邪馬台国の女王・卑弥呼に恋する彼女は卑弥呼以上に美しい

鷹志

第3話 強力なライバルと新たな決意(脚本)

邪馬台国の女王・卑弥呼に恋する彼女は卑弥呼以上に美しい

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〇先住民の村
  ミス卑弥呼コンテストの会場の下見に来た大和と玲子。
  玲子はそこでコンテストに出場するという男女2人に出会う。
弥生「あんた誰?」
玲子「私は葛城玲子」
玲子「私はミス卑弥呼コンテストで卑弥呼様になって、そして優勝する!」
弥生「は?」
弥生「あなた、コンテストに出るの?」
玲子「そうです」
弥生「ふーん。見た感じ、高校生ぐらいかしら?」
玲子「はい。お2人もコンテストに出るんですよね。えっと・・・」
弥生「私は弥生、こっちは真治よ」
真治「どうも~」
玲子「ど、どうも」
弥生「まあいいわ。私たち、今からコンテストに向けての練習するから邪魔しないでね」
弥生「真治、始めるわよ」
真治「はいはい、わかったよ」
  真治の演奏に合わせて弥生が歌いだす。
弥生「私は卑弥呼~♪」
弥生「私は聞こえる神の声 私の祈りで国救う♪」
弥生「私は偉大な邪馬台国の女王・卑弥呼♪」
玲子(音楽!?)
玲子(コンテストの練習って言ってたけど、まさかコンテスト本番でこれをやるの!?)
玲子(・・・・・・)
玲子「でもこの歌・・・何か気持ちがこもっていて、すごくいい」
玲子「心が揺さぶられる気がする」
大和「玲子さん、これはいったい・・・」
玲子「黙ってて!」
大和「はい・・・」
真治「今日はなかなかいいじゃないか」
弥生「まあまあってとこね」
真治「ライバルの登場でいつもより気合いが入ったか?」
弥生「は? ライバル?」
玲子「すごい音楽でした! 感動しました!」
真治「そんなに喜んでもらえるとうれしいねえ」
玲子「弥生さんの魂のこもった歌も素敵でした」
真治「だとよ」
弥生「ふん。私の実力はまだまだこんなもんじゃないわよ」
玲子「ひょっとして、コンテストでこれをやるんですか?」
弥生「は? あんた何言ってるの?」
弥生「だからこうして練習してるんでしょ」
玲子「そうですけど・・・」
弥生「コンテストでは何をやってもいいのよ。自分の考える卑弥呼を表現すればいいのよ」
弥生「全力で歌っているこの姿こそ、私の考える卑弥呼なのよ」
玲子「歌っている姿こそが卑弥呼様・・・」
真治「おーい、2人とも。練習も終わったし、向こうでゆっくり話そうぜ」
真治「そっちの彼氏もいっしょに」
大和(彼氏!?)
大和「は、はい」

〇植物園のドーム
玲子「歌で卑弥呼様を表現する・・・すごいですね」
弥生「あなたはどうするつもりなの?」
玲子「私ですか? 私は・・・まだ決めていません」
玲子「何で卑弥呼様を表現するか・・・」
館長「コンテストで卑弥呼をどう表現するかは参加者の自由」
玲子「館長さん!」
弥生「どうも」
館長「予選を勝ち抜いた参加者が、制限時間内にそれぞれの卑弥呼を表現する」
館長「弥生さんのように歌でやるもよし」
館長「演劇をやるもよし。スピーチもよし。その他何でもいい」
館長「当日会場にいる審査員や観客に「これこそがまさに卑弥呼」と思わせた者が優勝じゃ」
玲子「何でもいい・・・か」
弥生「あなた、そんなことも知らないで出る気だったの?」
玲子「えへへ」
弥生「えへへじゃないわよ」
玲子「弥生さん!」
玲子「弥生さんの歌はすごかった」
玲子「その歌声に心がふるえました」
玲子「でも、私も負けない。弥生さんにも他の人たちにも」
玲子「私が絶対優勝する! 私は卑弥呼様になる!」
弥生「はあ、口だけは達者ね。まあせいぜいがんばりなさい」
真治「いやあ、君の彼女もなかなかすごいねえ」
大和(別に彼女というわけでは・・・)
大和「ええ、まあ。ああいう性格で」
真治「うちの弥生もあんな感じだけどね」
真治「けど、俺もコンテストにかける思いはあいつといっしょだ」
真治「俺と弥生は必ず優勝する」
真治「俺はここの地元の人間でね。こう見えて邪馬台国への思い入れはかなり強い」
真治「だから、邪馬台国のことで他の奴らに負けるわけにはいかない」
大和「・・・・・・」
大和「僕も邪馬台国のことでは誰にも負けたくありません」
真治「おっ、君、見かけによらず熱い男だね」
真治「いいねえ。コンテストで会うのを楽しみにしてるよ」
大和「はい」
館長「あの2人はすごいよ」
玲子「はい。今日あの歌を聴いてわかりました」
玲子「しかも本番ではもっとすごくなっているはず」
玲子「でも、私は・・・私たちは負けません。ね、大和くん」
大和「はい。僕も邪馬台国のことでは真治さんにも他の人にも負けたくありません」
館長「そうかい。あの2人も君たちもとてもいい目をしている」
館長「コンテスト本番がますます楽しみになってきたよ」
館長「君たちが予選を突破して、ここで再び会えるのを楽しみに待っているよ」
「はい!」

〇海辺
玲子「きれい・・・」
玲子「素敵なところね、大和くん」
大和「そうですね」
玲子「館長さんに弥生さんに真治さん・・・いろいろな人に会えて楽しかった」
玲子「来てよかった」
大和(えっ!)
大和(何だ、今のは・・・)
玲子「大和くん」
大和「・・・」
玲子「大和くん?」
大和「は、はい?」
玲子「また2人でここに来ようね」
大和「2人でまた来る!?」
大和「えっと、その、それは、どういう意味で・・・」
玲子「は? 何言ってるの」
玲子「予選を突破してコンテスト本戦に来るってことに決まってるじゃない!」
大和「あ、ああ、そうでした」
玲子「もうしっかりしてよね」
大和「はい・・・」
大和(ふう・・・何を考えているんだ、俺は)
大和(思わず玲子さんの姿に見とれて、ぼーっとしてしまった・・・)
玲子「大和くん!」
大和(今度は何だ?)
玲子「飛行機の時間、1時間勘違いしてた。急がないと間に合わない」
大和「えっ!」
玲子「行くわよ!」
大和「・・・」
大和「そうだった。つい美しい姿に見とれてしまったが・・・玲子さんはこういう人だった」

〇空港の滑走路
玲子「なんとか間に合った」
大和(まったく、飛行機の時間を間違えるなんて・・・)
玲子「さ、帰るわよ」
大和「玲子さん」
玲子「何? 早く行かないと」
大和「今日邪馬台国パークに来て、施設を見て、館長さんに会って、あの2人に会って・・・」
大和「自分も邪馬台国だけでなくミス卑弥呼コンテストにも興味がわいてきました」
大和「そして、コンテストで勝ちたいと思うようになりました」
玲子「大和くん・・・」
玲子「当然よ。コンテストでは、私が卑弥呼様になって、そして私たちが優勝するのよ!」
大和「はい!」
玲子「じゃあ、帰って私たちも練習するわよ」

〇飛行機内
玲子「大和くん、コンテストの企画についてだけど・・・」
玲子「大和くん?」
大和「・・・」
玲子(寝てる・・・)
玲子(まあ、邪馬台国パークを見てあんなにはしゃいでたしなあ)
玲子(まるで子どもみたいに)
大和「玲子さんは・・・卑弥呼のように美しい・・・」
玲子「えっ!」
玲子「いきなり何言うの」
玲子「何、寝言?」
玲子「もう、急に変なこと言わないでよ」

〇飛行機内
玲子「弥生さんからメッセージが来てる」
弥生「今日はなかなか楽しかったわ」
弥生「本番では今日以上の歌を聴かせてあげるわ」
弥生「そして、あなたたちとの実力の差を思い知らせてあげる」
弥生「だから、ちゃんと予選を突破して本戦まで来るのよ」
玲子「弥生さん、私たちも負けませんよ」
玲子「ミス卑弥呼コンテストでは私たちが優勝する!」
大和「わっ!」
客室乗務員「またあなたですか?」
客室乗務員「他のお客様にご迷惑をおかけする方は、もう乗らないでいただき・・・」
玲子「すみません」
玲子「でも、また乗ります」
客室乗務員「?」
玲子「ミス卑弥呼コンテストに出場するために」
玲子「そのときはまたよろしくお願いします!」
客室乗務員「だから、もっと静かに・・・」
玲子「すみません・・・」
  ミス卑弥呼コンテストの会場の下見を終えた2人。
  ライバルとも出会い、2人はコンテストで優勝したいという思いを強くする。
  いよいよ2人はコンテストに向けて本格的に動き出すことになる・・・

次のエピソード:第4話 予選通過目指して

コメント

  • ライバルの登場は玲子にとっていい刺激になったのですね!なんだかほっこりしました😊
    そして大和は大変な恋をしてしまいましたね……🤭
    引き続き、楽しませていただきます〜✨

  • 卑弥呼を表現って、私の貧相な頭では卜占くらいしか思いつかないです。でも、コンテストで参加者がみんな祈祷してたら奇怪な空間になるでしょうしw どんなライバルが何をしてくるのか、続きが気になりました。

  • 皆それぞれにこれぞ卑弥呼というイメージを持ってるというのは、名前や概ねの伝承は残りながらも真実は知りようがない邪馬台国ロマンって感じでいいですねぇ

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