【夏2022②】どこまでが夢?(脚本)
〇美術館
林田晴(ナビゲーター)「続いてはとある人物が見たその夢。 本当にそれは夢ですか?」
〇黒背景
どこまでが夢?──
〇狭い裏通り
里佳は何か気配を感じていた──
里佳は逃げるように早足で歩いていた──
〇血しぶき
〇部屋のベッド
渡木里佳「ハァハァハァ・・・・・・なんだ。夢か・・・・・・」
〇学校の校舎
〇役所のオフィス
坂本京治「渡木先生、どうしたんですか?」
渡木里佳「えっ?」
坂本京治「なんか今日元気ないみたいで」
渡木里佳「すみません。昨夜変な夢見ちゃって」
坂本京治「そうなんですか」
坂本京治「どんな夢か、聞いていいですか?」
渡木里佳「とても怖い夢を。私が学校からの帰り、路地裏を歩いていたら誰かにつけられていて そのまま刺されるっていう・・・・・・」
坂本京治「それは怖いですね・・・・・・でも大丈夫ですよ。僕に話してくれましたし、正夢にはなりませんよ」
渡木里佳「ありがとうございます」
三河数絵「渡木先生、坂本先生、緊急職員会議みたいなので」
渡木里佳「分かりました」
坂本京治「了解です」
〇役場の会議室
校長「先生方に伝えておきたいことがあります」
校長「最近、近辺で殺人事件が相次いでいるようです。警察の方にも見回りはしてもらっていますが子供たちの安全のため、保護者の方に」
校長「お迎えに来ていただこうと思っています」
校長「まぁなんでも、一人で歩いているところを襲われるといった凶悪な事件です」
渡木里佳「・・・・・・」
校長「どうかされましたか?渡木先生」
渡木里佳「いえ」
〇狭い裏通り
渡木里佳「・・・・・・」
里佳は何か気配を感じていた。
坂本京治「渡木先生」
渡木里佳「坂本先生──!!」
坂本京治「校長の話を聞いて少し気になってね 夢のことも言っていたし・・・・・・」
渡木里佳「ありがとうございます・・・・・・」
坂本京治「家まで送りますよ」
〇玄関の外
渡木里佳「わざわざありがとうございました」
坂本京治「いえ・・・・・・」
里佳は眠らされた──
坂本京治「・・・・・・うまくいった・・・・・・」
〇部屋のベッド
ベットで眠っている里佳──
坂本京治「・・・・・・」
〇役場の会議室
校長「本日、渡木先生は体調不良でお休みです」
三河数絵「校長先生、渡木先生と連絡がつかないんです」
校長「連絡がつかない・・・・・・!?」
校長「そんなはずは・・・・・・私は渡木先生と話しましたよ・・・・・・??」
三河数絵「えっ?」
〇部屋のベッド
渡木里佳「なんだやっぱり夢か・・・・・・」
???「違いますよ」
渡木里佳「誰!?」
???「私は死の世界の使いです」
渡木里佳「死の世界の使い!?」
???「あなたは亡くなっています。 それもあなたがよく知る人物に殺害されて」
渡木里佳「えっ・・・・・・!?」
渡木里佳「どういうことなの!?」
???「ご説明しましょう」
???「まずあなたは路地裏で襲われるという夢を見た。そのことを同僚の坂本先生に話しましたね?」
渡木里佳「えぇ」
???「そして職員会議で校長から殺人事件が近辺で多発していると聞いた坂本先生はあなたを家まで送り届けた」
???「玄関前であなたを睡眠スプレーで眠らし、ナイフで刺し殺害・・・・・・そしてあなたは今、夢から覚めたと感じた」
渡木里佳「えっ?待って。あなたの話じゃ私を殺した犯人は坂本先生ってこと?」
???「その通りです」
渡木里佳「まさか・・・・・・そんな・・・・・・」
???「それが、事実です。 坂本先生はあなたに好意を抱いていたようですよ」
???「殺される前に戻りますか? 今の記憶は残ったままです」
渡木里佳「えっそんなことできるんですか?」
???「はい。ただし一つだけ・・・・・・」
???「殺される本当に直前です。 あなたが路地裏で坂本先生と出会うところから」
渡木里佳「戻りたいです・・・・・・少しでもチャンスがあるなら・・・・・・」
???「でももし巻き戻った世界でも殺されてしまった場合、あなたは永遠にそれを繰り返すことになる・・・・・・それでもいいですか?」
渡木里佳「えぇ」
???「では・・・・・・」
〇狭い裏通り
渡木里佳「ここで坂本先生と出会ってはいけない・・・・・・」
里佳は急いで家に向かった──
〇玄関の外
渡木里佳「ふぅ・・・・・・」
???「待っていたよ・・・・・・里佳」
渡木里佳「・・・・・・!!」
〇狭い裏通り
里佳は何か気配を感じていた──
里佳は逃げるように早足で歩いていた──
〇玄関の外
渡木里佳「わざわざありがとうございました」
坂本京治「いえ・・・・・・」
里佳は眠らされた──
坂本京治「・・・・・・うまくいった・・・・・・」
〇部屋のベッド
ベットで眠っている里佳──
坂本京治「・・・・・・」
〇部屋のベッド
渡木里佳「夢・・・・・・!?」
〇黒背景
里佳は今も巻き戻った世界の中で、生き続けているのかもしれない──
END──