなんて珍しいからね。仕事ぶりを友だちに見てもらうのもいいんじゃないかな」
伊代「ちょっと、何勝手に・・・」
玲子「行きます! ぜひ連れて行ってください!」
マネージャー「よし、わかった。行こう」
玲子「はい!」
伊代「何なのいったい・・・」
大和「伊代さん、芸能人だったんですね・・・」
伊代「まあ、ちょい役ばかりの役者と声優だけどね」
伊代「そうだ。大和の連絡先を教えてよ」
大和「・・・は、はい」
マネージャー「伊代、どうした? 行くぞ」
伊代「わかったわよ」
伊代「大和、行くわよ」
大和「俺も行くんですか!?」
伊代「いいから、早く」
大和「はい・・・」
2人の前に突然現れた伊代。
伊代はミス卑弥呼コンテストでは2人の強力なライバルとして立ちはだかることになる。
さらに、伊代の存在は2人の関係にも変化をもたらすことになる!?
伊代もキャラが強烈で笑ってしまいました😆
壱与が卑弥呼の後を継いだのですね。知らなかったので勉強になります👍
それにしても大和はなかなか特殊なモテ方をしてますね🤭
引き続き楽しませて頂きます!
伊代ちゃんのお名前からひょっとしたらと思ったら、ガチの壱与キャラだったとは!彼女の存在で、一層ストーリーが盛り上がりそうですね!
卑弥呼様の後継者…全然知りませんでした!勉強になります😆
強力なライバルが続々と…どんな形で相見えるのか😆