魔女の知る罪知らぬ罪

小潟 健 (こがた けん)

3 港ほのぼの(脚本)

魔女の知る罪知らぬ罪

小潟 健 (こがた けん)

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〇海沿いの街
  そこは、とある港街──

〇ヨーロッパの街並み
  その、のどかな昼さがりで──
街人1「馬が暴れているぞ! みんな逃げろお!!」
  小さな事件が起きていた
  暴れ馬の入れない細道に早く逃げようと、皆が押し合い圧し合い──
幼い男の子「うあっ!?」
  そこから最も非力な少年が弾かれ──
暴れ馬「ブルルアアァッ!!」
  暴れ馬の進路は、たまたまそこだった
幼い男の子「あっ──」
  暴走した馬の脚に蹴られ、あるいは踏まれ、子供が死ぬ
  何処にでもある、小さな事件
  だがこの娘が立ち会った事により、それは劇的な事件になった──
  子供を蹴り、あるいは踏み殺しそうな馬の脚を全て斬り飛ばし、胴体は勢いのまま子供の頭上を通り過ぎてその背後に落ちた
魔女「んん、馬も悪くないねぇ・・・」
???「うおおおっ!? す、すげえ!!」
???「なんて嬢ちゃんだ!?」
???「オイ坊主! お前無事なのかい?」
幼い男の子「えっ!? あ、オレ、だ、だいじょうぶ──」
幼い男の子「あの、おねえちゃん! たすけてくれて、ありがとう!」
魔女「ん? どういたしまして──」
  魔女は、少年の感謝の言葉に軽く返しながら──刀を振りかざす
幼い男の子「え? お、お姉ちゃん、何、を──」
魔女「あぁ、これは、しょうがない事なんだよ」
幼い男の子「あ、う、う──」
幼い男の子「ウマが・・・」
魔女「脚を全部斬っちまったからねぇ・・・ トドメをさしてあげないと、馬を長く苦しめてしまうだけなんだよ」
幼い男の子「・・・そーなんだ」
魔女(うん、そーなんだ これはしょうがない事なのさ)

〇ヨーロッパの街並み
朗らかな男「オイお嬢ちゃん、アンタとんでもない腕前だな!」
魔女「フフッ、ありがとさん ところで、この馬の主って誰だい?」
朗らかな男「うん? 俺じゃあ無いが、どうしたんだい?」
魔女「咄嗟の事だから殺しちまったんだがね? 暴れた馬も子供を死なすところだったんだ」
魔女「だから馬主と示談の交渉でもしようかと思ってね」
朗らかな男「おぉ、そういう事なら俺も証人になるよ お嬢ちゃんがあの時馬を斬らなければ、別のモンにも被害が出たかも知れんからな」
幼い男の子「ねえ! この馬ならオレ見おぼえあるよ!」
朗らかな男「お? そうかい・・・って坊主!? お前、鍛冶屋ん所のせがれじゃあねえかよ」
幼い男の子「ウン! ギルドのおっちゃん、いつもごひいきありがとう!」
魔女(ギルド?)
幼い男の子「ウン、それでね、あそこでたおれてる石つみの親方の馬だと思うんだけど──」
???「駄目だこりゃ・・・」
???「頭が──即死だろうな」
幼い男の子「──えっと」
朗らかな男「──あっちゃあ」
魔女「──これは、どうなるんだい?」

〇黒

〇兵舎
兵士「時間を取らせてすまなかったな!」
魔女「アンタの奥さんの愚痴さえ無けりゃもう少し早く終わったんじゃあないかい?」
兵士「最近は部下も付き合ってくれなくて・・・」
魔女「その調書が奥さんに見られないといいけどねぇ?」
兵士「・・・燃やしちまおうかな?」

〇ヨーロッパの街並み
幼い男の子「あ、おねえちゃんだ!」
魔女「おや? 昼間の坊主じゃないか こんな時間まで待っていたのかい?」
幼い男の子「ウン! ギルドのおっちゃんにきいたんだ!」
魔女「そうかい、ありがとうね でもそろそろ日も暮れる、一人じゃ危ないからアンタの家まで送ってあげるよ」
幼い男の子「ひとりじゃないよ!」
鍛冶屋の主人「おうドム、そのお嬢ちゃんがそうなのか?」
魔女「ウン? アンタは?」
鍛冶屋の主人「コイツの親父さ 昼間にうちのせがれを助けて貰ったと聞いてな、是非直接礼を言いたくてよ」
鍛冶屋の主人「お嬢ちゃん、ありがとう 俺のせがれを助けてくれて、ありがとう 本当に、ありがとう」
  男は深々と頭を下げ、それを見た息子が真似て頭を下げる
魔女「どういたしまして アンタの感謝、確りと受け取ったよ さ、頭を上げておくれ」
鍛冶屋の主人「へへっ、あんがとよ それでな、うちのカミさんとも相談した事なんだがよ、良かったらうちで晩飯でもご馳走させてくんねえかい?」
魔女「そいつは有難い この街には来たばかりでねぇ、メシ屋がどこに在るかも分からなかった所なんだ」
幼い男の子「やったあ! おねえちゃんとごはんだ!」

〇西洋風の部屋
  鍛冶屋親子の家で娘は歓待を受けた
  そしてすっかり日も暮れ、腹も膨れた少年はこっくりこっくりと船をこぎ始めていた
鍛冶屋の主人「──やはりお嬢ちゃんは魔女だったんだな」
魔女「そうだよ──だけどアンタ、嫌がるでも怖がるでも無さそうだねぇ?」
鍛冶屋の主人「まぁ、他の奴らじゃあそうだろうが・・・」
鍛冶屋の主人「ホレ、この通り、俺達鍛冶師は魔女から貰った魔法の火で仕事をしているからよ」
魔女「フフッ、そうだったね」
魔女「じゃあ鍛冶師殿を魔女の古い友人と見込んで、幾つかお願いをしたいんだが──」
幼い男の子「──ふがっ!──むにゃむにゃ──」
魔女「──先にドムを寝かしてからだね」

〇黒
  鍛冶屋一家との夕食を終え、紹介された宿のベッドに寝転がる
魔女(鍛冶屋の子供は可愛いかったなぁ・・・)
魔女(きっと──)
魔女「斬ったらきっと、気持ち良いんだろうねぇ」
  思わず、考えが口をついて出てきてしまう

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コメント

  • 面白かったです!
    惨劇は免れたけど……馬ー!!

  • これが酷い仕上がりだなんてとんでもない!
    馬の前足を切り落とす所の描写も秀逸で、脳内で再生されましたし、魔女であるのにこれから剣士としても腕を磨いていくなんて、同じ女としてリスペクトしかありません👍

    このまま続きを読んでいきますね!

  • 久々に読んだけど(一気に更新しすぎ🤣)やっぱ面白いです。
    I LOVE地の文❤

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