エピソード8(脚本)
〇ラブホテルの部屋
ベッドに寝転がってテレビを観ている3人。
愛菜は一人で風呂に入っている。
高島良子「あの子、何かあったのかしら。 一人でお風呂入りたいなんて・・・」
高島守「愛菜も思春期になったってことだよ」
高島弘美「・・・・・・」
高島良子「弘美、何か知ってるの?」
高島弘美「何も」
携帯電話のメール受信音がする。
高島良子「あら? 誰のかしら?」
高島弘美「愛菜のだよ」
また音が鳴る。
テーブルにある携帯電話を手に取る高島。
高島守「死ね? ん? これは?」
高島良子「え?」
高島弘美「人の勝手に見るのやめなよ」
高島守「いや、画面に勝手に表示されて。ほら」
高島愛菜「なんで勝手に見るの!」
携帯電話を奪い取る愛菜。
高島愛菜「パパのバカ!」
高島守「そのメールはどういうことだ?」
高島良子「愛菜。あなた、いじめられてるの?」
高島愛菜「・・・いじめられてなんかないもん」
良子が愛菜の服の袖をめくる。
高島良子「これ、どうしたの」
高島愛菜「うわーん」
その場で泣き出す愛菜。
高島守「いったい誰にやられたんだ!」
高島弘美「・・・・・・」
高島良子「弘美! あなた知ってたのね?」
高島弘美「・・・うん」
高島良子「なんでママに話してくれなかったのよ」
高島弘美「だって愛菜が言わないでって」
高島良子「馬鹿!」
高島弘美「痛っ!」
高島弘美「なんで私が叩かれなきゃいけないのよ!」
高島良子「なんでって家族だからでしょ!」
高島良子「家族に秘密なんてあっちゃいけないのよ!」
高島守(・・・秘密)
高島弘美「ママだって秘密くらいあるでしょ」
高島良子「・・・・・・」
高島良子「愛菜。気付いてあげられなくてごめんね」
高島愛菜「・・・・・・」
高島良子「弘美。ぶってごめんね」
高島弘美「・・・・・・」
高島良子「・・・ママにも秘密あった」
高島良子「よし。決めた!」
高島守「何を?」
高島良子「今から、第一回、高島家の秘密吐き出し大会を開催します!」
高島守「・・・・・・」
〇ラブホテルの部屋
高島良子「はい。じゃあ、愛菜から」
高島愛菜「・・・恵梨香ちゃんたちに・・・いじめられてる」
高島守「・・・・・・」
高島良子「はい。質問」
高島弘美「どうぞ」
高島良子「いつからですか?」
高島愛菜「・・・先月」
高島愛菜「・・・私が、康太君と付き合ってから」
高島守「何! 付き合ってるだと!?︎」
高島弘美「パパ知らないの?」
高島良子「そうよ。そんなのみんな知ってるわよ」
高島守「俺は初耳だぞ」
高島守「どんな男なんだその康太ってやつは?」
高島弘美「それは別の話なので却下します」
高島良子「異議なし」
〇ラブホテルの部屋
高島良子「お疲れ様でした。 愛菜のいじめの件は弘美に一任します」
高島愛菜「お姉ちゃん・・・」
高島守「本当に大丈夫なのか?」
高島弘美「私に任せといて」
高島弘美「恵梨香ちゃんのお姉ちゃんとは今も仲良しだから」
高島愛菜「うん」
高島守「頼んだぞ。弘美」
高島良子「続いては弘美」
高島愛菜「それでは、お姉ちゃん、どうぞ」
高島弘美「・・・はい」
愛菜からマイクを受け取る弘美。
高島弘美「・・・・・・」
良子が弘美にウィンクする。
高島弘美「・・・私、大学に行きたくない」
高島守「なんだと!」
高島愛菜「まあまあまあ」
高島守「どういうことだ?」
高島弘美「・・・私、イラストレーターの学校に行きたい」
高島守「なっ、そんなの認めん」
高島守「大学に行かないとちゃんと会社に就職でき——」
高島良子「パパ。最後まで聞いてあげて」
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)