くノ一に成りたい!

武智城太郎

第四話(最終話) 黒揚羽の真実(脚本)

くノ一に成りたい!

武智城太郎

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〇谷
胡蝶 「あ~帰ってきた~」
家臣「首尾はいかがでした?」
胡蝶「バッチリ!! 手に入れてきました」
家臣「おう!! さすがは忍びの達者!!」
家臣「では人魚の肉は、拙者がお預かりしましょう」
胡蝶「だいじょうぶ。自分で持ってますから」
胡蝶(直接自分で、殿に手渡したいからね)
家臣「さようでございますか・・・」

〇草原の道
  一行は帰路についていた。
胡蝶「あの、ちょっと・・・」
作蔵「どうした?」
胡蝶「ちょっと用足しに」
作蔵「さっさと行ってこい」
作蔵「まったく」
又郎「ゲヒヒ」
作蔵「・・・・・・」
作蔵「ちょっと長くないか?」
作蔵「大のほうか・・・」
作蔵「・・・・・・」
作蔵「それにしても長すぎるだろ」
作蔵「おーい、胡蝶!!」
作蔵「なんで返事がないんだ?」

〇山の中
作蔵「おかしいな? どこにいった?」
又郎「ゲヒヒ」
作蔵「用を足した痕跡はあるって? だったら、なおさらどこに・・・」
作蔵「ん? そういえば、二人の侍はどこだ?」
作蔵「ついさっきまで、いっしょにいたのに・・・」

〇原っぱ
  胡蝶は意識を失って、馬で運ばれている。
  やがて、湖上の武家屋敷が見えてくる。

〇黒

〇屋敷の牢屋
胡蝶「う~ん・・・」
胡蝶「え、ここは!?」
???「目が覚めたようだな」
胡蝶「満種様・・・ あたし、どうしたんですか?」
満種「ここは、わしの屋敷のいちばん奥の部屋だ。そなたは半日ほど眠っておったのじゃ」
胡蝶「そうだ! 人魚の肉は・・!?」
満種「案ずるな。わしが預かっておる」
胡蝶「ホッ、そうですか・・・」
胡蝶「て、どうしてあたしは両手足を縛られてるんですか!?」
胡蝶「しかもよく見たら、ここ座敷牢みたいだし!!」
胡蝶「人魚の肉の秘薬を早く飲ませないと、麟太郎様のお命が・・・」
満種「それが困るのだよ。あやつには病死してもらわんと」
満種「苦労して、毒を飲ませた甲斐がないというもの」
胡蝶「え!? 毒をあなたが!?」
満種「さよう。あやつが死ねば、この国はあっというまに大国に攻め入られる」
満種「わしは、属国となったこの国を代官として治めることが約束されている」
胡蝶「裏切り!! 武士として有るまじきことでしょ!!」
満種「クククッ、これが戦国の世のならいというものよ」
胡蝶「あれ?」
胡蝶「それでどうして、あたしは拉致監禁されてんるんですか?」
胡蝶「その話だと、人魚の肉さえ奪えば事足りる気がしますが・・・」
満種「噂に高いくノ一と初めて出会ったのだから、こうして拉致監禁するは至極当然」
満種「捕えた敵のくノ一に、エロエロしい拷問をくわえるというのは、戦国の世のならいだからな」
胡蝶「はあ・・・!?」
胡蝶「そんなわけないでしょ!! それって・・・」
満種「ククッ・・とぼけおって」
満種「この山風太郎の艶本にも描いてあるではないか」
満種「ほれ、この通り」
胡蝶「そんなのフィクションにきまって・・・」
満種「事実をもとに描いたにきまっておる!! この臨場感、迫力と興奮!!」
満種「いや、もしかしたら作者本人の体験を赤裸に描いたものかもしれぬ」
満種「きっとそうだ!!」
胡蝶(だめだ、この人。艶本の読みすぎで、現実と妄想の区別がつかなくなってる)
満種「では、そろそろ始めるか」
胡蝶「え、ちょっと・・・」
胡蝶「やっ!!」
  胡蝶は服を切り裂かれ、下着姿にされてしまう。
満種「おおっ・・・!! これがくノ一の柔肌か!!」
満種「やはり他の女たちとはモノがちがう。見ているだけで幻惑されてしまいそうだ」
満種「それにしてもさすがは、名のあるくノ一」
満種「拘束され、裸同然に剥かれても眉一つ動かさぬとは」
胡蝶(呆れて声も出ないだけなんだけど・・・)
胡蝶「あの、ちょっといいですか?」
満種「ん? なんだ?」
胡蝶「拷問するなら、何かあたしに自白させないんといけないんじゃないですか?」
満種「ん? あ、そうか・・・」
満種「何にするかな? そうだ、仲間のくノ一はもっとおらぬのか?」
胡蝶「いたらいいんですけど、あたし一人しか」
胡蝶「というか、あたしもまだお試し期間なんですが」
胡蝶「でもあたしの里には、黒揚羽という偉大な先人がいたんです!!」
満種「もちろん存じておる」
満種「『白揚羽淫靡帖』シリーズのモデルになった実在のくノ一で、〈交合大回転の術〉を得意として・・・」
胡蝶「黒揚羽は、そんな変な忍術は使いません!!」
満種「もう自白なんぞ、どうでもいい」
満種「存じておるぞ。幼少の頃から、くノ一は痛みに耐える訓練を受けてると」
満種「だから快楽で堕とすしかないのだ!」
満種「いつかくノ一と対決するときのために磨いておいた、わしのフィンガーテクニックで、おぬしを悦楽地獄に誘ってくれよう!!」
満種「おっと、油断して近づきすぎるところだった」
満種「股間に少しでも触れられようものなら、たちまち〈棒枯らしの術〉で精を出し尽くされるというからな」
満種「あぶない、あぶない」
満種「もっと拘束を厳しくするか? それでは身悶えする様を楽しめぬし・・・」
満種「ではいっそ、わしの肉棒を振るって一気に勝負を──」
満種「いや、それこそくノ一忍術で死ぬまで精を吸いつくされる恐れがある」
満種「ここは一つ、慎重に道具を使って──」
胡蝶「いやーっ!!」
信隆「満種! こんなことは許さんぞ!!」
信隆「胡蝶殿、無事か!?」
胡蝶「信隆様・・・!!」
作蔵「胡蝶、無事か!!」
胡蝶「信隆様・・・!!」
満種「くっ、どうしてここだとわかったのだ!?」
信隆「胡蝶殿とおまえの家臣二人が同時にいなくなったのだ。どんなうつけでも察しがつくわ」

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コメント

  • 完結おめでとうございます!
    伝説のくノ一の正体は、あの親っさんの若かりし頃だったんかいw
    知らぬが仏かもしれませんね。

  • 完結お疲れ様でした。
    目的の人魚の肉が手に入って大団円、とはいかず二転三転、笑いっぱなしでした。
    エロエロしい拷問は戦国の世のならい……素晴r…いや、恐ろしき妄想ですねww

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