〇草原の道
ロワン「城が僕らの上を通り過ぎたとき 城の底に描かれていた紋章が見えた？」
ニュイ「うん。何だか不気味な形だった」
ロワン「あれは・・・ 闇の王の紋章だ」
ニュイ「ええっ!?」
ロワン「間違いない そんなものがどうしてお城の底に・・・」
ニュイ「そういえば前にパパが言ってたんだけどね」
ニュイ「大きなお城を建てるのって 何年もかかるはずなのに」
ニュイ「ミューリア城は、不思議なくらい あっという間にできあがったんだって」
ロワン「ふむ・・・」
ロワン「お城が動いたことと 何か関係があるのかもしれないな」
ニュイ「・・・・・・」
ロワン「・・・・・・」
ニュイ「ねえ、ロワン」
ニュイ「お腹が空いたら遠慮なく言ってね」
ロワン「ニュイ、君はもっと自分を大切にしなさい」

〇荒野の城壁
　　ミューリア城下町・外壁前

〇野営地
パパ「おや、サンク 今までどこに行っていたんだ？」
ママ「あ！　あなた！」
パパ「ニュイ！　帰ってきたのか!?」
ママ「ロワニアはどうだったの？ 危ないことはなかった？」

〇野営地
ニュイ「パパ！　ママ！ 大丈夫だよ」
ニュイ「怖いことなんてなかったし 嫌な人にも会わなかったよ」

〇野営地
ニュイ「それでねそれでね！ 地図を見つけてね！」
ロワン（危険だった部分を全部隠して 楽しい宝探しの話に作り変えてる）
ロワン（ニュイは何を守っているんだろう・・・？）

〇テントの中
ニュイ（明日は王墓の探険だ・・・）
ニュイ（前に行ったときはいろいろあったけど ロワンと一緒なら怖くないや）

〇野営地
パパ「ロワンさん、少しよろしいですかな」
パパ「ニュイをここまで 守ってきてくださったこと」
パパ「心から感謝しています」
パパ「ですがどうかこれ以上」
パパ「ニュイを危ない目に 遭わせないでもらいたいのです」
ロワン「・・・はい」
パパ「申し訳ありません 本来ならば私が・・・」
ロワン「怪我人が動いてはダメです」
パパ「・・・気づいておられましたか・・・」

〇テントの中
デューヌ姉さん「（ゆさゆさ）」
ニュイ「う～ん・・・」
デューヌ姉さん「（にこっ）」
ニュイ（デューヌ姉さんは お城が動いたときにケガをして）
ニュイ（生きているのに魂が 体から抜け出してしまった）
ニュイ（デューヌ姉さんの魂は ほかの二人の姉さんたちと一緒に）
ニュイ（動くお城の中に いるはずだけど・・・）
ニュイ「デューヌ姉さん、戻ってこれたの？」
デューヌ姉さん「クスクスクス・・・」
ニュイ「あ！　待って！」

〇けもの道
ニュイ「デューヌ姉さん・・・ どこへ行くのさ・・・？」
ニュイ「この森は危険だよ ダークドヴェルグが出るんだ」
ニュイ「本当だよ！ ぼく、こないだ襲われたんだ！」
デューヌ姉さん「へぇ・・・ キミ、食べられたの？」
ニュイ「怖がる心を、って話だよね？ たぶん」
ニュイ「あ！　でも、少しだけだよっ！」
デューヌ姉さん「いいナ・・・ キミ、おいしそうだもんね」
ニュイ「デューヌ姉さん!?」
ニュイ「息をしていない・・・！ 何で・・・!?」
ダークドヴェルグ「ウヒャヒャ!!」
ダークドヴェルグ「ウヒュヒャヒャヒャ!!」
ダークドヴェルグ「悲しメ悲しメ！ オマエの姉は、もう帰らなイ！」
ダークドヴェルグ「怖がレ怖がレ！ オマエはここから、もう帰れなイ！」
サンク「ニャー！」
ニュイ「サンク！」
サンク「敵が多すぎるワネ」
ニュイ「サンクがしゃべった!?」
サンク「その話はあとにシテ 逃げるワヨ！」
ニュイ「待って！　デューヌ姉さんが・・・！」
デューヌ姉さん「ウヒュヒャヒュヒャヒュヒュヒャ!!」