呪いなら間に合ってます

中村朔

第2話 ギャルゲーだと思うことにしました(ムリでした)(脚本)

呪いなら間に合ってます

中村朔

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〇黒背景
  【ギャルゲー(ぎゃる・げー)】
  うちの弟が好きなやつ。
  ハーレムチックな疑似恋愛ゲーム?
  ぶりっこでつまんない女ばっかだし、
  何が面白いのかさっぱりわからん。
  土御門魔矢のSNSでの発言より

〇学生の一人部屋
コトリ「こら真守! さっさと起きるのじゃ!」
八尺様「さっさと起きないと、 布団引っ剥がしちゃうわよ?」
土御門真守「う〜ん、もう少し寝せてよ〜」
コトリ「あんまり起きないのなら、 わしらにも考えがあるぞ」
八尺様「真守の寝顔、ずーっと見つめてようかしら」
コトリ「布団の中に潜り込んでやろうか?」
土御門真守「ちょっと〜! やーめーてーよー」
  ・・・ああ、夢みたいだ。
  ていうかこれ、夢だ。
  これは僕の理想の朝だ。
  ギャルゲーみたいな、
  平和でふわふわした朝。
  でも知ってる。こんなことゲームの中
  だけで、現実には起きっこないって。
  そう、現実は・・・

〇学生の一人部屋
コトリ「こら真守! さっさと起きるのじゃ!」
八尺様「さっさと起きないと、 布団引っ剥がしちゃうわよ?」
土御門真守「う〜ん、もう少し寝せてよ〜」
コトリ「あんまり起きないのなら、 わしらにも考えがあるぞ」
八尺様「真守の寝顔、ずーっと見つめてようかしら」
土御門真守「ちょっと〜! やーめー・・・ふえ?」
  さらさらと頬を撫でる
  髪の毛の感触に目を開くと・・・
  身長2メートル40センチの女性が
  ロングヘアをゆらしながら、
  天井近くから僕の顔を見下ろしていた!
土御門真守「ぎゃああああああああ!」
コトリ「布団の中に潜り込んでやろうか?」
土御門真守「ふえ?」
  お腹がもぞもぞとくすぐったくて
  布団をめくると・・・
  布団とタオルケットの間の何もない
  空間から、おかっぱの女の子の顔が
  ニョキッと生えてきた!
土御門真守「ぎゃああああああああ!」

〇明るいリビング
コトリ「どうじゃ? 目が覚めたか?」
土御門真守「永遠に覚めないとこだった・・・」
八尺様「起きたんならふくらはぎマッサージして。 見下ろしすぎて疲れちゃった」
コトリ「そんなもん後回しじゃ。 まずはわしのゲームの相手をしろ!」
八尺様「マッサージが先よ!」
コトリ「ゲームが先じゃ!」
土御門真守「2人とも、さっきまでとギャップが・・・」
  美少女2人が僕を取り合ってケンカ。
  ギャルゲー好きの僕にしてみれば
  憧れのシチュエーションなんだけど・・・
  2人とも、美少女ではあるけど
  人間じゃない。
  2人は実体化した『呪い』で、
  僕の命を狙っているのだ。
コトリ「真守、セーブデータ1個使ってもいいか?」
八尺様「脚を冷やしたいんだけど、 冷えピッタンある?」
土御門真守「・・・2人とも呪いなんだよね?」
八尺様「まだ怖がらせて欲しいの?」
土御門真守「滅相もない!」
コトリ「まあ怖がらせてばっかりいてもな。 こういうのは緩急が大事じゃからの」
土御門真守「緩急?」
八尺様「言ったでしょ、7日目に殺すって。 逆を言えば、それまでは絶対に殺さない」
土御門真守「・・・どうして?」
八尺様「だってもったいないじゃない。 私たちはあなたの恐怖が欲しいんだから」
コトリ「ずっと怖がらせてると慣れる かもしれんし、7日目を待たず ショック死するかもしれんじゃろ?」
コトリ「だから安心とびっくりを織り交ぜて、 最大限に怖がってもらおうというわけ なのじゃ。ホラー映画のようにな」
八尺様「真守により怖がってもらうための、 私たちの優しさだと思ってちょうだい」
土御門真守「そうなんだ、優しいね・・・ って、優しさなんかじゃないよね!?」
コトリ「ところで真守、このゲームは なにをどうすればクリアなのじゃ?」
土御門真守「あっ、これはギャルゲーっていって、 女の子と仲良くなるゲームだから」
土御門真守「攻略相手を絞って、話しかけて、 デートの約束をして・・・」
コトリ「かわい子ぶった女ばっかじゃな。 こういう女はどうも好かん」
八尺様「どいつもこいつも退屈そう。 このまま1人で過ごしてちゃダメなの?」
土御門真守「姉ちゃんみたいなこと言うなぁ・・・」
  でも正直、ちょっと楽しかったりする。
  女の子2人とわいわいゲーム。
  なんだかホントに、
  ギャルゲーの世界みたいだ・・・

〇ハート
コトリ「真守、いっしょにゲームするぞ!」
八尺様「そんなことよりマッサージして!」
  【どうする?】
  コトリとゲームをする
  八尺様のマッサージをする
  ▼コトリとゲームをする
コトリ「こんな女、攻略したくないのう」
土御門真守「そんなこと言ったらゲーム進まないよ?」
コトリ「こんな女より・・・ わしの方がかわいいじゃろ?」
土御門真守「えっ」
コトリ「くるりんぱ」
  振り向いたコトリの顔は、
  目も口もないのっぺらぼうだった!
土御門真守「ぎゃああああああ!」
土御門真守「なし! やっぱこの選択肢なし!」

〇ハート
  【どうする?】
  コトリとゲームをする
  八尺様のマッサージをする
  ▼八尺様のマッサージをする
土御門真守「・・・こんな感じでいい?」
八尺様「もうちょっと強めに・・・そう。 あー、いい気持ち・・・」
土御門真守「喜んでくれてよかった」
八尺様「ちょっとお腹すいちゃった。 あのポテチもらうわよ? あ、マッサージはしたままでいいから」
土御門真守「えっ」
八尺様「にゅうううう」
  八尺様の首が伸びて、
  キッチンのポテチの袋を咥えてきた!
土御門真守「ぎゃああああああ!」
土御門真守「やっぱりこっちの選択肢もなし!」

〇ハート
  【どうする?】
  コトリとゲームをする
  八尺様のマッサージをする
  何もしない
  ▼何もしない
土御門真守「ふう、やっと落ち着いた・・・」
  ティィィィィィン!
土御門真守「ぎゃああああああ!」
土御門真守「あっ、これ、 僕のスマホの着信音だっけ・・・」

〇明るいリビング
土御門真守「もしもし?」
土御門魔矢「やっほー、真守。どう? 呪いちゃんとの同棲生活は」
土御門魔矢「アンタのことだから、脅かされる だけじゃなくてパシられてたりして。 ゲームの相手とかマッサージとか」
土御門真守「どっかから見てるの!?」

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