第5話 私は予選を突破する!(脚本)
〇テーブル席
ミス卑弥呼コンテスト予選の書類の提出期限が迫っていた・・・
玲子「まずい、書類の提出期限まであと一週間」
大和「玲子さん、あの・・・」
玲子「今日明日には衣装と撮影場所を決めて、写真を撮って送らないと」
大和「あの・・・」
玲子「このままじゃ、卑弥呼様になるどころか、予選も通過できない」
玲子「どうしよう、どうしよう。ああ、もう全然いい考えが浮かばない」
大和「・・・」
玲子「ちょっと、大和くん!」
大和「は、はい」
玲子「何、その落ち着いた表情は。私がこんなに焦ってるのに」
玲子「何かいいアイデアでもあるの?」
大和「はい。ひとつ考えがあります」
玲子「本当に?」
玲子「じゃあ、何でもっと早く言わないの!」
大和「いや・・・」
大和(言おうとしたけど、玲子さんが次々としゃべるので・・・)
玲子「それでどんな衣装? どこで撮影するの?」
玲子「ドレス? 水着? スタジオ? プール?」
玲子「それとも・・・」
大和「玲子さん、落ち着いてください」
玲子「あ、ごめん。つい」
大和「いろいろ考えたんですが、これがいいと思うんですが・・・」
大和が自分の考えを玲子に伝える・・・
玲子「は? 大和くん、本気で言ってるの?」
大和「もちろん本気です」
玲子「・・・」
玲子「勝算はあるのね?」
大和「勝算!? 正直それはわかりませんが・・・」
大和「ただ、卑弥呼に憧れる玲子さんらしさがすごく出ている写真にはなると思います」
玲子「私らしさか・・・わかったわ。それでいきましょう」
玲子「さっそく撮影しましょう!」
大和「はい!」
〇黒
「玲子さん、準備はいいですか?」
「いいわよ」
「それでは撮ります」
「OKです」
2人は撮影した写真にプロフィールと作文をつけて、コンテストの事務局に送付した。
〇テーブル席
玲子「大和くん、来たわよ!」
「ミス卑弥呼コンテスト」予選結果通知
大和「それで結果は?」
玲子「まだ見てないに決まってるでしょ」
玲子「2人で協力したんだから、いっしょに見るのが当然でしょ!」
大和「すみません・・・」
玲子「もし予選落ちなら、卑弥呼様になるという夢が終わってしまう」
玲子「私の夢が・・・」
大和「まあ、もしダメだったとしても、夢が終わるというわけではないので・・・」
玲子「縁起でもないこと言わないで!」
大和「すみません」
玲子「なんか緊張してきた」
大和(そうか)
大和(玲子さんと協力したのは、コンテストで優勝するため)
大和(もし・・・もし落ちていたら、本選に進めずそこで終わり)
大和(玲子さんとこうして2人で会って話をしたりするのも、今日で終わりなんだ・・・)
大和(いろいろあったけど、何だかんだでけっこう楽しかったな)
玲子「大和くん」
大和「・・・」
玲子「大和くん!」
大和「は、はい」
玲子「何その「落ちたけど全力を尽くしたし悔いはない」みたいな顔は」
大和「えっ!」
大和(そんな風に見えたんだ。危ない、危ない・・・)
玲子「絶対大丈夫よ」
玲子「私の・・・私たちの夢は、こんなところじゃ終わらない」
玲子「じゃあ、結果を見るわよ」
大和「はい」
予選結果「予選を通過しました」
玲子「・・・」
大和「・・・」
玲子「予選を通過・・・」
大和「はい・・・」
玲子「やったわ! 大和くん、予選通過よ!」
大和「はい!」
玲子「これで本選に出場できる!」
玲子「卑弥呼様になれる!」
大和「はい!」
大和(あれ? 俺、なんでこんなに喜んでいるんだろう?)
大和(もちろん、予選を通過したからだ)
大和(またあの会場に行って邪馬台国について勉強できるからだ。あとは・・・)
大和(あとは・・・何だろう?)
大和(まさか、玲子さんとまたいっしょにいられるのがうれしいから!?)
大和(違う。そんなことは・・・)
玲子「大和くん、次は本選よ!」
大和「は、はい」
大和(とにかく、とりあえずよかった)
〇テーブル席
玲子「あら? 通知に審査員からのコメントがついてる」
大和「「若き日の卑弥呼を想像させる!」だそうです」
玲子「卑弥呼様を想像させる!?」
玲子「それって、卑弥呼様に似てるってことよね」
大和「はい。きっとそうですよ」
玲子「卑弥呼様に似てる・・・」
大和「玲子さん・・・」
玲子「はっ! 卑弥呼様に似てるって言われて、つい」
玲子「やっぱりこの写真がよかったのかなあ」
大和「そう思います。とてもいい表情をしています」
大和「まさに若き日の卑弥呼を想像させる一枚です」
〇体育館の舞台
「私は卑弥呼様になる!」葛城玲子
〇綺麗な部屋
玲子「ん? 弥生さんから連絡が来てる!」
弥生「なんとか予選は通過したみたいね」
弥生「もちろん私たちも通過したわ」
弥生「本選で会うのを楽しみにしてるわ」
弥生「そこで無様な姿を見せないように、せいぜい練習しておくのよ」
玲子「弥生さんも予選を通過したんだ、さすが」
玲子「弥生さん、本選で会いましょう。私たちも負けませんよ」
玲子「あれ? 私たちが予選を通過したってどうしてわかるんだろう?」
玲子「あっ! 大会のHPに予選通過者が載っている。予選で送った写真も」
玲子「そういえば、募集要項にそう書いてあった」
玲子「へえー、これが予選を通過した人たち」
玲子「みんなすごいなあ。それぞれの人が、自分が考える卑弥呼様になってる・・・」
玲子「本選で勝つのは大変そうだけど、会場でこの人たちに会えるのは楽しみ!」
〇ファンタジーの学園
伊代「予選通過者一覧・・・」
伊代「・・・葛城玲子。ふーん」
伊代「あれ? この制服って、確か隣町の学校じゃあ・・・」
伊代「へえ、こんな近くにライバルがいたなんて」
伊代「今度会いに行ってみようかな?」
無事に予選を通過した玲子と大和。
しかし、2人の前にまた新たなライバルが現れる・・・
ドキドキの予選突破ですね!新キャラもラストに登場し、コンテストも盛り上がっていきそうですね。そして、大和くんの心の内も何やら、、、2人の関係性の発展にも期待です。
玲子さん、予選突破おめでとうございます。
やっぱり普段の毅然とした姿が評価されたんですね。
大和くんは、自分の気持ちに気づきたくない?恋愛ベタなのか、過去のトラウマなのか?
新しいライバルも可愛くて気になりますね。
他の女子2人とは系統も違うのかな?