邪馬台国の女王・卑弥呼に恋する彼女は卑弥呼以上に美しい

鷹志

第4話 予選通過目指して(脚本)

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〇テーブル席
  玲子と弥生は、ミス卑弥呼コンテストの予選通過を目指して動き出す。
玲子「さあ、今日からコンテスト優勝に向けて始動するわよ」
大和「でも、まずは本戦の前に予選があるんですよね」
玲子「その通りよ。予選を突破して選ばれた人しか、邪馬台国パークで行われる本選に行くことはできないのよ」
大和「予選の選考方法は書類審査でしたよね」
玲子「そうよ」
玲子「出場者の写真とプロフィール」
玲子「あとはコンテストに出場する理由・・・つまり卑弥呼様への思いを簡単にまとめた作文」
玲子「これらを大会事務局に送付する」
大和「それらを審査員が見て本選出場者を決める、ということですよね」
玲子「その通りよ」
玲子「作文のほうは、私が卑弥呼様への思いを書いて、それに大和くんの邪馬台国への思いを加える」
玲子「これでいいと思うのよね。どう?」
大和「はい、それでいいと思います」
大和「となると・・・ポイントは写真ですね」
玲子「そうなのよ。審査基準は見た目じゃないと言っても、そこはやっぱりミスコンテストだから、見た目は重要よね」
大和「玲子さんは美人だから大丈夫だと思いますが・・・」
玲子「ん? 今何か言った?」
大和「な、何でもありません」
玲子「よく聞こえなかったから、もう一度言ってよ」
大和「えっと、写真の話ですよね・・・」
玲子「わかったわよ」
玲子「どんな衣装を着るか、どこで写真を撮るか・・・」
玲子「アニメ「邪馬台国物語」の卑弥呼様と同じ衣装を着るっているのはどう?」
大和「悪くはないですが、全く同じ格好というのは・・・」
玲子「そうよね、ただの真似じゃね。コスプレイベントじゃないし」
大和「誰かの真似ではなくて、やはり玲子さんらしさを表現した衣装のほうがいいかと」
玲子「私らしさ・・・って何だろう?」
大和「そうですねえ・・・」
玲子「よし、考えていても仕方ない!」
玲子「今からお店に行って衣装を探しましょう!」
大和「今から?」
玲子「行くわよ!」
大和(あいかわらず行動力がすごすぎる・・・)

〇アパレルショップ
玲子「どんな服がいいかな。大和くん、何かアイデアある?」
大和「いえ、僕は服のことはさっぱり・・・」
玲子「じゃあ、気になったものからどんどん着てみるか」
大和「・・・」
玲子「どう? 魔法使いみたいな服。呪術を使う卑弥呼様っぽくない?」
大和「そうですね。悪くはないですが・・・」
玲子「じゃあ、次」
玲子「王女様! しかも情熱的な赤。卑弥呼様にもぴったりじゃない?」
大和「似合ってはいますが・・・」
玲子「じゃあ、次!」
大和(とにかく行動が早い・・・)
玲子「じゃあ、これ!」
玲子「どう?」
大和「水着じゃないですか!?」
玲子「コンテスト本選は夏だから、これもいいかなって」
玲子「大和くん、ひょっとして見とれちゃってる?」
大和「見とれてません。それに水着コンテストじゃないので、それはどうかと・・・」
玲子「そうかなあ。これ、いいと思うけど」
大和「早く着替えてください」
玲子「うーん、難しいなあ」
大和「そうですね」
大和(なんかすごく疲れた・・・)

〇テーブル席
玲子「衣装、決まんなかったね」
大和「書類提出期限までまだ時間がありますので、焦らず考えましょう」
玲子「そうだ!」
玲子「衣装もそうだけど、本選に行く旅費とか、コンテストの準備にけっこうお金がかかると思うのよね」
大和「確かに・・・」
玲子「自分の好きなことをやるんだし、親に頼むわけにはいかないしね」
玲子「決めた!」
玲子「私、アルバイトをする!」
大和「アルバイト?」
大和「でも、勉強やコンテストの準備もしないと・・・」
玲子「そうよねえ・・・」
玲子「とにかく探してみる。大和くんはどうする?」
大和「玲子さんがやるなら、僕もできる範囲で・・・」
玲子「わかった」
玲子「もうこんな時間!」
玲子「大和くん、また明日!」
大和(とにかく、すべてにおいて行動が早い・・・)

〇教室
さくら「短期でできるアルバイト?」
玲子「そう。何かないかなあ」
しずく「そういえば、私の知り合いがイベントの手伝いのアルバイトを探してるって言ってた」
玲子「本当?」
しずく「確か週末だけで期間は1ヶ月くらいのバイトだって」
玲子「週末だけで1ヶ月・・・それなら何とかなる」
しずく「興味があるなら知り合いに連絡しとく?」
玲子「ありがとう! じゃあ2人ってことでお願いしていい?」
しずく「2人?」

〇お祭り会場
  2人のアルバイトが始まった。
スタッフ「大和くん、この荷物を運んでおいて」
大和「わかりました」
スタッフ「どう、仕事には慣れたかい?」
大和「まだまだですが、少しは」
スタッフ「まあ、先週始めたばかりだもんね」
スタッフ「でも、大和くんは真面目で動きもきびきびしていて助かるよ」
大和「い、いえ、そんなことはありません」
スタッフ「そうだ! 次の仕事まで時間があるから、少し休憩してていいよ」
大和「いえ、大丈夫です」
スタッフ「いいから、いいから。遠慮しないで」
スタッフ「彼女の様子でも見てきたら?」
大和「彼女?」
スタッフ「またまた。君といっしょにバイトに来た女の子だよ」
大和(まさか玲子さん!?)
スタッフ「彼女、すごい美人だよね」
スタッフ「最初は会場の案内係をやっていたけど、あまりに美人で優秀だからって、今週はステージで行うイベントの司会をやるそうだよ」
大和「玲子さんが・・・」
スタッフ「あんな子を彼女にするなんて、君も真面目そうな顔してやるねえ」
大和「い、いえ、玲子さんとはそういう関係では・・・」
スタッフ「照れちゃって。若いっていいなあ。俺も学生時代は・・・」
スタッフ「おっと、余計な話してごめんね。ま、少し休憩して会場を見てくるといいよ」
大和「わかりました」
大和(アルバイトか。初めてやったけどけっこう大変だな)
大和(でも、いろいろな経験ができて勉強になる)
大和(何より、これでコンテストに必要な資金が貯まる)
大和(せっかくだし、いろいろ見てみるか)

〇近未来の闘技場
玲子「皆様、これからイベントを開催いたします!」
玲子「お越しいただきありがとうございました」
玲子「次のイベントは30分後です」
玲子(次のイベントはと・・・)
主任「玲子ちゃん、初めての司会なのにすごいね」
玲子「ありがとうございます。すごく楽しいです」
主任「声も大きくてきれいで、堂々としていて、しかも美人」
主任「きっと学校でもモテるんだろうね」
玲子「そんなことないですよ」
主任「俺もあと10年若かったら・・・」
主任「彼氏がうらやましいよ」
主任「いっしょにアルバイトに来てた彼がそうなのかい?」
玲子「ああ、大和くんですか?」
玲子「はい、大和くんは大事なパートナーです」
主任「はあ、いいねえ若い人は」
主任「じゃあ、次もよろしく頼むよ」
玲子「はい!」
大和(玲子さん、すごいなあ)
大和(こんなに大勢の前で堂々としてる。声もよく通るし、輝いている・・・)
スタッフ「玲子ちゃん、今日バイト終わった後に時間ある? 食事にでも行かない?」
玲子「すみません、今日は予定があるので」
スタッフ「玲子さん、よかったら今度僕と遊びに・・・」
玲子「ごめんなさい」
大和(玲子さん、いろんな男の人に声かけられてる)
大和(美人だし、人気あるんだろうなあ)
大和(それにしてもあの人たち、玲子さんをあんな気安く誘ったりして・・・)
大和(あれ、俺なんでイライラしてるんだろう・・・)
玲子「皆様、お待たせいたしました!」
玲子「それでは、本日のメーンイベントを開催いたします!」
大和(本当に堂々としてるな)
大和(まあ、いつものことだけど・・・こんなに大勢の人の前でも全然変わらない)
大和(大勢の前で堂々と・・・あれ? こんなことが前にもあったような・・・)
大和(確か・・・)
大和(コンテスト予選、玲子さんらしさを表現した衣装と場所・・・これだ!)
  アルバイトも無事にこなし、コンテストのための資金も貯まった2人。
  しかし、コンテスト予選の書類審査の提出期限は迫っていた・・・

次のエピソード:第5話 私は予選を突破する!

コメント

  • 2人の情熱やアクティブさが伝わってくる気持ちのいい話ですね。コンテスト対策も、2人の関係性も一歩進んだ感じで、今後の展開が楽しみになりますね。

  • 玲子は何でもすぐやるせっかち女子だったんですね。
    私も近いモノがあるので、よく分かります。
    しかも、親のお金に頼らずアルバイトで旅費を稼ぐなんて、良い子たち!
    真剣にコンテストに取り組んでいるのがよく分かります。

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