入れ替え令嬢になる条件は恋愛禁止を貫くことです?

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第10話「日々を色鮮やかにしてくれる人」(脚本)

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〇カウンター席
フェミリー・コール(って、そんなに何度も何度も魔法の誤作動があるわけがない!)
フェミリー・コール(これって、もしかしてもしかしなくても私の身に危機が迫ってるってことだよね?)
アーロイ・メレディ「フェミリー」
フェミリー・コール「チート能力があるから、破滅エンドを迎えることはない・・・・・・」
フェミリー・コール(婚約破棄からの国外追放とか!?)
フェミリー・コール(いやいや、婚約破棄を宣言するのは私じゃなくてアーロイ様の方・・・・・・)
アーロイ・メレディ「熱はなさそうだな」
フェミリー・コール「えっ」
  どこかの少女マンガで読んだことのあるような展開。
  席から立ち上がったアーロイさんは額と額を重ね合わせて、私の体温を確かめてくる。
フェミリー・コール「え、あ、あの、アーロイ様・・・・・・」
アーロイ・メレディ「熱以外に原因があるなら、医者を呼んで・・・・・・」
フェミリー・コール「大丈夫です!」
フェミリー・コール「私なら、健康体そのものですから!」
フェミリー・コール(少女マンガの中でしか見ないような出来事が現実に起こるなんて・・・・・・)
フェミリー・コール(もしやアーロイ様は、乙女ゲームに登場する攻略キャラクターの1人では・・・・・・)
フェミリー・コール「ご心配をおかけして、大変申し訳ございませんでした・・・・・・」
フェミリー・コール「頭の中で妄想が膨らんでしまって・・・・・・」
アーロイ・メレディ「・・・・・・・・・・・・」
フェミリー・コール(やっぱり怒ってるよね?)
フェミリー・コール(人の話を碌に聞かない私は、このあと婚約破棄を告げられることになる・・・・・・)
フェミリー・コール「んっ」
  口の中に広がる優しい甘さに、ただただ感動した。
  おとなしくなった思考は、目の前に用意されたパンケーキ風の食べ物をゆっくりと咀嚼していく。
アーロイ・メレディ「すまなかった」
  恐らくアーロイさんが謝罪されている理由は、私が話をしている最中にケーキを差し出してきたこと。
  無理矢理、口の中にケーキを押し込められた。
  乱暴な言い方をすると、そうなってしまうけれど・・・・・・
フェミリー・コール「アーロイ様のおかげで、嫌な妄想が吹っ飛びました!」
  美味しい食べ物は、世界を救う。
  大袈裟な発想かもしれないけれど、現に私は美味しい美味しい異世界のお菓子に思考を救ってもらった。
  無理にでもケーキを口に運んでくれたアーロイさんのおかげで、いつもの私らしさが戻ってきたような気がする。
フェミリー・コール「私はアーロイ様に救われてばかりですね」
アーロイ・メレディ「そんなことはない・・・・・・」
フェミリー・コール(私が転生する前のフェミリーに救われたってことかな?)
アーロイ・メレディ「フェミリーがいなかったら、今の自分はここにいない」
フェミリー・コール(昔の私は、きっとアーロイ様の役に立つことができたってことだよね?)
フェミリー・コール「魔女と呼ばれている私でも、アーロイ様のお役に立てたのなら光栄です」
  転生する前のフェミリーの記憶が曖昧ではあるけど、アーロイさんの言葉を信じていけば大丈夫な気がする。
フェミリー・コール「では、楽しいお茶の時間に戻りましょうか」
アーロイ・メレディ「ああ」
  昔の私は、きっとアーロイさんの幸せのために行動することができた。
  だったら、転生後の私だってアーロイさんを幸せにすることができるはず。
  こんなにも私に優しくしてくれるアーロイさんを、絶対に幸せにしてみせる!
  改めて覚悟の決まった私は、アーロイさんとのお茶の時間を楽しんだ。

次のエピソード:第11話「異世界転生すると決めたなら、それ相応の覚悟を持って挑みましょう」

コメント

  • 美味しいものは世界を救う!彼女の心細さが伝わる言葉ですね……(;_;)
    美味しいものを食べて、決断を新たにするフェミリー。頑張って欲しいです〜!
    続きも楽しみにしています(^^)

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