ばあちゃんレスキュー!きゅん♡クエスト

羽遊ゆん

2.やっちゃった!(脚本)

ばあちゃんレスキュー!きゅん♡クエスト

羽遊ゆん

今すぐ読む

ばあちゃんレスキュー!きゅん♡クエスト
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇車内
間宮貴史「予定より早いお迎えですみません。 ランチまで少しドライブもいいかなと思いまして」
香坂瑠奈「わ! いいですね♪ ドライブ好きですよ」
間宮貴史「それはよかった!」
間宮貴史「瑠奈さん、今は一人暮らしでしたよね?」
香坂瑠奈「あ、ええ、そうです」
香坂瑠奈「母を早くに亡くして、父は仕事で海外なので」
間宮貴史「女性の一人暮らしは心配ですね・・・ 今まで危ないことはありませんでしたか?」
香坂瑠奈「・・・ええ、特には。 防犯に関しては、父からしっかり教え込まれましたから」
間宮貴史「そうですか。 もし困ったことがあれば、私に連絡してくださいね」
香坂瑠奈「あ、はい♪ ありがとうございます」
香坂瑠奈(・・・間宮さん、腕力なさそうだし。 連絡することは、多分ないかな)
香坂瑠奈(あ・・・ばあちゃんのこと、きいてみよう)
香坂瑠奈「あの・・・間宮さん。 『ロマンス欠乏症』についてきいてもいいですか?」
間宮貴史「ええ、どうぞ?」
香坂瑠奈「珍しい病気なんですよね? なんで祖母は『ロマンス欠乏症』になってしまったんでしょうか?」
間宮貴史「志津さんは、愛され続けた人生だったようですね」
香坂瑠奈「あ、そうかもしれません。 昔からモテて仕方がなかったって・・・」
香坂瑠奈「いつも祖父と一緒で、ラブラブでした」
間宮貴史「おそらく不調になり始めたのは、志津さんのご主人が亡くなられてからだと思われます」
香坂瑠奈「ああ、ここ何年かで具合が悪くなったって言ってました」
間宮貴史「志津さんの場合、愛されていることが普通なんです。それが、ご主人が亡くなったことで、ときめきが足りなくなってしまった」
間宮貴史「志津さんほど愛に恵まれた人は、めったにいないんでしょう。だから『ロマンス欠乏症』になってしまった」
間宮貴史「それにしても、志津さんは運がいい。瑠奈さんというテレパシーと心が通じる相手がいるんですから」
香坂瑠奈「私がいなかったら、治る見込みはなかったってことですか?」
間宮貴史「そうですね。夢を見せてときめきを与えるとか・・・ なかなか難しいでしょうね」
香坂瑠奈「そうなんですね。良かった、祖母と通じることができて・・・」
間宮貴史「あ!瑠奈さん、外、見てください!」
香坂瑠奈「・・・え?」
香坂瑠奈「うわ~! すごい♪」
間宮貴史「この景色を瑠奈さんに見せたくて。 ・・・喜んでもらえて良かったです」
香坂瑠奈「ひまわり好きなんです♪ 間宮さんありがとうございます」
香坂瑠奈(間宮さん、私のこと考えてくれてたんだ 嬉しいな)

〇海岸線の道路

〇車内
間宮貴史「もうすぐ、目的地につきます」
香坂瑠奈「はい♪」

〇海辺
香坂瑠奈「ハンバーガーのフードトラック?」
間宮貴史「ええ。 海を見ながらハンバーガー、良くないですか?」
香坂瑠奈「いいですね♪ ハンバーガーって街中でしか食べたことないです」
香坂瑠奈(おもしろ~い♪ 間宮さんって意外と私と波長が合うかも)
間宮貴史「さあ、食べましょうか!」
香坂瑠奈「うっわぁ~♪ 美味しそう!」
香坂瑠奈「んん!?」
香坂瑠奈「美味し~い♪ いつも食べるハンバーガーと違う!」
間宮貴史「具材にこだわったハンバーガーらしいですけど、ロケーションも関係してるかもしれませんね」
香坂瑠奈「ですね♪ 連れてきてくださってありがとうございます」
間宮貴史「いいえ・・・瑠奈さんが喜んでくれるだけで、私も嬉しくなります」
香坂瑠奈「え!?」
香坂瑠奈「そう、なんですか?」
香坂瑠奈(あ~・・・ なんだか顔がほてっちゃう!)
香坂瑠奈「な、なんか! 今日は特に暑いですね!」
間宮貴史「あ! ドリンクもありますからね」
香坂瑠奈「は、はい! ありがとうございます」
間宮貴史「ブラックのアイスコーヒーでしたけど、大丈夫でしたか?」
香坂瑠奈「はい♪ ブラックコーヒー、好きです。 カフェオレとかも飲みますけど♪」
間宮貴史「そうですか」
香坂瑠奈「間宮さんは、なにかダメなものはあるんですか?」
間宮貴史「あ・・・えっと、その」
間宮貴史「・・・ピ」
香坂瑠奈「ぴ?」
間宮貴史「・・・ピーマン、です」
香坂瑠奈「ピーマンですか!」
香坂瑠奈「あはは! 間宮さん、子供みたい!」
間宮貴史「で、ですよねぇ。 そういう反応されると思いましたよ」
香坂瑠奈「あ! ごめんなさい! バカにしたわけじゃなくって・・・」
香坂瑠奈「なんだか、可愛いなぁって思っちゃって」
間宮貴史「はは! 可愛いですか」
香坂瑠奈「あ! 私、ピーマン嫌いの人でも食べられる裏技知ってますよ!」
香坂瑠奈「料理得意なんで、今度つく・・・」
香坂瑠奈(は! 私ってば、なに言おうとしてるの! 間宮さんは、ばあちゃんを治すために付き合ってくれてるだけなのに!)
香坂瑠奈「ああーっと、なんでも、ないです!」
間宮貴史「そうですか」
  私は、気まずさを紛らわせるために、ハンバーガーを勢いよく口に運んだ
香坂瑠奈「ホ、ホントに美味しいですよね!」
間宮貴史「あ! 瑠奈さん。 口元にケチャップが・・・」
  間宮さんの手が、私の口元に伸びてきた
香坂瑠奈(やばっ! 手、振り払っちゃった!)
香坂瑠奈「ご! ごめんなさい! 虫がいて!」
間宮貴史「・・・いえ」
香坂瑠奈(あーん! も~!)
  私は、残りのハンバーガーをパクパクっと食べつくした
間宮貴史「ああ! 瑠奈さん! また口にケチャップ!」
  再び、間宮さんの手が、私の口元に伸びてきた
香坂瑠奈(あ! またやっちゃった!)
香坂瑠奈「も・・・もう、虫が多くて困りますね!」
間宮貴史「そう、ですね」
香坂瑠奈(ん、もう! ちょっと場所を変えよう)
  私は、ナプキンで口元を綺麗にして、立ち上がった
香坂瑠奈「間宮さん、食べ終わったら、砂浜を少し歩きませんか?」
間宮貴史「ええ、いいですよ♪」

〇海辺
香坂瑠奈「わ♪ あはは! 砂がフカフカで歩きにくいけど、楽しい♪」
間宮貴史「足元、気をつけてくださいね! 転んでしまいますよ」
香坂瑠奈「大丈夫ですよ~♪」
香坂瑠奈「あ!」
香坂瑠奈(やばっ! 転びそう!)
間宮貴史「瑠奈さん!」
  とっさに差し伸べた、間宮さんの手が、私の肩にふれた
香坂瑠奈「は~~! どりゃ~~!」
香坂瑠奈「・・・は!」
香坂瑠奈「また、やっちゃったあああ!」
香坂瑠奈「わーん! 間宮さ~ん!」
間宮貴史「い、たたた・・・」
香坂瑠奈「間宮さん・・・大丈夫ですか?」
間宮貴史「あ・・・ええ。 砂浜で、柔らかかったのが幸いでした」
香坂瑠奈「ほんっとうに! ごめんなさ~い!」
間宮貴史「大丈夫ですから・・・気にしないでください」
志津ばあちゃん「瑠奈ちゃん・・・出ちゃったわねぇ」
香坂瑠奈「ばあちゃ~ん! わぁーん!」

〇車内
  帰りの車内
香坂瑠奈「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさーい!」
間宮貴史「瑠奈さん、大丈夫ですから」
香坂瑠奈「私、父から格闘技、というか護身術をスパルタ指導されていて、ふいに男性にふれられると反射的に攻撃してしまうんです」
香坂瑠奈「この体質のせいで、今まで男性と付き合うことができなくて恋愛経験ゼロ、なんです」
間宮貴史「本当に、気にしないでください」
間宮貴史「ただ少しだけ首を痛めてしまったので、残念ですが、今日はこれでお開きにしましょう」
香坂瑠奈「・・・はい」

〇一戸建て
香坂瑠奈「私のせいで、ごめんなさい」
香坂瑠奈「あの・・・ちゃんと病院で診てもらってくださいね」
間宮貴史「ええ」
間宮貴史「また、ご連絡します」
香坂瑠奈「・・・はい」
香坂瑠奈(はぁ・・・本当に私ってば)
間宮貴史「・・・・・・」
  ー To Be Continued ー

次のエピソード:3.嫌われちゃった?

コメント

  • やらかしは、そういう方向でしたか!www
    確かに間宮さん呼ばなくて大丈夫そうですねw
    海でハンバーガー、おいしそうでした💕

  • パリィ(払い)の動作(スチル)が完全に武人のものでしたね…
    そして首にダメージを与える投げは、柔道の様なスポーツとは違う殺意の高い攻撃……

    果たして、おばあちゃんを救うまで彼の体は持つだろうかw

  • 恋愛初心者の瑠奈ちゃんと、天然の間宮さんとのデートシーン、ニヤけてしまうわ笑ってしまうわで表情筋を酷使してしまいました。読んでいる私のほうがきゅんってします!w

コメントをもっと見る(5件)

ページTOPへ