最低な俺のサイテーな洗髪

ましまる

陰キャ男子、美容室デビューしたところ(脚本)

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〇美容院
  ──俺の美容室デビューは19歳の夏、店内の効きすぎた冷房が緊張の汗を一気に冷やしてくれた7月の暑い日のことだった。
  そもそもオシャレにはうとく、服装もファストファッションでコーデ、、、というよりも考えなしに着ているだけ。
  当然のごとく髪型にもこだわりがなく、不衛生でなく、見る人に不快感を与えなければいいと思っていた。
  なので、髪を切るのは決まって近所の床屋。馴染みのオッチャンに「伸びた分を切ってください」で注文終了。そして完成。
  そんな俺が、何でこんな似合わぬオシャレスポットにいるのかというと、話は1週間前に遡る──

〇大衆居酒屋(物無し)
ヒロさん「もう少しだけオシャレに気を使うとモテるようになるよ!素材はいいんだから!」
ヒロさん「何なら、ウチのお店に来てみてよ。髪型を変えるだけで印象もかなり変わると思うよ」
  行きつけの居酒屋で意気投合したヒロさん(26・美容師)にこう言われたのがきっかけだった。
ヒロさん「ちょっと雰囲気が変われば、一気にモテそうな感じするから」
  まぁ確かにモテないけど。人生で一度も付き合ったことないし。学校も男子ばかりで女の子がいないから接点自体もないし。
  オシャレもただ面倒でお金がかかるものとして敬遠してきた。そもそも金がないからオシャレできないという言い訳かもしれないが。
  でも、このまま女性と縁がなくてDTこじらして年老いていくのもアレなので、一度だけでも試してみようと思ったのだった。
  ──ヒロさん(26・美容師)のちゃらい営業トークにひっかかっただけという気もするが、深くは考えないことにしておく。
  現に、それ以外の会話内容は薄っぺらでろくでもなかったわけだし。その時の印象は「ただの軽薄な人」だというのは秘密だ。

〇美容院
  そんなこんなで美容室デビュー。店に入る前は緊張でガチガチだったが、いざ入ってみると許容できるギリギリのオシャレ感。
  スタッフの人たちも明るく笑顔で迎えてくれて、緊張もちょっぴり和らいでいた。
ヒロさん「髪質と頭の形から、この髪型が似合うと思うんだけどね。普段のセットも楽だし」
  ヘアカタログを見ながら、真剣に俺の髪型のことを考えてくれているヒロさん(26・美容師)
  一週間前は「ただの軽薄な人」なんて思ってしまってスミマセン!
ヒロさん「じゃ、まずはシャンプーしますね!」
ヒロさん「ユカちゃんお願いねー」
ユカ「はい!じゃあご案内しますね!」
  アシスタントのユカちゃんは、素敵な笑顔で洗髪台まで案内してくれた。
  とても可愛らしく、胸が大きい子だった。ハキハキとした話し方で、胸が大きい。
  クリクリとした目が印象的で、そして巨乳だ。
  胸ばっかり見てしまった気もするが、何せ女性と付き合ったことがないから仕方ない。
  やましい気持ちがゼロだったとは言い切れないが、まあ、その、DTの至りとして許してほしい

〇美容院
ユカ「じゃあ、背もたれ倒しますねー」
  実のところ、仰向けになって髪を洗われるのは人生初だった。
  いつもの床屋では、前かがみになっての洗髪だから、何か落ち着かない。
  ていうか、床屋での前かがみでの洗髪は息苦しい感じなのだが、この体勢はすごく楽だ。
  背筋を伸ばすことになり、ストレッチのようで気持ちがいい。血流も良くなる感じだ。
  しかも横には、きょぬーの女の子!
  ちょっとドキドキしてしまう!
ユカ「ちょっと頭の位置をずらしますねー」
  ユカちゃんは、俺の頭をそっと腕で抱え込むようにして、頭の位置を調整してくる。
  薬液の匂いとともに、ユカちゃんの甘い香りが鼻腔をくすぐってくる。
  ていうか、胸の柔らかいものが当たってるから!その大きく柔らかなものを押し付けてるから!
ユカ「では、流していきますねー」
  フェイスガーゼの隙間からも、必死でユカちゃんを見てしまう。大丈夫か俺!
  女の人に髪を洗ってもらうのってこんなに気持ちいいことなのか、初めて知った。
  先に謝っておく。
  この時、俺は血流が良くなりすぎた。
  特に下腹部において。
  男の人なら理解してくれるかもしれないが、美容室内では不適切(?)な状態だ。
  サイテーだと罵ってくれてもいい。
  バレないように必死で平静を装っていたのだった。
  ・・・・・・・・・
  正直なところ、その後の記憶はないのである。
  ヒロさんともユカちゃんとも何かしらの会話をしたはずだが、一切思い出せない。
  その前の記憶が強烈すぎるからだろうか。

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コメント

  • こちらの話がましまるさんのタップノベル処女作でしょうか?
    音も主人公の立ち絵もなくて新鮮〜!って思ったのも束の間、下半身の血流の話になって笑いました🤣
    ましまるさんぽくて大好きです。
    女でも男でも気持ちよければどっちでも良いですね…😌😌

  • 主人公さんへの慰めではないですが、頭皮には無数のツボがあって髪の毛自体が毛細血管の延長のようなものだから、男性の強い力でそのツボを刺激され血流が良くなるのは理にかなっていると思います。ただその洗髪の行為ですでに巨乳の彼女のイメージがついてしまっているから、全部がミックスされてその現象だったんだと、私は女ですがこう考察しました。

  • とても面白くて笑いながら読ませて頂きました!
    確かに美容院のシャンプー気持ちいいですよねぇ…血流も良くなるような気がします笑
    どことは言いませんが!

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