〇黒
会川貴教「美沙ちゃん!!」
　　会川さん？
　　ここは・・・

〇一人部屋
白石美沙（しらいしみさ）「う～ん・・・」
白石美沙（しらいしみさ）「わたし・・・」
会川貴教「よかった ちょっとうなされてたから・・・ 鍵もかけずに寝るなんて不用心だよ」
白石美沙（しらいしみさ）「えっ!? わたし・・・確かに鍵を掛けたわ」
会川貴教「いや・・・ でも、かかってなかったよ」
白石美沙（しらいしみさ）「・・・」
会川貴教「まさか また悪い夢を？」
白石美沙（しらいしみさ）「う、うん・・・ でも誰か死んだりしていないわ」
会川貴教「そうか・・・」
白石美沙（しらいしみさ）「ナナは？」
会川貴教「ああ・・・ ナナちゃんは家から電話があったらしくって、家に帰ったよ 美沙ちゃんにごめんって！」
白石美沙（しらいしみさ）「そうなの・・・ ナナの家何かあったのかしら」
会川貴教「いや そこまでは・・・」
白石美沙（しらいしみさ）「あっ！ いいんです あとでLINEしてみます」
会川貴教「あぁ じゃあコレどうぞ」
白石美沙（しらいしみさ）「こんなにいっぱい！」
会川貴教「どんなのが好きなのかわからないから、とりあえず買ったよ」
白石美沙（しらいしみさ）「ありがとうございます」
会川貴教「さっきの話を聞いて よく考えてみたんだけど・・・ 俺の仮説を聞いてもらっていい？」
白石美沙（しらいしみさ）「ええ」
会川貴教「前世の記憶を持っている人っていうのは、ストレスや基礎疾患からくる場合もあるけれど・・・半分以上は原因不明らしいんだ」
会川貴教「だから、仮に美沙ちゃんが仮に切り裂きジャックのの生まれ変わりだとしよう・・・ 仮にだよ!!」
白石美沙（しらいしみさ）「はい」
会川貴教「それで・・・ 夢で見る教会は前世の記憶ということになる」
白石美沙（しらいしみさ）「はい・・」
会川貴教「でも それは事件とは何の関係もない」
白石美沙（しらいしみさ）「えっ！ でも・・・」
会川貴教「いいかい！ よく整理しよう 最初の夢は教会で人が死んでいた」
白石美沙（しらいしみさ）「はい」

〇田舎の教会

〇一人部屋
会川貴教「起きたら殺人事件が起こっていた」
白石美沙（しらいしみさ）「そうです・・・」
会川貴教「でもそれは 偶然なんだ!!」
白石美沙（しらいしみさ）「えっ？」
会川貴教「だって前世が切り裂きジャックだったらそんな夢を見たって不思議じゃない そして、たまたまこの連続殺人事件の時期と重なった」
白石美沙（しらいしみさ）「でも 次の夢で・・」
会川貴教「そう 次に見た夢 実はこれが重要なんだ！」
会川貴教「今度は病院で人が死んでいる夢見た」

〇病院の入口

〇女の子の部屋
　　そして
　　朝起きたら枕元に血の付いたナイフが置いてあった

〇一人部屋
会川貴教「これは俺もね 美沙ちゃんが疑っている通り夢遊病かも知れないと思ったんだ」
会川貴教「どうやら 寝ている間の行動と本人の見ていた夢とが一致することがあるらしいんだ」
白石美沙（しらいしみさ）「じゃあ・・・ やっぱり私が」
会川貴教「早まったらだめだよ・・・ 美沙ちゃんは、夢の中で自分で被害者を殺した場面は見ていないんだよね？」
白石美沙（しらいしみさ）「ええ でも血の付いたナイフを持ってて・・・」
会川貴教「そこなんだ!! 美沙ちゃんは確かに殺害現場には行っている」
白石美沙（しらいしみさ）「・・・」
会川貴教「でも 殺したのは美沙ちゃんじゃない」
白石美沙（しらいしみさ）「えっ？」
会川貴教「美沙ちゃんは犯行を目撃しているだけなんだよ！ そして何らからの形で凶器を手にして持って帰った・・・」
白石美沙（しらいしみさ）「じゃあ ナイフについていた血は・・・」
会川貴教「被害者の血の可能性が高い」
白石美沙（しらいしみさ）「そんな・・・」
会川貴教「だとしても！ 何度も言うが美沙ちゃんは殺していない!! 寝ている間に事件を目撃しているんだ !!」
白石美沙（しらいしみさ）「そんなことって・・・」
白石美沙（しらいしみさ）（でも・・・ 辻褄は合う）
会川貴教「どう？ ちょっとは安心した？」
白石美沙（しらいしみさ）「なんて言っていいのか・・・ ちょっと混乱してるの」
白石美沙（しらいしみさ）「譲からだ・・・ ちょっと譲に電話してきます」

〇アパートの台所
白石美沙（しらいしみさ）「譲 連絡しなくてごめん・・・」
　　美沙
　　今どこにいるんだ？
　　家に行ったらナナとどっか行ったっていうし、ナナとは連絡取れないし
白石美沙（しらいしみさ）「ごめん 今ねナナの知り合いの探偵さんの家にいるの」
白石美沙（しらいしみさ）「でも 日も暮れてきたし そろそろ帰ろうかと思ってたところよ」
　　そう・・・
　　迎えに行こうか？
白石美沙（しらいしみさ）「ううん大丈夫 会川さんに送ってもらうよ」
　　・・・
　　明日は通常通りの授業らしいよ
　　美沙は学校行く？
白石美沙（しらいしみさ）「うん、行くよ 話を聞いてもらって大分落ち着いたの 譲もありがとうね じゃあまた明日」
　　そうか
　　明日、僕にも話聞かせてよ
　　また明日

〇アパートの台所
白石美沙（しらいしみさ）（いつの間にか夜になってる！ 早く帰らなきゃ）
会川貴教「美沙ちゃん 大変だよ!!」
白石美沙（しらいしみさ）「会川さん ど、どうしんですか？」
会川貴教「テレビ！ 早くテレビを見て!!」
白石美沙（しらいしみさ）「えっ!?」

〇一人部屋
　　目撃者情報により連続殺人事件の殺害現場にいた人物の似顔絵を公開しました
会川貴教「言っちゃあなんだけど・・・ この絵は美沙ちゃんにとてもよく似ている」
白石美沙（しらいしみさ）「これっって ネットで流れてた絵」
　　・・・この絵に似た人物の情報があればどんな些細な事でも結構ですので警察に・・・
会川貴教「美沙ちゃん？」
白石美沙（しらいしみさ）「どうしよう・・・ これじゃあまるで私が犯人みたい!!」