9面 和了(脚本)
〇雀荘
センター「もうね、出てたんだよ 何回か、スーアンコとか」
センター「それで、あがったら どう思うんだろって」
センター「どうもないのにドンドーンッて」
江藤鉱「そうだなー、呆然としちゃうかなー」
──麻雀ね。
その女の子は全然知らなくて
教えてあげながらやっていってて
ダンディ俳優みたいな俺と、
もう一人男性に挟まれて、
楽しくやってたんだ。
ビーチバレー選手をキャピキャピさせた様な
感じの明るい女の子。
学生じゃないけど、
そんな気分でキャーッてなってて
二人に挟まれて
楽しかったんだ
──って、
江藤鉱(ふーん、何かふられた気分だな)
もう一人の男性のことが好きなんだなって
〇備品倉庫
──カラオケ?
みんな集まって倉庫で、
玩具エリアの通路辺りで座ってんのかな。
俺はどうやら演歌っぽい
ローテンポなブルースとか歌ってるみたい。
それが俺の声聞こえないで、
折中珠未さんが合わせて
歌ってくれてる声がよく聞こえる。
折中珠未「それ歌って」
ってすすめられて、
実際問い合わせもあったらしい
お客さんから「あの歌何ですか?」
くらいの評判で──
江藤鉱(ざまみろ、ウケたぞ)
何か知らんけど俺をハメようとしたやから(そういう勢力)
江藤鉱(まぁしかし優しいよな、珠未さんも)
〇階段の踊り場
江藤鉱(珠未さんと九宝さんは今日遅刻かー)
江藤鉱(まぁでも今日は来るんだろうな (業務上)二人とも)
江藤鉱(珠未さんは九宝さんの付き添いだな)
と、思いつつ階段下りてたら
後ろから珠未さん来て、
折中珠未「これあげるー」
江藤鉱「ありがとうございますっ」
江藤鉱「まさかもらえるとは思いませんでしたっ」
2箱、細長い白のボール紙っぽい箱。
渡してすぐ下りていって、
少し離れたところで目合って
(折り返した辺り、顔がこっち向くから)
お礼言ったところで、
片手上げてこたえてくれたかな
多少照れたような表情してたけど、
江藤鉱(んーどうなんだろこれ 義理?本気?)
江藤鉱(本気だったらちゃんと包装してるよなー)
江藤鉱(・・・でももらえるだけましか 手渡ししてくれたしな)
〇事務所
──尾沢吏帆さんはさっき、
男の名前を列挙して、
来る前に配給してたもんな。
〇教室の教壇
──珠未さんが来て、
何種類もある小粒チョコを仕分けする。
江藤鉱(あーもうやめてくれー)
でも目を背けずに持続して見続ける。
その際にカスが散らかって、
集めようとするので
江藤鉱「あーいいよそのまんまで」
折中珠未「そーだよね」
折中珠未「ぺっ」
江藤鉱「こらっ、それは駄目」
折中珠未「そーだよね」
集めたの、ペッと投げ捨てるので
軽く頭を小突く。
(・・・ったって髪の毛の上に
拳をのせるくらいだけど)
──その後、
珠未さんが行こうとするところ
片脚とってアキレス腱固めの形をとると、
何か表情が少年みたい
(別人に見えるくらい)
折中珠未「・・・カラとって戻ってくるから」
江藤鉱「カラ?」
折中珠未「黄色の」
江藤鉱「ああそっか、はい」
(足を引っ張る真似をして未練?
・・・引き止めなくても戻ってくるって)
〇遊園地
しかし大花さんが
くれたの、チョコ2つ
1つ開けてみたら中央にハートの形の
ベネズエラ産?いい産地かね。
江藤鉱(大花さんの方が力入ってんじゃんかー)
江藤鉱「いやーテンション上がりますよ」
って、大花さんには言ったけど、
江藤鉱(確かにうれしいけど、ねぇ)