ゴリラと流れ星と願い事

ぐらっぱ

第二話 ゴリラとバナナはセットだよ(脚本)

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ぐらっぱ

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ゴリラと流れ星と願い事
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〇星
  さぁ、キミ達は何を願う?
「頼む!! 絶対叶えてくれ ぼくは──」
「女子に詳しくなりたいんだ!」
(そして知識を深める事で モテモテになるに違いない!)
(・・・他のやつらも何か言ってるようだが はっきり聞き取れないな)
  キミ達の願いを叶えよう
  その代わり・・・
  その願いに相応しい物と引き換えだよ

〇可愛い部屋
ケンタ「──と、あいつが言ってたんだ」
ケンタ「それでな・・・」
マサル「それよりもケンタぁ 俺は気になる事があるんだが・・・」
ケンタ「なんだ?」
マサル「お前の部屋って前からこんな ファンシーだったっけ・・・?」

〇可愛い部屋
ケンタ「違う! 朝起きたらこうなっていたんだ!」
マサル(以前なら興味無さそうな 可愛い系ぬいぐるみとかあるし)
ケンタ「言っておくが趣味嗜好までは 変わってないからな」
マサル(「恋に生きる乙女のバイブル」とか 「彼に告白する為のテクニック」とか すげえ気になる本も置いてあるし・・・)
ケンタ「ぼくの愛読書まで変えられてしまった・・・」
マサル(愛読書ってなんだろ ・・・いや、こいつの事だし エロい本だろうな、多分)
ケンタ「こんな事になるなんて・・・」
マサル「はっ!? まさかこれも願い事か? 女の子部屋に住みたいとか」
ケンタ「違う! ぼくは純粋に女の子を知りたいだけだ」
マサル「・・・」
ケンタ「どうやらぼくが女の子で違和感無いように ここまで徹底的にされたんだろう まさか部屋まで変えられるとは」
マサル「流れ星すげえな 前の部屋がどうだったか 忘れそうだぜ」
ケンタ「昨日も来てたのに忘れんなよ」
マサル「すまんすまん 部屋のファンシー圧が強すぎて」
ケンタ「そもそも女の子に詳しくなりたいわけで そのものになりたいって 願ったわけじゃない」
マサル(女の子になれば詳しくなるのでは?)
ケンタ「もっと許し難いのは・・・」
マサル「何があったんだ」
ケンタ「ぼくの秘蔵コレクション! 漫画のちょっとエロいシーンを 切り抜いて集めたノートが消えたんだ!!」
マサル「・・・」
ケンタ「代わりにあったのが キュンとするイケメンの告白シーンを 切り抜いて貼り付けたノート!」
マサル「・・・」
ケンタ「なんという仕打ち! 許し難い!!」
マサル「・・・」
ケンタ「だからなんとしてでも元に戻らないと あのエロブックはぼくの宝なんだ!」
マサル「・・・」
マサル(ギャグ漫画のお色気シーン切り抜きとか だったかな・・・)
マサル(そんなにエロいシーンなかったけど こいつめっちゃ大事にしてたっけ)
マサル「でもそんな大事な物なら 画像データは残してないのか?」
ケンタ「データで保存していた、けど そのPCごと一緒に部屋から消えた・・・」
マサル「そ、そうか・・・」
ケンタ「クラウドに保存していたデータも イケメン俳優セクシーショットに 全て差し代わっていた」
マサル「流れ星恐るべし・・・」
ケンタ「だから 何としてでも 絶対に元に戻るんだ!!」
マサル「そうだな!」
マサル「と言ってもどうしたら戻れるんだ? 流れ星の居場所だってわからんし」
ケンタ「大丈夫だ あいつは言ったんだ 願いを叶える為には代償が必要と」
マサル「代償だって!?」
ケンタ「あいつはあの時──」

〇星
  その願いに相応しい物と引き換えだよ
「引き換えだって!? ま、まさか命とか?」
  命と引き換えたいものがあればね
「命は駄目だ 死んだらモテても意味ない!」
  それじゃあ
  キミが大事にしている物でもいいよ
「何でもいいのか?」
  その願いに見合う価値があればいい
「じゃ、じゃあぼくは 年代物のレトロなカメラを!」
(小学生の時にお年玉で買った 大事なカメラだ)
(暫く使ってないけど たしか押入れにあるはず)
  それをくれるんだね
「本当に願いを叶えてくれるのか?」
  なんでも叶えてあげる
  引き換える物を渡してくれればすぐにでも
  ワタシの名は『彷徨える流れ星』
  今すぐに渡せる物が無いのなら
  準備が出来てからでいい
  再びこの地でワタシの名を呼んで
  待っているよ・・・

〇可愛い部屋
ケンタ「──って言ってた」
マサル「ふむ?」
ケンタ「もしかしたらもう一度あそこで 『彷徨える流れ星』を呼べば 来てくれるかも」
マサル「もう代償払ってしまったんだろ?」
ケンタ「それが・・・ 記憶にないんだ」
マサル「え?」
ケンタ「流星群のあの日は 夢かと思っていたから 何も渡さなかった」
マサル「それじゃあ、なんでケンタは 女の子になっちまったんだ?」
ケンタ「分からない ・・・けど、思い出した事がある」
マサル「ふむ?」
ケンタ「ぼくの大事なカメラは ユキジに借りパクされてたんだって事に」
マサル「マジか!?」
マサル(あれ・・・? 願い事と引き換える程大事な物なのに 借りパクされてたの忘れてたのか?)
ケンタ「まぁ別にもういらないから 返さなくていいって言ってたんだけどさ」
マサル「願いと引き換えは大事なものとだろ?」
ケンタ「本当に叶えるかわからないのに 命の次に大事なエロブックを渡してたまるか」
マサル(大事なものはエロブックなのか・・・)
ケンタ「だから”当時は”大事だったカメラで お願いしてみたのさ」
マサル(・・・まぁこいつケチだしな)
ケンタ「そう、それで昨日カメラの事思い出して ユキジに・・・」
ケンタ「おっと ユキジから連絡が」
マサル「そういや放課後一緒にカラオケ行こうって 言ってた気がするぜ」
ケンタ「ユキジ置き去りにしてしまったな」
マサル「作戦会議の為だ 仕方ない」
ケンタ「だな・・・」
マサル「で、ユキジはなんて言ってるんだ?」
ケンタ「ユキジが「マサルの慰め会しないのか」って」
マサル「俺には連絡ないな・・・ グループチャットで伝えてくれりゃいいのに」
ケンタ「今お前と一緒にいるって伝えたら マサルと連絡手段無いから伝言よろって」
ケンタ「ん? グループチャットにマサルいないぞ?」
マサル「は? もしかしてあいつ怒って 俺の事外したのか」
マサル「くっそー! こっちから連絡してやる!」
マサル「えーっと ユキジに電話を・・・」
ケンタ「なぁ・・・」
マサル「・・・」

〇雷
マサル「これバナナじゃん!!」

〇可愛い部屋
マサル「俺のスマホがバナナに!?」
ケンタ「マジかよ・・・」
マサル「俺の・・・スマホ・・・ どうして・・・どうして・・・」
ケンタ「一刻も早く元に戻る為に 流れ星を見つけないとな」
マサル「そうだな・・・」
ケンタ「とりあえずユキジには また今度慰め会しようって伝えといた」
マサル「サンキュー ・・・モグモグ」
マサル「まてよ? スマホがバナナなら俺んちは・・・」
ケンタ「動物園になってるんじゃ」
マサル「やべえな!」
ケンタ「確かめに行くか」
ケンタ「ん?  ユキジうちに来るってさ お前の事が心配なんだって」
マサル「いい奴だなあいつ」
ケンタ「今向かっているらしい ・・・なんか担任と一緒にいるって」
マサル「先生が? なんで一緒に・・・?」

〇川沿いの道
???「・・・」

〇動物

〇一戸建ての庭先
ケンタ「あ、ユキジあそこにいる」
マサル「ん? 一緒にいるあの男は誰だ?」

〇住宅街

〇一戸建ての庭先
ケンタ「あんなアフロ野郎は知らないな」
マサル「俺も記憶にないな・・・」
ケンタ「ユキジの事だから道案内でもしてるのかもな」
マサル「ありえる ・・・先生は一緒じゃないのか」

〇住宅街
ユキジ「おーい! お待たせー!」

〇一戸建ての庭先
ケンタ「早かったな」
ユキジ「ああ 先生がお前達に急ぎの用があるって言うから 連れてきたんだ」
マサル「先生ってどこに・・・?」
ユキジ「え? あそこにいるじゃん?」

〇住宅街

〇一戸建ての庭先
マサル「あのアフロのおっさん誰?」
ユキジ「おいおいおい 失恋のショックで忘れたのか? 担任のツルッチだぞ?」
マサル「いや ツルッチって・・・」

〇教室
ツルッチ「自分は、若い頃フサフサだったんだぞぉ」
マサル(担任の鶴田先生・・・ 常に頭がツルっと光ってるから みんなツルッチと呼んでたが)

〇一戸建ての庭先
マサル(あんなアフロじゃなかったはず)
ケンタ「マサル! もしかしてツルッチも願い事叶えたかも」
マサル「なんだって!?」
ケンタ「ユキジは普通に受け入れてるが あんなアフロはツルッチじゃないだろ 何か流れ星について知ってるかもな」
マサル「確かに」
ユキジ「お前ら何コソコソ話してるの?」
ケンタ「すまない、ユキジ ぼくらはツルッチと重大な話があるんだ 2人と一匹っきりにしてくれないか」
ユキジ「え? あ、ああ・・・ わかったよ」
マサル「ユキジすまねえ 今度カラオケ行こうぜ」
ユキジ「わかったよ またな!」
「・・・」
マサル「鶴田先生、用ってなんですか? 俺達もちょっと聞きたい事が・・・」

〇住宅街
ツルッチ「お前らまとめて退学だ!!」

〇一戸建ての庭先
マサル「え? ちょっと先生何言ってるんだよ?」
ケンタ「ぼくらは何もしていないし 先生に流れ星の事を聞こうと・・・」

〇テクスチャ3
ツルッチ「許さん許さん許さぁん!! 流れ星の願いをキャンセルなんてさせん!」
ツルッチ「フンガァッー!!」

〇一戸建ての庭先
マサル「なんかやっべーぞ、ケンタ!!」
ケンタ「ど、どうする!」
マサル「こうなったら・・・!」

〇動物
  突然襲いかかってきたアフロ先生
  戸惑う一人と一匹
  冷ややかな町内の人の視線
  アフロの毛量に負けず
  彼らはピンチを切り抜け
  流れ星の秘密へ辿り着けるのか
  第三話へ続く・・・!

次のエピソード:第三話 ゴリラとアフロはモフモフだ

コメント

  • 人ひとりをまるっと変えてしまう強力な影響力!矛盾が出ないよう持ち物や周囲の環境まで変化させる徹底ぶり!そして対象者の願いを叶えるよう働きかけてくれる優しさ!……なのにこのズレ具合。一体どうしてこうなってしまったのか、真相が気になります。
    ふたりの掛け合いが面白くてずっと笑っていました。ツルッチ先生との対決、楽しみにしています。

  • スマホ→バナナ→食べるのコンボで吹きましたww
    ゴリラにはもうすっかり耐性付いたと思ってたけど…ゴリラが主人公ってだけでつい笑ってしまうな、やはり😂
    先生がまたビジュアル的に派手な願いを…このカオスがどうなっていくのか楽しみです😆

  • 男子の夢が詰まったケンタの宝物には笑いました。笑
    ケンタや先生がああなってしまった理由は分かりますが、マサルがゴリラになる理由が謎すぎて、解き明かされるのが楽しみです!

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