第28話 パパが帰ってきた!②(脚本)
〇可愛い弁当屋(看板あり)
ピカッ
店から強い光が放たれるのと同時に、男性客が逃げるように外へ飛び出した。
男性「ひえっ、すみません~っ! 僕、全然あやしい者ではないんで・・・っ!」
〇お弁当屋のレジ(店名あり)
アテナ「スキャンで安全が確認できたというのに、なぜ帰るのでしょう」
高原みこ「そのびかーっが怖いんだよ!」
女「おすすめ商品を一つ、くださる?」
高原みこ「いらっしゃいませー! 特製にこにこ弁当ですね!」
アテナ「スキャン開始します」
ピカッ
女「! あら、ちょっと照明が強いわね」
高原みこ「わー! 怖くないですよ! この目はお客さんを歓迎するライトです!」
アテナ「・・・スキャン完了、危険信号ナシ」
高原みこ「はい、お待たせしました! 特製にこにこ弁当でーす!」
笑顔で顔をあげたみこの額に、赤い吸盤のダーツが張り付いていた。
アテナ「!? いつの間に!?」
高原みこ「え~!? 全然気づかなかった!」
女「ふふっ人生は映画よ。楽しくなくちゃ」
高原みこ「! もしかして・・・!?」
女の後を追いかけてみこが店を出る。
アテナ「待ってください、御主人(マスター)! 勝手な行動は──」
〇可愛い弁当屋(看板あり)
アテナが店の前に出てくるが、二人の姿はなかった。
アテナ「! 消えた!?」
アテナ「急がなければ、御主人(マスター)が危ない」
〇通学路
高原丞次「メシの前に、一杯ひっかけて帰るか。 な~、パオ吉!」
象「パオ~ン!」
象「パオッ!?」
アテナ「・・・あの女を、御主人(マスター)は知っているようでした」
高原丞次「怖い顔してどうした? うちに門限はなかったはずだがな」
アテナ「3本目のダーツが打ち込まれた後、御主人(マスター)が姿を消しました」
高原丞次「なるほど。仏の顔も三度まで・・・か」
アテナ「!」
高原丞次「ダーツは軽い脅しだったが、4度目は違う。本気だから、みこをさらったんだろうな」
アテナ「暗殺者は一体どこに──」
高原丞次「それを言ったら、お前の冒険が楽しくなくなるんじゃないか? せっかく盛り上がってるのに」
アテナ「楽しくなくてもいいんです! 貴方の娘が、貴方のせいで殺されそうになっているんですよ!?」
高原丞次「は~っはっは! 熱いねえ」
高原丞次「なら、交換条件といこうか。俺の質問に答えたらヒントを教えてやるよ」
アテナ「え?」
高原丞次「質問はシンプルに一つだ」
アテナ「・・・・・・」
高原丞次「お前は、なぜみこを守る?」
アテナ「!」
高原丞次「みこはお前を、俺のプレゼントだって信じ切ってるが・・・違うよな?」
アテナ「・・・なぜあの時、貴方は否定しなかったのですか?」
高原丞次「二人きりになったら聞こうと思ってたんだ。あいつにそんな嘘を吐かなきゃいけない、お前の事情に興味があってな」
アテナ「・・・・・・」
高原丞次「まあ、強制はしないさ。お前の冒険はお前だけのものだ。孤独に進むのもよし」
アテナ「・・・話せば手がかりを?」
高原丞次「ああ。絶対にヤツに繋がる連絡先だ」
アテナ「・・・信頼度を計算──」
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