第二話 ゾンビはとにかく安全でいたい(脚本)
〇荒廃した街
ソイソース「ふぅ・・・なんとかゾンビ狩り達から逃げきれたみたいだね・・・」
ステラ「やったね! やっぱソイソースを仲間にいれてマジ正解だったわー♪」
幼女ゾンビ「ありがとね、お兄ちゃん♪」
ママゾンビ「・・・とはいっても、ここも安全とは言えないわ」
ステラ「だよねー。あーあ、ゾンビパラダイスまでマジ遠いなー」
ソイソース「ゾ、ゾンビパラダイス? それは、場所かなにかなの?」
ステラ「うん、ウチが名付けた! ウチらゾンビがへーわに暮らせるような、ちょーハッピーなとこを探してんだけどねー」
ステラ「どこ行っても人間とバトることになってマジつらッ! みたいな」
ソイソース「・・・確かに。ゾンビは人間に対する食欲があるからね」
ソイソース「どうしても争いになるのは避けられない・・・」
ステラ「えー、でもウチら悪くなくね? お腹すくのはしょうがないっしょ」
ソイソース「・・・・・・」
ステラ「ん? どったの? ソイソースもそう思うっしょ?」
ソイソース「え!? あ、うん・・・そうだね・・・」
じいじゾンビ「激ウマな人間が悪いんじゃ」
ステラ「あはは! おじーちゃんにウチの口調うつってんのマジウケる!」
ソイソース「・・・・・・」
ソイソースは、人間の話で盛り上がるステラ達から、ひっそりと離れた。
そしてそのまま一人で考え込んでしまう。
人間は美味しい。ゾンビとして当然の答えが出なかった自分は、本当にゾンビなのか?
本当はただのゾンビオタクなのでは?
そんな思考がソイソースの頭を支配していた。
ステラ「ソイソース? 話聞いてるー?」
ソイソース「・・・え! あ、ごめん聞いてなくて・・・なんの話だっけ?」
ステラ「もー、しっかりしてよー! ソイソースだけが頼りなんだからさ」
ステラ「とりま、これからどうするーって話」
ソイソース「そうだね・・・。まずはこれからのことを考えていかないと」
ソイソース「それじゃあ、まず、君達にはこの先、生き残るための『ゾンビ生存術3ヶ条』を教えるよ」
ステラ「『ゾンビ生存術3ヶ条』? なんそれ?」
ソイソース「これは、映画『ワールド・サバイバル・Z』を元にしたサバイバル術で・・・」
ステラ「なるー! なんかイケてそう♪」
こうして、ソイソースとステラ達のサバイバル生活が始まった!
〇荒廃した街
ステラ「んー? みんなとはぐれちゃった・・・ウチこれピンチじゃね?」
ステラ「ソイソースがこういう時の話してたけど・・・生存・・・なんだっけ?」
ステラ「んー・・・まぁなんとかなるかー!」
ステラ「とりま、メイク直してーっと・・・」
ヤバイ男「ヒャッハー! はぐれゾンビ発見だー!」
ステラ「マ!? ちょ、ちょっとタンマ!」
ソイソース「ウ、ウガァ!」
ヤバイ男「あ? はしゃぎすぎたか。他のゾンビが集まってきたみてぇだな・・・」
ママゾンビ「ウゥウァガアッ!」
幼女ゾンビ「ぐわー!」
ヤバイ男「チッ、どんどん増えてるな・・・一人じゃキツい。ここは引くしかねぇ!」
ソイソース「ふぅ。なんとか追い払えたか・・・危なかった・・・」
ステラ「やばー助かったー! てかソイソースちょーナイスじゃね? マジうれしみが深いわ!」
ソイソース「い、いやまぁ大したことは・・・」
ソイソース「ってそうじゃなくて!」
ソイソース「『ゾンビ生存術3ヶ条』その1! 単独行動禁止。はぐれゾンビは狩りの的!」
ステラ「あー、それそれ! 忘れてたわ!」
ソイソース「はぁ・・・次は気を付けてね」
ステラ「おけまるー!」
〇荒廃した街
ステラ「はぁ・・・マジお腹すいたなー・・・」
ステラ「ん?」
ステラ「あれ、人間のお肉落ちてんだけど! いっただきー!」
ソイソース「ちょ、ステラ! そっちは危な──」
バァァンッ!
ステラ「あ、あぶなっ! なにごと!?」
ソイソース「くっ、狙撃銃だ・・・これ以上近づけば確実に撃たれる。肉は諦めるしか・・・」
ステラ「そ、そんなー これ以上お腹すいたら洒落にならんってー」
ソイソース「だけど言ったでしょステラ」
ソイソース「『ゾンビ生存術3ヶ条』その2! 奴らは飛び道具を使うから、見晴らしの良い所はダメ! 絶対!」
ステラ「だってー、最近なんも食べてないんだもん」
ソイソース「そ、それはそうかもだけど・・・生き残るためだから、今は我慢だよ」
ステラ「むー・・・はーい・・・」
〇荒廃した街
ステラ「・・・くんくん・・・こっちから美味しそうな人間の匂いが・・・」
ステラ「あー! ウチ、もー我慢できない!」
ソイソース「い、行っちゃダメだステラ!」
モヒカン男「あ? テメェ、この前のゾンビじゃねぇか!」
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