ゾンビはぜったい生き延びたい

石倉 晶

第三話 ゾンビはみんなと生き延びたい(脚本)

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石倉 晶

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〇荒廃したショッピングモールの中
ソイソース「・・・・・・」
ソイソース「んん・・・あ、あれ・・・ここは? 僕、さっきたしか・・・」
  ソイソースが目を覚ました場所は、大きな広場のような場所だった。
  辺りを見渡すと、上空に向かって吹き抜け構造になっているのが見える。
ソイソース「・・・どっかの建物なのか?」
ソイソース「・・・ん?」
ソイソース「ステラ? なんで僕の隣で寝て・・・」
ステラ「んん・・・」
ステラ「え、あ・・・ソイソース!! いつ起きたん!?」
ソイソース「うん。起きたのはさっきで・・・」
ステラ「あぁそっかなんともなかったんだね! よかったよー!」
ソイソース「え、ちょ!?」
  嬉しさのあまり勢いよく抱き着いてくるステラに、ソイソースはどう反応すればいいかわからず困った顔をしていた。
ステラ「ほんとに良かったぁ・・・人間に襲われた時に、死んじゃったかと思って・・・」
ソイソース「もうすでに一回死んでるけどね・・・」
ソイソース「ってそうだ! たしか僕は人間に襲われたはず・・・」
ステラ「うん。でもあの時、チビちゃんとかが助けにきてくれたおかげで、何とか逃げることができたんだ」
ステラ「それでウチら、今はこのショッピングモールに籠って隠れてたの」
ソイソース「そっか・・・助けてくれてありがとう」
ステラ「ううん。それはウチの台詞だよ」
ステラ「ソイソースのおかげでウチは──」
ソイソース「ってちょっと待って!?」
ステラ「うわぁ、びびったー・・・な、なに、どったの?」
ソイソース「・・・今、ショッピングモールって言わなかった?」
ステラ「え、うん。モールだよ、ここ」
ステラ「生活必需品もあるし、コスメもあるし、隠れ家としてちょー完璧っしょ♪」
ソイソース「そ、そんな・・・一刻も早くここを出ないと!」
ステラ「え! ちょ、なんでよ!」
ソイソース「ここはゾンビ映画では定番中の定番! ゾンビは、生前思い入れがあるショッピングモールに群がってくるんだ!」
ステラ「あー、うん・・・え、でもそれって仲間が増えるってことっしょ。いい事じゃね?」
ソイソース「違う・・・ゾンビが集まるということは、ゾンビ狩りにとっても格好の狩場になる・・・」
ソイソース「ここは僕たちゾンビにとって、死亡フラグしか立たないんだ!」
ママゾンビ「た、大変よ二人とも! ショッピングモールの外が、人間達に包囲されているみたい!」
ソイソース「くっ・・・フラグ回収が早すぎる」
幼女ゾンビ「ねぇママ。あたしたち、どうなっちゃうの?」
ママゾンビ「・・・大丈夫よ、何も心配しなくていいわ。大丈夫・・・」
じいじゾンビ「・・・せめて一度でええから、ぴちぴちギャルの肉を食べたかったのぉ・・・」
ソイソース「くっ・・・いや、こんな時こそ『秘伝・ゾンビ生存の書』を・・・」
ソイソース「・・・って、あれ!?」
ソイソース「ずっと持ってたのにどこにもない・・・落としちゃったのか・・・?」
  困惑、妄信、諦観、焦燥・・・絶体絶命のピンチを迎え、それぞれ今後の行く先に不安を覚えていた。
ソイソース「くそっ・・・あれがないのに、どうやって生き延びれば・・・」
  しかし、その中に一人だけ、いつも通りの顔をしているゾンビがいた。
ステラ「ねぇ、なんでみんなそんな不安がってんの?」
ソイソース「なんでって・・・この状況に不安を覚えないゾンビなんていないよ!」
ステラ「そうなん? ウチは不安ゼロだけど・・・」
ソイソース「なにを根拠にそんなこと・・・」
ステラ「だって、ソイソースがいるもん」
ソイソース「なっ・・・僕・・・?」
ステラ「そうだよ。ゾンビについてソイソースより詳しいゾンビなんて他にいないし、なにか思いついてるんでしょ?」
ソイソース「・・・た、たしかに・・・作戦がないことはないけど・・・」
ソイソース「けど、絶対に生き延びられる保証なんてどこにも・・・」
ステラ「あるよ」
  ステラはずいとソイソースへ近寄り、その顔を覗き込んだ。
ステラ「だってウチがピンチの時、いつも助けてくれたのは、アンタじゃん」
ステラ「この前ウチが襲われた時、庇ってくれたのも、アンタじゃん」
ステラ「いざという時、必ず生き延びらせてくれるのが・・・ソイソースだもん」
ソイソース「・・・・・・」
ステラ「ウチはそう信じてる。だから・・・」
ステラ「ウチらみんなで、ぜったい生き延びようよ」
  混じりっ気のない真っすぐな瞳が、ソイソースを見つめる。
  そんなステラを見て、仲間達の表情も引き締まっていく。
ステラ「で、ウチらは何をすればいいの? リーダー」
ママゾンビ「私達も手伝えることは、なんでもします」
幼女ゾンビ「あたしもー!」
じいじゾンビ「あぁ・・・ぴちぴちギャルの肉を拝むため・・・死ぬわけにはいかんからの」
ソイソース「みんな・・・」
ソイソース「・・・わかったよ。僕も、覚悟を決めた」

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