パシリ屋小走駿太郎

芹川サンキュー

エピソード6(脚本)

パシリ屋小走駿太郎

芹川サンキュー

今すぐ読む

パシリ屋小走駿太郎
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇大学病院

〇病室
小走駿太郎「あれ? 爺ちゃんは?」
只野太「退院したのかな?」
小走駿太郎「んなことあるか。 俺らが運んで来たの数時間前だぞ」
武井早希「・・・・・・」
小走駿太郎「あ、先生」
伊吹勤「君は確か」
小走駿太郎「山本の爺ちゃんはどこ行ったの?」
伊吹勤「山本さんは・・・あのあと容体が悪化して」
小走駿太郎「死んだの?」
伊吹勤「いや、一命は取り留めたよ」
伊吹勤「今は集中治療室にいる」

〇病院の廊下
小走駿太郎「あーあ。せっかく孫連れてきたのになー」
武井早希「・・・・・・」
只野太「山本さん、大丈夫かな」
小走駿太郎「爺ちゃん、きっと死ぬ前に娘に会いたいだろうなー」
小走駿太郎「こりゃもう、吉永麻衣本人に」
武井早希「嫌です」
小走駿太郎「このままでいいのかよ。 爺ちゃんも婆ちゃんもこのままじゃ成仏できねーぞ」
武井早希「祖母は幸せでした!」
  睨み合う小走と早希。
只野太「まあまあ、武井さんも駿ちゃんも」
只野太「ほら、座って。ここ病院だし」
小走駿太郎「だってこいつが母ちゃんに合わせてくれりゃあ全部解決すんだぜ」
武井早希「・・・・・・」
只野太「武井さん、もし良ければ話してくれないかな」
只野太「お母さんのこと」
武井早希「話すことなんてありません」
武井早希「あの人は私と父を捨てたんです。 もう母親だとも思ってません」
武井早希「顔も見たくないんです」
小走駿太郎「お前が会いたくなくても、向こうは会いたがってるかもしれねーじゃんか」
武井早希「そんなはずはありません」
小走駿太郎「だからなんでそうやってなんでもかんでも勝手に決めつけんだよ」
武井早希「なんなんですかあなたは!」
武井早希「なんで私の家族にそんなに顔を突っ込むんですか! こっちにはこっちの事情があるんです」
小走駿太郎「・・・・・・」
武井早希「もう、ほっといてください」
小走駿太郎「あーそうかよ。 一生そうやって意地張ってろっつーの」
只野太「ごめんね武井さん。 悪気があるわけじゃないんだ」
只野太「でも、駿ちゃん、家族のことになるといつもああなっちゃって」
武井早希「え? どういうこと?」
只野太「僕たちの生まれ育った環境に問題があってね・・・」

〇駐車スペース
小走駿太郎「おい早希。行くぞ」
武井早希「行くってどこに?」
小走駿太郎「どこって母ちゃんのとこに決まってんだろ」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:エピソード7

ページTOPへ