特異地蔵譚

わらやま

番外編 特異地蔵研究まとめ 上巻(脚本)

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〇古書店
  『特異地蔵研究まとめ 上巻』
  著者 識者 十三(しきしゃ じゅうぞう)
  私は長年特異地蔵について研究しており、現在は特異地蔵対策課にて勤務している。
  その経験を基に現在までで判明している内容についてまとめる。
  まず、特異地蔵は大別して3種類存在していることが分かっている。

〇壁
  一つ目は増殖型。
  文字通り増殖を続けるタイプの地蔵である。
  自己ではなく、何か別の物質を増殖させる場合もある。
  増殖のパターンにより名称が変わる。
  危険性は少ないが、悪意ある人間に利用されると経済が破壊されるリスクがあるため、早期の発見が重要である。

〇大会議室
  二つ目は自律型。
  人間のように意志を持つ存在である。
  人間に対して敵対心を持つ者もいれば、協力的な者もいる。
  その身体能力や耐久力は人間の比ではない。

〇山道
  三つ目は、異能型。
  超自然的な能力を持ち、その多くは無差別に能力を発動する。
  一部、意志がある異能型が存在するが、自分の意志で動けるかどうかにより、自律型との区別をつけている。
  なお、自律型地蔵であれば地蔵念話というテレパシーのような通信手段を用いることで
  その能力をある程度コントロールできる場合がある。

〇古書店
  現在日本政府が保有している地蔵は16体。
  自律型  6体
  異能型  6体
  増殖型  4体
  である。
  この数は国家の保有数としては最も多い。
  だが、地蔵文書にその名が記されながらも、存在が確認できていない地蔵も多く、
  国家または組織単位では水面下で多くの地蔵が保有されている可能性は否定できない。
  続いて、特異地蔵の出現方式について解説する。こちらも主に3種類確認されている。

〇森の中の小屋
  一つ目は、通常の地蔵の特異化。
  地蔵が突如特異地蔵化する場合である。
  傾向として、異能型になる場合がほとんどである。

〇山道
  二つ目は、完全な無から生成される特異地蔵の存在である。
  その多くは増殖型となる。
  出現法則が読めないため、発見が遅れ後手にまわる場合が多い。

〇銀閣寺
  三つ目が、偶像の特異地蔵化である。
  山、仏像、天使、石像など、信仰の対象となる存在が特異地蔵化する場合である。
  もちろん、本来の宗教的な観点からすると、これらの呼称は正しいとは言えないが、
  地蔵文書にその名が刻まれていることから、特異地蔵と定義される。

〇古書店
  各地蔵の出現方式を理解し、傾向と対策をとる必要がある。
  下巻では、地蔵文書について、及び始祖の地蔵についての考察を記載する。

次のエピソード:宅配地蔵 オムニバス

コメント

  • 地蔵文書…いったい誰が記したのか?始祖の地蔵とは…?ますます謎が深まり、続きが楽しみです!
    『識者』って、おじさんの苗字だったんだ😂

  • エンヤ婆の弓と矢が関係してるのか?

  • 今回こそは出ないかと思ったのに、ちゃっかりお爺さんを出してくださってありがとうございます!!!!!

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