第一話 甘〜い苺を胸に秘め🍓変身、ピュアストロベリー!(脚本)
〇華やかな広場
ピュアストロベリー「紅色ほっぺは甘〜いしるし!」
ピュアストロベリー「ピュアストロベリー!」
ピュアストロベリー「みんな今日もストロベリベリ❤️ハッピー☆」
〇華やかな広場
ニコタイン「煤色歯茎はキツ〜い葉巻!」
ニコタイン「ピュアニコタイン!」
ピュアストロベリー「おいやめろ」
ニコタイン「ストロベリー殿。やはり決め台詞が揃うと「馴染む」でござるな」
ピュアストロベリー「何一つ馴染んでねーよ!」
ピュアストロベリー「どこがピュアだ!」
ニコタイン「某、ピュアな紙巻きタバコの怪人」
ニコタイン「メンソールなどもってのほかでござる」
ピュアストロベリー「その情熱もっとほかのことに使えないの・・・?」
ニコタイン「さあ、今日も我らのコンビネーションを見せつけるでござる!」
ピュアストロベリー「もーいや!!」
ピュアストロベリー(なんで私、こんなやつとバディを組むことになっちゃったんだっけ──!?)
〇開けた交差点
数日前──
スモーキー「モキモキモキィー!」
ピュアストロベリー「きゃあっ!?」
スモーキー「お前一人なら楽しょ〜だモキィ♪」
スモーキー「我ら副流會のボス「ハッツガーン」様への生贄にしてやるモキィッ!!」
ピュアストロベリー「くっ・・!」
???「そこまでですわ!」
「「バケツ・プリンセス」参上!」
スモーキー「げ!こいつら強ーんだモキ!」
スモーキー「スタコラサッサするモキ!」
レッドプリン「お待ちなさーい!」
ブループリン「あいつら、すぐ消える・・タバコの煙のよう」
ピュアストロベリー「ちょっと!」
ピュアストロベリー「私の獲物を横取りしないでよ!」
レッドプリン「あ〜ら、ごめんあそばせ〜」
ブループリン「お前が・・弱いから、横取りされる」
オタク「すごい!バケツ・プリンセスだ!」
おねえさん「彼女たちがいれば、この街も安心ね!」
ピュアストロベリー「・・・・」
この街を守る魔法少女といえば、「バケツ・プリンセス」。
それが皆の共通認識だろう。
「ピュアストロベリー」だって、いるのに・・
〇可愛い部屋
苺果「今日も全然活躍できなかったよぉ〜」
これが普段の私。本当の名前は、甘宮苺果(あまみや いちか)っていうの。
ピヨりん「ま〜たバケプリどもに先を越されたやがったのか、つっかえねぇの」
苺果「頑張った魔法少女にかける言葉それ・・?」
この子はピヨりん。私を魔法少女にしてくれた、妖精さんってやつ。
苺果「悔しい〜!この街は私が守ってたのに〜!」
ピヨりん「ま、人気も実力も、後から来たアイツらの方が完全に上だけどな」
苺果「めっちゃはっきり言うじゃん・・」
ピヨりん「・・安心しろ。反撃の準備は整った」
苺果「えっ!?」
ピヨりん「見つけてきたぜ、おめぇ〜のバディを」
苺果「ほ、本当!?」
苺果「すごいよピヨりん、伊達に黄色くないね!」
ピヨりん「それは褒めてんのか?」
苺果「うふふ・・バディがいれば、決め台詞も合わせられるしぃ」
苺果「合体必殺技とかも作っちゃってぇ・・」
ピヨりん「おうおう、皮算用が捗ってんなぁ〜」
苺果「とにかくもうバケプリには負けないよ!」
苺果「ねえ私のバディどんな人!?」
ピヨりん「そう言うだろうと思ってな、実は呼んである」
苺果「マ!?」
ピヨりん「あまりの衝撃に腰抜かすんじゃね〜ぜ!?」
ピヨりん「カモン、バディ!」
〇炎
ニコタイン「副流會の切込隊長!ニコタイン将軍、推して参る!!」
苺果「・・・・」
苺果「はっ?」
ニコタイン「副流會の・・!」
苺果「いや聞こえなかったわけじゃねえよ」
ピヨりん「どうした。念願のバディだぞ、喜べよ」
苺果「喜べるか!」
苺果「怪人じゃん、副流會の!しかも幹部!」
ピヨりん「あっせえな〜」
ピヨりん「おい、言ってやれよ」
ニコタイン「某、副流會からは抜けたでござる」
ピヨりん「うんうん」
ニコタイン「正義の心に目覚め、魔法少女として生きていくことにしたでござる」
ピヨりん「ほら」
苺果「ほらじゃねええ!」
苺果「絶対嘘だろ!」
ピヨりん「人気だけでなく人を信じる心まで失っちまったか」
ピヨりん「ま、仲良くしろよ二人とも!」
苺果「ちょっと!どこ行くの!?」
「・・・・」
苺果「とりあえず、この背景熱いからやめてくれる?」
苺果「あとこのBGMも、第一話から鳴らすやつじゃねえんだわ」
ニコタイン「承知つかまつった」
〇可愛い部屋
ニコタイン「末永くよろしく頼むでござる、ストロベリー殿」
苺果「ごめん、末永くやる勇気はない」
ニコタイン「さて、一刻も早くチーム名を考えねば、皆に受け入れてもらえぬな」
苺果「チーム名さえあれば受け入れてもらえるつもりなの・・?」
苺果「アンタが味方だってことを皆に納得してもらう方が先でしょ!?」
ニコタイン「・・?」
苺果「なんでわかんないんだよ・・」
エネミー出現!エネミー出現!
ニコタイン「おのれ、出おったか副流會!」
苺果「よくそのテンションで言えるね、それ」
苺果「でもいーよ、どーせバケプリたちに手柄取られるだけだし」
ニコタイン「いや、奴らは今バトル後恒例のお風呂タイム」
ニコタイン「出動に時間が掛かるのは、リサーチ済みでござるよ」
苺果(なにそのリサーチ・・こわ・・)
ニコタイン「参りますぞ、ストロベリー殿!」
苺果「・・チーム名考えてからにしない?」
ニコタイン「そんな暇はござらん!」
苺果「だよねー」
〇大きい交差点
ザ・コールタール「ゲッホ!グオッホォ!オゲェ!」
ザ・コールタール「俺様は副流會幹部のザ・コールタール!」
ザ・コールタール「さあ、スモーキーよ、人間どもからエネルギーを吸うのだ!タバコのようになぁ!!」
「モッキー!」
そこまでだ!!
〇大きい交差点
ニコタイン「某たちが相手だ!」
ピュアストロベリー(他人のフリ他人のフリ・・・)
ザ・コールタール「ニ、ニコタイン様!アナタなんでそっち側に?」
ニコタイン「某はニコタインではござらん」
ニコタイン「正義の心に目覚めた魔法少女・・ピュアニコタインでござる!」
ピュアストロベリー「いやそのりくつはおかしい」
ザ・コールタール「なんだかわかりませんが、邪魔をするなら容赦はしませんよ!」
ザ・コールタール「行け、お前ら!」
スモーキー「え、ニコタイン様!?」
ニコタイン「やるしかないようでござるな!」
ピュアストロベリー(あ、そうだ!)
ピュアストロベリー「ニコタイン!あんたがやりなさい!」
ピュアストロベリー「こっちの味方になったなら、できるよね?」
ニコタイン「望むところでござる」
ピュアストロベリー「そうだよね、昔の仲間に攻撃なんて・・」
ピュアストロベリー「えっ?」
スモーキー「ちょっと待って・・」
ニコタイン「オラァッ!」
スモーキー「モッキィ!」
スモーキー「自分は戦いたくな・・!」
ニコタイン「セイヤァ!!」
スモーキー「ブモッキ!?」
ピュアストロベリー(こいつ容赦ねえ・・)
ニコタイン「元仲間だろうと、戦場で向かい合えば情けは無用と教えてきたでござる」
ピュアストロベリー「それ忠実に守ってるのあんただけだよ」
ザ・コールタール「相変わらずデタラメな強さ・・」
ニコタイン「あとはお前一人でござる!」
ザ・コールタール「こうなったら!」
ピュアストロベリー「きゃあっ!?」
ザ・コールタール「つっかま〜えた」
ピュアストロベリー「やめて、離して!!」
ザ・コールタール「ぐふふ、君はてんで弱いようだねぇ〜」
ザ・コールタール「さあニコタイン様、この子の命が惜しくなければ攻撃しなさい!」
ニコタイン「・・・・」
ピュアストロベリー(ま、まさかコイツ、私ごと攻撃したりしないよね・・・?)
ニコタイン「某、貴様程度に負けるような人間をバディに選んだつもりはござらん」
ニコタイン「ここで終わるようなら、その程度だったということでござるな」
ピュアストロベリー「・・え?」
ザ・コールタール「えっ?」
ピュアストロベリー「帰った?あいつマジで帰った?」
ザ・コールタール「そうらしいスね」
ピュアストロベリー「・・ふ」
ザ・コールタール「ふ?」
〇キラキラ
ピュアストロベリー「ふざけんなあああああ!!」
ザ・コールタール「な、なんだこの力はァ!?」
ザ・コールタール「う、動けぬ・・!!」
ザ・コールタール「うぼあああ!!」
〇大きい交差点
ピュアストロベリー「はあ、はあ」
ニコタイン「お見事。勝負あったでござるな」
ピュアストロベリー「お前ほんといい加減にしろ!」
ピュアストロベリー「あそこは葛藤しつつも機転を効かせて、私を助けながら敵も倒しとけよ!」
ピュアストロベリー「運良く私が覚醒しなかったら、どうなってたことか──」
ピュアストロベリー「──あれ?」
ニコタイン「某の思っていた通りでござる」
ニコタイン「ストロベリー殿は弱小のように思われていたが、それは誤り」
ニコタイン「隠された力が眠っているだけ・・・某はそう睨んでいたでござるよ」
ピュアストロベリー「隠された、力・・」
ピュアストロベリー(ドラゴンボールみたいな発現だったけど・・)
ニコタイン「某の目に狂いはなかった」
ニコタイン「貴殿となら、共に副流會を打ち倒せる」
ニコタイン「某と一緒に、戦ってくださるな?」
ピュアストロベリー「でも皆、私のことなんか忘れてて・・」
オタク「おい、見たかよみんな!!」
おねえさん「すっごく強かったぁー!」
ピュアストロベリー「皆・・!」
ニコタイン「観衆は、忘れてなどいなかったようでござるな」
ピュアストロベリー「・・仕方ないわね、手を組んであげる」
ニコタイン「おお!」
ピュアストロベリー「ただし!戦闘中も私をちゃんと立てること!」
ピュアストロベリー「皆からピュアストロベリーの人気を取り戻さないと意味ないんだからね!」
ニコタイン「ふ、承知のすけでござる」
ニコタイン「改めて、よろしくお頼み申す」
ピュアストロベリー「・・よろしく」
こうしてここに、一組の魔法少女バディが誕生したのだ。
そう、これは──
オタク「ピュアニコタイン!ピュアニコタイン!」
おねえさん「ピュアニコタイン、かっこいいー!」
ピュアストロベリー「っておめえだけかよ!」
私とニコタインが、「真の敵」になるまでの物語。
〇魔法陣のある研究室
副流會アジト
ザ・コールタール「ぐ、ふぅ・・!」
ザ・コールタール「ぬかったわ・・あの魔法少女の力はまるで・・!」
???「おや、手ひどくやられたようですねぇ」
ザ・コールタール「おお、■■殿!すまないが治療を・・!」
???「残念」
ザ・コールタール「な、何を・・!?」
???「君たちは、私の実験台になってもらうのだよ・・」
???「クヒャーハッハッハ!!ハッハハハハ!!」
──続く
〇華やかな広場
ピュアストロベリー「渋々バディを組むことになった私とニコタイン」
ピュアストロベリー「でも、決め台詞も必殺技も何にも揃わないよ〜どうすんの!?」
ピュアストロベリー「そんな時に副流會まで現れて、もー大変!」
ピュアストロベリー「あれ、なんかあいつら様子おかしくない?」
ピュアストロベリー「次回、「二人で一つ、ニコ&イチ」!」
ニコタイン「次回も、ストロベリベリ❤️ハッピー☆」
ピュアストロベリー「お前が言うんじゃねえよ!」
テンポが良くて楽しかったです!
ただのドタバタではなく、しっかり裏設定が作り込まれていそうで先が気になりますね☺️
主人公の、ヒヨコの黄色を褒めるノリや容赦ないツッコミが好きです。
タイトルデザインなども可愛くて良かったです💕
福流會って…アナタは天才か!(めっちゃ吹きました)
ウチの母が電子じゃないタバコ派なので、ネタがことごとくツボに_:(´ཀ`」 ∠):
肺の健康は大切にね!(謎の声援)
(あと作者さん、三十路で魔法少女はまだ大丈夫!某まどマギの脚本家さんは、その上の年代の方ですし!)
テンポも演出も展開も、すごく面白かったです。勉強になりました。