エピソード壱(脚本)
〇黒背景
やっ・・・・・・やだ・・・・・・やめてよ・・・・・・!!
こうなる事が運命だったのよ・・・あなたと私のね・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
〇東京全景
〇一戸建て
〇汚い一人部屋
コンコン
入るわよ
「はーい!」
今朝のチラシに入ってたわよ、これ。
千誅アンナ「お!来たなー!「WE canの資格講座」だ!!」
ここ置いとくからあとはよろしくね
千誅アンナ「はーい!お母さんありがとうー!」
バタン
千誅アンナ「どれどれ〜面白そうな資格ないかな〜?」
千誅アンナ「二級食レポ検定・・・持ってるしなぁ〜」
千誅アンナ「イグアナ似顔絵講座・・・こういうのもあるのね」
千誅アンナ「今回のはびみょーだったな・・・」
千誅アンナ「数多の資格を取得した私をワクワクさせてくれるような資格ってもう・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・
千誅アンナ「おっ」
千誅アンナ「おぱんつ・・・・・・シーフ検定・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・
千誅アンナ「おぱんつシーフ検定・・・・・・なにこれ!!!!!!!!!!」
千誅アンナ「おぱんつシーフってカッコよく言ってるけど下着泥棒ってこと・・・?」
千誅アンナ「下着泥棒だとしてWE canのやつに掲載していいのコレ・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・
千誅アンナ「高まる・・・・・・」
〇一戸建て
いってきまーす!
〇田舎駅の改札
〇電車の中
〇オーディション会場の入り口
千誅アンナ「ちょっと遠かったけど着いたぞ〜!」
千誅アンナ「ここがおぱんつシーフ検定会場・・・・・・」
千誅アンナ「一体どんなワクワクがあるのか・・・」
千誅アンナ「いざ尋常に勝負!!!!!!」
〇黒
コンコン
失礼します!!!!!
〇空きフロア
・・・・・・・・・・・・
千誅アンナ「あれっ・・・・・・」
千誅アンナ「ですよね〜!!!!!」
千誅アンナ「私としたことが「おぱんつシーフ」という名前に惹かれて騙されてしまった・・・・・・」
千誅アンナ「そんな検定あるわけないじゃん!」
いやいやそんなことありませんよ
千誅アンナ「だって明らかに部屋使われてないしないって・・・・・・」
千誅アンナ「って・・・誰かいるの!?」
〇空きフロア
???「どうもこんにちは! よくお越しいただきました!」
???「わたくしは本日の「おぱんつシーフ検定」の検定員を務めさせていただきます」
検定員「どうぞお見知りおきを」
・・・・・・・・・・・・
千誅アンナ「それっぽい人だ!!!!!!!!」
検定員「はい、それっぽい人です」
検定員「本日の応募者はアンナ様だけになりますのでこれより開始させていただきたいと思います」
千誅アンナ「はーい!!!!質問です!!!!!!!!!!!」
検定員「はい、アンナ様」
千誅アンナ「おぱんつシーフって下着泥・・・」
検定員「これよりおぱんつシーフ検定を開始させていただきます!」
〇空きフロア
検定員「ではまずこちらから・・・・・・」
検定員「おぱんつとはなんぞや!」
検定員「アンナ様にとってのおぱんつについての熱意をぜひお聞かせくださいませ」
千誅アンナ(おぱんつに対する熱意・・・・・・)
千誅アンナ(ここで熱意のない答えを出してしまうとおぱんつシーフに合格できない・・・・・・!)
千誅アンナ(おぱんつシーフに・・・合格したいのか・・・?)
千誅アンナ「私にとってのおぱんつというものは・・・・・・」
千誅アンナ「情熱・・・・・・」
検定員「情熱・・・?」
千誅アンナ「エロティシズム・・・・・・」
検定員「エロティシズム・・・?」
千誅アンナ「いや」
千誅アンナ「ピザです!!!!!!!!!!!!!」
検定員「ピザ・・・・・・?」
千誅アンナ「そうです!!!!!ピザなんです!!!!!」
千誅アンナ「三角形をベースとした形に、色とりどりの柄やさまざまなモチーフを付けて、自身の好みの三角形に成熟させる・・・・・・」
千誅アンナ「まさしく、おぱんつはピザなんです!!!!!」
検定員「ピザですか・・・・・・なるほど」
検定員「熟成された三角だと仰られましたが、おぱんつは三角形のみではないと思います」
検定員「そちらはどう考えられておりますか?」
千誅アンナ(うっ・・・たしかに・・・・・・)
千誅アンナ(なんとしてもここを切り抜けなきゃ・・・!)
千誅アンナ「熟成された三角とお話しさせていただきましたが、ピザも三角のみではありません!」
検定員「ほう・・・・・・」
千誅アンナ「日本のピザは丸型で、1ピースが三角になるように作られていますが、検定員さんはこういうのを知ってますか?」
千誅アンナ「ピッツァ・アル・タッリョというピザがイタリアにあります!」
千誅アンナ「このピザは商店の店先で露店のように売られていて、長方形型でみんなに提供されるファーストフード的なピザなんです!」
千誅アンナ「日本では三角形がメジャーですが、地域によっては四角形もありますし、もっと違うものもあります!」
千誅アンナ「おぱんつにも多様性があり、その人たちの受け継がれてきた時代と魂が詰まっている・・・そういうものであると私は考えます!」
検定員「なるほど・・・・・・」
検定員「アンナ様の熱意は伝わりました」
千誅アンナ(ピッツァリア公認資格検定受けててよかった〜!)
検定員「では次の質問です」
〇空きフロア
検定員「アンナ様の目の前には病で苦しんだ少女がいます」
検定員「その少女の病を治すためにはある物が必要になります」
検定員「ですが、そのある物を手に入れるためには数々の困難を乗り越えて法をも犯さなければいけないかもしれません」
検定員「あなたはその少女を救うために共に苦難を乗り越えることはできますか?」
・・・・・・・・・・・・
千誅アンナ「これっておぱんつシーフ検定の質問なんですか・・・?」
検定員「こちらもおぱんつシーフ検定の質問になります」
・・・・・・・・・・・・
千誅アンナ「その子と話してみないと分からないです・・・・・・」
検定員「なるほど・・・・・・」
検定員「つまりそれが解答ということでよろしいですか?」
千誅アンナ(私・・・これで良いの・・・・・・!?)
千誅アンナ(いきなり想定外すぎる質問だし、法を犯せるかとか分かんないよ・・・!)
千誅アンナ(いやでもおぱんつシーフの時点で法は犯してるのか・・・?)
・・・・・・・・・・・・
千誅アンナ「その子が・・・・・・」
検定員「その子が?」
千誅アンナ「その子が私に助けを求めているのなら、できる限りの協力をしてあげたいです!」
千誅アンナ「私に助けを求めていて苦しんでいる子がいるのに、そのまま何もしないでいることなんてできません!」
千誅アンナ「なんなら准サービス介助士資格も持ってま・・・」
そこまで!
あなたのおぱんつに対する情熱に見ず知らずの方へなんでもできる献身さもよく分かりましてよ
検定員「お嬢様・・・!」
検定員「お身体は良いのですか?」
謎の少女「ええ・・・大丈夫、ありがとう」
千誅アンナ「車椅子の少女が・・・・・・」
千誅アンナ「これは一体・・・!」
検定員「わたくしめから説明いたします」
検定員「こちらのお嬢様は実はとある呪いを患っており、余命は数年と宣告されております」
検定員「その呪いというものがでして・・・・・・」
謎の少女「おぱんつの呪い」
検定員「・・・・・・・・・・・・」
千誅アンナ「おぱんつの・・・・・・呪い・・・」
検定員「当家の言い伝えによりますと、お嬢様の遥か先代が、おぱんつ探偵との死戦の末に、苦しみ抜き、この世を呪うと書き記しており」
検定員「お嬢様にその災いが今降り掛かっており・・・・・・」
検定員「うう・・・おいたわしやお嬢様・・・・・・」
謎の少女「この度の検定で協力者を集め、その呪いを解き放っていただきたいと私は考えたのです」
千誅アンナ「呪いって解く事ができるんですか・・・!!」
検定員「先代からの文献にはこう記されておりました」
検定員「一つ、おぱんつを一千枚集めること」
検定員「二つ、おぱんつバッヂなるものを入手すること」
検定員「三つ、それらを東の地にて天高く掲げ霧雨の如く散らすこと」
検定員「四つ、それらはおぱんつに執着を持つ物に託すこと」
検定員「とのことです・・・・・・」
謎の少女「この私の呪いを解くためには、アンナさん、あなたの力がどうしても必要になります」
謎の少女「ぜひお力添えしていただけないでしょうか?」
・・・・・・・・・・・・
千誅アンナ「わたし・・・・・・やります!!!!」
検定員「おお・・・!」
千誅アンナ「ちなみにこれって1000枚買ったりとかって・・・」
検定員「なりませぬ!」
千誅アンナ「ですよね〜わかってますよ!」
千誅アンナ「おぱんつシーフの先代様がそんなことで納得していただけるはずないですよね!」
謎の少女「その通り、さすがですわ! 腐っても先代、そのお気持ちを汲んでいただき感謝いたします」
検定員「それでは本日はこの辺りで解散ということで、また後日追って特訓の場をご連絡させていただきます」
千誅アンナ「ありがとうございました〜!」
〇一戸建て
〇汚い一人部屋
・・・・・・・・・・・・
千誅アンナ「なんだか今日はすごいことになっちゃったな・・・・・・」
千誅アンナ「おぱんつシーフとおぱんつ探偵の死闘と過去」
千誅アンナ「謎の検定員とお嬢様・・・・・・」
千誅アンナ「全部ジョークだったら良いのにな〜!」
〇黒
──数日後
〇一戸建て
あんなー!またいつもの届いてるわよ!!
〇汚い一人部屋
千誅アンナ「あっ・・・」
千誅アンナ「おぱんつシーフ検定準二級合格してるわ・・・・・・」
設定がぶっ飛んでで面白かったです!謎オブ謎なので、続きが楽しみ!
アンナちゃんの検定マニア度が凄まじくて笑えました! 17歳にしてすごいです。おぱんつシーフって、まだよく理解できないんですけど、なんとなく彼女ならやってのけるような予感がします。
まさかの準二級合格笑
これ以上のおぱんつへの情熱が無いと上の級は難しいのか?!結構面白い情熱をあれだけ語ったのに!
というかおぱんつシーフとはなんだろう…。