アルカイック✛スレイヤー〜死語退散!!〜

ゆきんこ

第4話 飲みにケーションはパワハラか!?(脚本)

アルカイック✛スレイヤー〜死語退散!!〜

ゆきんこ

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〇学校の校舎
  許せない
  一体、誰!?

〇図書館
  アルカイックを横取りするのは──?

〇保健室
  アルカスレイヤーはこの学校に、2人もいらない!

〇教室
優子(ゆうこ)「うーん・・・」
ミサ「チャンゆう! 悩みはボクに相談したまえ!」
フトシ「『ミサだけには相談したくない』っていう、チャンゆうの心の声を代弁!」
ミサ「フトシ、てめー!」
優子(ゆうこ)「ちょうど2人に相談したかったの。 良かったら聞いてほしいな」
優子(ゆうこ)「昨日、生徒会室に『昭和ヲタク部』から、経費値上げのクレームが入ったの」
ミサ「いかにも面倒くさそーな部活名だね!」
フトシ「必要経費上げろって、どんな活動内容なんだろ」
優子(ゆうこ)「今日はね、それを調査に行かなくてはならないの」
優子(ゆうこ)「1人じゃ心細いから、ミサとフトシも来てくれないかな?」
ミサ「おけまる! 心の友よ、泥船に乗ったつもりでいたまえ!」
フトシ「泥船じゃ沈むだろ!」

〇学校の部室
コハル「ようこそ昭和ヲタク部へ。 私が部長の新垣コハルよ」
優子(ゆうこ)「会計の真下優子です。 今日は部活動の活動調査ということで、よろしくお願いします」
優子(ゆうこ)「こちらは文科系の部活と聞いていまして、その範囲内の予算を計上しているのですが・・・」
優子(ゆうこ)「それでは足りないんですよね?」
優子(ゆうこ)「一体、何に経費を使うのでしょうか?」
コハル「フフッ。この動画をご覧あれ」

〇古風な和室
コハル「今日は昭和のお宝を見せていただけるんですよね?」
おじさん「まあ、見てけんろー」
コハル「昭和の大スター、櫛引アキラのブロマイド!」
コハル「昭和のオーストラリア土産といえばコレ!!コアラの置物!」
コハル「そして・・・」
コハル「映画STAR★BOSEのRC+2! しかもナンバーの刻印入りは、数量限定!」
コハル「マニア垂涎のレアモノです!」
おじさん「ぜ、全部当たっとる!」
おじさん「お嬢さん、あんた本当はトシいくつなの!?」
コハル「おじさん、『全て』買い取らせてください!!」
おじさん「ひょえ〜!!」
おじさん「気に入ったべよ! 今度、オラと飲みにケーションして、昭和を語ってけろ!」
コハル「私、高校生です!」
コハル「それに、プライベートに踏み込まれるのは、NOサンキューです!」
おじさん「ガックシ!!」
おじさん「もっと昭和のこと語り合いたかったのに・・・トホホ」

〇学校の部室
コハル「──というワケで、昭和コレクションの買い付けに経費がかかるわ」
コハル「あと10万は欲しいわね!」
優子(ゆうこ)「そ、そんなのムチャクチャです! だいたい、これって個人的なお買い物ではありませんか?」
コハル「昭和を知り、昭和を愛し、昭和を買う!」
コハル「その活動にイチャモンつけるなんて、いい度胸じゃないの」
コハル「妖怪ケチケチオババって呼ぶわよ!」
「ケチケチオババ・・・!?」
ミサ(死語っぽいもの連発してる! アルカスマホ教室に置いてきて良かった〜)
ミサ(てゆーか、ここまで死語を使うなんて、コハルはもしかして、アルカイックに憑依されてるのかな?)
ミサ(ま、今回はチャンゆうの応援だから、それに専念しよ!)
ミサ「コハル、アタオカ!」
コハル「ウッ、私が最も苦手な生物、ギャル!」
コハル「なっ、何なのよ」
ミサ「どこの部活も決められた予算内でやりくりしているのに、アンタの要求は度を超しすぎだよ」
コハル「あなたみたいな、や、やりらふぃー?にはわからないわ。 私には崇高な使命があるのよ」
コハル「アルカイックマスターに、私はなる!」
ミサ(エエッ!同業者!?)

〇女性の部屋
ミサ「──てなわけで、どうやらコハルはアルカスレイヤーのようなんだけど・・・」
ミサ「そもそも、アルカスレイヤーって死んだ人じゃなくてもなれるの?」
天使「初耳だ」
天使「もし、生きた人間をアルカスレイヤーにしているとしたら、」
天使「それは重大な犯罪であり、管理局に対する裏切り行為」
天使「個人の信用に関わる案件だな」
天使「すぐに管理局長に報告し、調査に入ろう!」
ミサ「え〜!!?」
ミサ「ミサなんかより死語詳しいし、やる気スイッチ満載だし、コハルはアルカスレイヤー向いてるよ?」
天使「そんな簡単なモノじゃない! 生身の肉体はアルカイックの影響を受けやすいんだ」
天使「もし、生身の肉体が何度もアルカイックに遭遇し、攻撃を受けた時」
天使「コハルの魂はアルカイックと融合し、分離できない最悪なモンスターを作り出してしまうだろう!」
ミサ「やばたにえん! コハルが危ない!!」

〇古風な和室
おじさん「お嬢さん、今日も来てぐれだの! 毎回毎回、うちの不用品を買い取ってぐれて、悪いね〜」
コハル「イエイエおじ様。 今日はお宝以外にも興味をそそられるものがありまして・・・」
おじさん「このうちに不用品以外にもお嬢さんの興味をそそるモンなんかあったべか!?」
おじさん「まさか、オラに惚れたのかな? ワハハ!」
コハル「ええ。 ある意味──その通りですわっ!」
おじさん「愛の告白にしては、危なっかしいのう!!」

〇モヤモヤ
  飲みにケーション!
  飲みにケーション!

〇古風な和室
コハル「自分からオジサマと離れてくれるなんて、助かるわ」
  怨念化したアルカイックを確認しました。『飲みにケーション』
  サーチして下さい。
コハル「フン、私くらいになると、サーチしなくても理解しているわ」
コハル「『お酒を飲む』と『コミュニケーション』の合成語よ!」
コハル「さあっ、観念の時間よ!」
アルカイック「オマエの魂が透けてみえるぜ」
アルカイック「何回、同志たちの攻撃を受けたんだ?」
コハル「昇天するものに、話す義務はありません!」
アルカイック「ヒャヒャ! まだ分かっていないようだな」
アルカイック「オヤジの身体に憑依するより、オマエの魂と融合したほうが、もっと暴れられそうだぜ!」
コハル「な、なんですって!?」
コハル「アルカソード!」
コハル「あっ!」
コハル「アルカソードが砕け散った!?」
コハル「アルカケアラー! どうしたらいいの!?」
  アルカケアラーからの応答はありません。
コハル「いやアアアアアアアア!!!!」
  メ、メヲ、ヤラレタ!!
  ダレダ!?
  オレのジャマをするのは!?

〇古風な和室
ミサ「アルカスレイヤー、ミサ見参!」
ミサ「『飲みにケーション』を神サーチ!」
  飲むとコミュニケーションの合成造語。
  居酒屋などに集合し、本音で話をするための場。
  一方、部下に説教したり会社の中には強制参加を推奨しており、パワハラ、アルハラであるなどの意見も多数。
  ナ、ナンダソノ剣ハ!
  サッキノ女トハ比ベモノにナラナイ!!
ミサ「パワハラ許せん!」
ミサ「怨念退散!!」

〇モヤモヤ
  タダ・・・若イコタチト、ナカヨクシゴトガシタカッタダケダッタ・・・
  気ヅカセテクレテ、アリ・・・ガト

〇舞台下の奈落
アルカケアラー「フギャアアアア!!」
?「逃げるつもりか?」
アルカケアラー「お、俺はアンタの言うとおりにしただけだ! 共倒れはゴメンだぜ」
?「消えろ」

〇学校の部室
コハル「この間は、助けてもらってありがとう!」
コハル「ギャルを偏見の目で見ていたこと、後悔したわ!」
コハル「そして、ミサさんのほうが、アルカスレイヤーとして相応しいと認めます!」
ミサ「逆にテレる!」
コハル「一つ、お願いがあるの」
コハル「あなたには、私の夢を叶えてほしい!」
コハル「そのためには・・・私の昭和の知識、全てをあなたに捧げます!」
ミサ「どど、どうやって?」
コハル「放課後、毎日この部室に来てもらえれば、終電ギリギリまで昭和の講義をさせてもらいます!」
コハル「それが、あなたが1番早くアルカマスターになる道かなって思って!」
天使「それはいい。そうしなさい そうするべきだな、うん」
ミサ「ムリムリムリムリ!勉強キライ!!」
ミサ「あばよ!」
  Fin

次のエピソード:第5話 最凶インフルエンサー、メレ登場!

コメント

  • 毎回ワードチョイスの面白さ(「懐かしさ」とは絶対に言わないようにしてます)を楽しんでいましたが、物語の本筋でも何やら面白そうな展開が。いろんな意味で目が離せないですね!

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