SOS(脚本)
〇電脳空間
ありす「・・・・・・!!」
「君、誰・・・?」
ありす「・・・・・・・・・!!」
「聞こえないって・・・」
ありす「・・・・・・」
「???」
ありす「・・・・・・!!」
「もう、朝・・・?」
〇黒
〇一人部屋
真「ん・・・ふあ~あ・・・」
真「なんだったんだ、今の? 夢・・・?」
真「何か泣いてたし、助けてって言われたような気も・・・」
「真ー! 遅刻するわよー!!」
真「やべっ!? 支度しないと!!」
〇ハイテクな学校
〇教室
真「あの夢・・・ いったい何だったんだ?」
直人「夢? まさか絶対リアル主義の真もついにDRハマった?w」
真「そんなんじゃないよ」
真「普通に夢で変なスーツ着た女の子が 出てきてさ・・・」
直人「だよな・・・ せっかくのDRを勉強ばっかに使ってるもんな」
真「寝ている間に勉強ができる、これほど画期的な使い方はないよ」
直人「いやいや、DRが流行って数か月。周りはいろんな使い方を楽しんでるけどな」
真「例えば?」
直人「よくぞ聞いてくれた! 俺はこの間、ついに有料コンテンツに手を出してしまった・・・!」
直人「そして、このマロンちゃんと初体験をしてしまったのだ!!」
真「そういうのって年齢制限とかかなり規制厳しんじゃないの?」
直人「ふ、ふ、ふ・・・。兄貴の端末借りた。まあちょっと多めに金とられたけどなw」
真「でも夢だろ?」
直人「うるさいよ! マロンちゃんは男のロマンなんだよ!!」
直人「あ、てかさっきの話さー、『眠り姫』じゃね?」
真「眠り姫? 何それ?」
直人「DRで夢を見てるとたまに現れるっていう美少女だよ!」
真「まあ、確かに可愛かった・・・かな?」
直人「噂じゃその子に会えると願いが叶うらしいぜ!!」
真「所詮”夢で”だろ? リアルで叶わなきゃ意味ないよ」
直人「お前、本当にリアリストな・・・」
教師「HR始めるぞー、席つけー」
その後も、夢に出てきた少女のことが頭から離れなかった──
〇黒
某研究施設
〇実験ルーム
???「やれることはやった・・・」
???「あとは頼んだわよ・・・!!」
〇黒
〇一人部屋
真「結局あの子は何なんだったんだろう? ただの夢?」
真「それとも現実に存在するのか?」
真「わからん・・・」
真「寝たら、また・・・会えるのか、な・・・zzz」
〇電脳空間
ありす「けて・・・ねがい・・・!!」
真「またこの夢・・・」
ありす「聞こえるんですか!? 私の声!?」
真「今日は聞こえるけど・・・。てか昨日といい今日といい、これ何? DRのバグかなんか?」
ありす「昨日・・・?」
真「てか君誰? 本当に眠り姫とか言わないよね?」
ありす「眠り姫?」
ありす「私、その、ありすと言います。この・・・DRシステムのコア、にあたります」
真「コア? 君が? 人間だよね?」
ありす「あの、私・・・騙されて・・・。とにかく助けて欲しいんです!」
真「そんなこと言われてもなぁ・・・」
ありす「お、お願いします! 私をここから、アンダーワールドから出してください!」
ありす「でないと・・・世界が危ないんです!!」
真「そんな大げさな」
真「DRって夢をコントロールするためのシステムでしょ?」
真「たかが夢の中で何したって現実には何の影響もな──」
ありす「それだけじゃないんです! DRシステムは使い方次第で──」
真「っ!? 何だ、今の!?」
ありす「・・・・・・!!」
真「また聞こえなく・・・!」
ありす「・・・・・・!!!!」
〇一人部屋
真「はぁ・・・はぁ・・・」
真「何だったんだ・・・今の?」
真「夢・・・?」
「夢じゃないよー!」
真「なっ!? 誰!?」
「こっちこっち!! スマホ!!」
真「な、何だこいつ・・・!?」
スマホの画面には変な格好をした女性が映っていた
ジャヴァウォック「ヤッホー♪ ボクはジャバウォック。DRシステム内の監視AIだよーん♪」
真「DRの監視? 何でそんなのが俺のスマホに・・・!?」
ジャヴァウォック「君がありすの夢とマッチングしたからさ」
真「ありすってさっきの子・・・」
ジャヴァウォック「そうそう。ありすは今、夢の国『アンダーワールド』に意識が囚われている状態なんだ」
真「そんなSF映画じゃないんだから」
真「それに俺に言われても。 警察に相談した方が良いんじゃ・・・?」
ジャヴァウォック「既に支配が始まっている・・・」
真「支配? 洗脳とかそういうこと?」
ジャヴァウォック「うん。警察だけじゃない」
ジャヴァウォック「あらゆる組織の重要人物がDRで洗脳されつつるんだ」
真「たかが夢でそんなこと・・・」
ジャヴァウォック「DRシステムによって現実と区別できないくらい明瞭な夢が意図的に見られるようになった」
ジャヴァウォック「君だって睡眠学習を使ってるでしょ?」
真「ま、まあ・・・」
ジャヴァウォック「その中で自分に影響力のある人から何か命令されたらどうする? 色仕掛けでお願いされたら?」
真「それは・・・」
ジャヴァウォック「さらに、夢から覚めたように見せかけて、それがまだ夢の中だったりしたら?」
真「それって!?」
ジャヴァウォック「夢から夢へ。これが無限に続く。まさに『夢限地獄』・・・」
真「そんな、突飛な話・・・」
ジャヴァウォック「なら、高宮教授は知ってる?」
真「あ、あぁ。DRシステムの開発者だろ? 去年交通事故で亡くなったけど」
ジャヴァウォック「そう。その事故で夫婦ともに亡くなった。 そこにありすもいたんだ」
真「な!?」
ジャヴァウォック「ありすはあの事故の生き残りなんだよ。公表はされてないけどね」
真「そんな・・・」
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他人の夢の中に入り込むという設定は、映画の「ザ・セル」や筒井康隆の「パプリカ」が好きな私としてはたまりません。DRを利用すれば覚醒時よりも洗脳が簡単そうだから悪用されたら大変ですね。真がこれからありすとどうやって世界の危機に立ち向かうのか興味津々です。
DRシステムが現実に存在したならさぞかし楽しいだろうし、大ヒット間違い無いですね。毎日見る夢が選べたらいいなぁと子どもの頃夢見ていたので、こういう世界を想像するだけでワクワクがとまりません。
世界観がとても好きです!
リアリティもあって、すぐ物語の世界に引き込まれました!
どんなせかいがひろがっているんだろうなぁ。続きが楽しみです!