〇女の子の部屋（グッズ無し）
　　夢から目を覚めたはるか。
　　チリンッと鈴の音が聞こえる。
三木遥「はっ・・・」
　　はるかの手に握られたお守り。
三木遥「これ！私が持ってて良かったのかな・・・」
三木遥「男の子は、私を選んで後悔はなかったのかな？」
三木遥「でも選んだのはあの子」
三木遥「ということは事実」
三木遥「求めちゃ、行けないって分かってても」
三木遥「やっぱりその先を知らないと不安で・・・」
　　お守りから写真が落ち、それを拾うはるか。
三木遥「お守りから、写真が・・・」
三木遥「これ・・・」
三木遥「幼稚園の時の私が写ってる・・・あっ！」
三木遥（あの時の黒猫の飼い主のお姉さんだ）
三木遥「会いたい」
　　はるかは写真のお姉さんを撫で、ポツリ言う。
三木遥（今・・・わたし・・・）
三木遥（私会いたいって思った）
三木遥「忘れてるかもしれないけど、会いたいなら」
三木遥「自分の気持ちを信じたい」
三木遥「会おう。このお姉さんのこと、男の子に聞こう」
三木遥「幸樹くんに取り憑いてもらおう」

〇森の中
藍「お守り、良かったのですか？」
天女「うん？分かってくれるんじゃないかな」
天女「藍、はるかはどんな選択をすると思う？」
藍「はるかさんはお優しい方だと思います」
藍「でも人を信用することは確かに怖いし、」
藍「突然のことにきっとびっくりされていると思います」
藍「こればかりは、はるかさん自身が決めたこと」
藍「どんな選択だとしても我々は受け入れないとと思いますよ」
天女「そうね」
天女「でもね・・・？宝物をあの子が持ってるのよ」
天女「仕掛けをしておいたの」
天女「てへ（ﾉ≧ڡ≦）☆」
藍「でしょうね」
藍「でもどうなっても、私は責任とりませんからね？」
天女「もう冷たいわね～」
天女「まぁ、私が会いに行ってもいいんだけど」
天女「でも、はるかさんが行ってくれたら」
天女「もっと素敵な出会いになると思うの。私」
藍「まさか、天女様、何か知ってらっしゃるのですね？」
天女「なっ・・・なんの事かしら～～??」
藍（絶対、知ってるんだな・・・）
藍「伝えたらいいのに・・・」
天女「幸樹くんの願いは叶うかしら・・・」
天女「叶うといいわね・・・」
　　お母さんの誕生日まであと１週間。

〇図書館
　　天女さんが書物庫から
　　依頼したい人の書を探してと言われた僕は
　　膨大な量から、書を探していた。
沖田幸樹「沢山あるんだな。やっぱり」
　　戸惑いは隠せずにいた。
　　憑きたいと思っている人は決まっていた
　　あの写真の女の子に
　　だけど、僕は・・・
　　その子の今の姿を知らない・・・

〇病室のベッド
　　僕が亡くなる一年前の話だ。
　　僕が起きた時に
　　お母さんは、写真を見つめていた。
沖田幸樹「お母さん・・・看病に来てくれてたんだ」
幸樹のお母さん「あらっ・・・起きたのね」
沖田幸樹「今、何を見てたの？」
幸樹のお母さん「うん・・・写真よ」
幸樹のお母さん「私が20代の頃、目を離した隙に」
幸樹のお母さん「私が飼っていた子がいなくなってしまって」
　　お母さんは女の子を指さして
幸樹のお母さん「この子が助けてくれたの」
幸樹のお母さん「私の大事な・・・」
幸樹のお母さん「あの子がいなかったら、大切な愛猫との時間が」
幸樹のお母さん「奪われてしまうところだった」
幸樹のお母さん「感謝してもしきれない」
幸樹のお母さん「私の大切な思い出」
幸樹のお母さん「だから・・・」
　　そこから何かをお母さんは言おうとしたけれど・・・
　　僕には分からなかった・・・
　　ただお母さんが、
　　一瞬だけ、顔を曇らせていたことで
沖田幸樹（僕は長くはないんだろうな）
　　と分かってしまった。
幸樹のお母さん「ふふっ・・・ 幸樹はいつも病魔と戦って凄いわ」
幸樹のお母さん「私にとって幸樹はヒーローよ」
幸樹のお母さん「よしよし」
幸樹のお母さん「ヒーローの幸樹に勲章のお守り!!」
　　幸樹の手のひらにお守りを乗せる。
沖田幸樹「ありがとう！」
幸樹のお母さん「ヒーローはいつでも戦いに備えてなくっちゃね・・・？」
沖田幸樹「僕、ブリザードみたいな強いヒーローになる！」
幸樹のお母さん「そうね」

〇図書館
　　確か・・・お母さんの隣に写ってた子は
　　幼稚園の子だったような・・・
　　その写真の女の子が書物の表紙にいた。
沖田幸樹「この書・・・」
沖田幸樹「見つけた！」
沖田幸樹「この子だ！」
　　（続）
　　次回・・・
　　遥は幸樹に取り憑いてもらう事を決心した。
　　そして
　　ついに遥と幸樹が出会うことに。
　　遥と幸樹にとって、この出会いはきっと・・・
　　「面と向かって伝えるって難しい」
　　次回もお楽しみに