姫様は冷徹王子の溺愛をご所望です

朝永ゆうり

第4話 まさかの〇〇大作戦!?(脚本)

姫様は冷徹王子の溺愛をご所望です

朝永ゆうり

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〇貴族の部屋
  アルノと別れ、
  部屋に戻ってきたカレンとハンナ。
  着替えを済ませたカレンに、ハンナは──
ハンナ「もう!アルノさんにすごい勘違いされちゃったじゃないですか!」
カレン「なんかごめん・・・」
カレン「ところで、アルノに何言われたの?」
ハンナ「それは──」

〇華やかな裏庭
アルノ(宮廷画家)「コショコショ・・・」
アルノ(宮廷画家)「気になる人には〜、」
アルノ(宮廷画家)「プチストーカーになるのがオススメ☆」
ハンナ「え!?」
アルノ(宮廷画家)「いつも視界に入っていれば、嫌でも意識する」
アルノ(宮廷画家)「そしたら絶対気になる存在になるって」
アルノ(宮廷画家)「ね?」
ハンナ「そ、そ、そ、」
ハンナ「そんなの無理ですよ〜!!」
アルノ(宮廷画家)「ははっ! でも、男なんてそんなもんだって!」
アルノ(宮廷画家)「じゃ、下描きできたし、俺はこれで!」
アルノ(宮廷画家)「プリンセス、絵画ができたらお持ちしますね」
カレン「ええ」
アルノ(宮廷画家)「健闘を祈ってるよ、ハンナちゃ〜ん☆」
ハンナ「え、ちょ、ま・・・」
ハンナ「はぁ・・・」

〇貴族の部屋
ハンナ「という訳です・・・」
ハンナ「ストーカーとか、本当意味分かんな──」
カレン「それだ、ハンナ!」
ハンナ「姫様?まさか・・・」
カレン「ジークの視界に入る!」
カレン「ジークとは会える時間があまりにも短すぎるから──」
カレン「とにかく、ジークに意識してもらわなきゃ!」
ハンナ「でも、ジーク王子の視界に入るには、ウェルナーさんを突破しないと・・・」
カレン「待てばいいじゃん!」
ハンナ「はぁ?」
カレン「ジークが出てくるまで、待つの」
カレン「ジークが部屋から出てくるときは、いつもそこに私がいる」
カレン「そうすれば、ジークは意識してくれるはず!」
ハンナ「ですが、姫様・・・」
カレン「今日の公務はもう終わりでしょ?」
カレン「行こう、ハンナ!」
ハンナ「ま、またですか〜!?」
ハンナ「ひ、姫様〜!!」

〇洋館の廊下
ウェルナー(専属護衛)「・・・・・・」
「・・・・・・」
カレン(今日は、このままここで待つ)
カレン(静かにしてれば、きっと怒られない!)
ハンナ「姫様、やっぱり帰りましょうよ」
ハンナ「昨日、この部屋には近づくなって言われたじゃないですか〜」
カレン「昨日より20センチ後ろだから大丈夫」
ハンナ「そういう問題じゃないですよ、姫様〜」
カレン「し、黙って!」
カレン「うるさくしてる方が、怒られると思う」
ハンナ「・・・・・・」
ジーク「ウェルナー!」
  サッ──!
ジーク王子「ん・・・?」
ウェルナー(専属護衛)「は、いかがいたしましたか?」
ジーク王子「何か変わったことは?」
ウェルナー(専属護衛)「・・・いえ、特には」
ジーク王子「そうか・・・」
ジーク王子「会議場に移動だ。 少しばかり厄介なことが起きた」
ウェルナー(専属護衛)「はっ」
ウェルナー(専属護衛)「チラッ」
  ウェルナーは、カレンとハンナが隠れた方を一瞬振り返った。
ジーク王子「どうした?」
ウェルナー(専属護衛)「いえ、何でも」
ハンナ「ほ・・・」
カレン「・・・あー!」
カレン「隠れちゃダメじゃん!」
ハンナ「・・・あー!!」
カレン「もう、ハンナったら!」
ハンナ「姫様も隠れてたじゃないですか!」
「・・・・・・」
カレン「策を練り直さないといけない、か」
ハンナ「ですから、私は最初から止めようと・・・」
カレン「戻ろう、ハンナ!」
ハンナ「ひ、姫様〜!!」

〇貴族の部屋
カレン「あーもう!どうしたらいいの!?」
ハンナ「とりあえず、この作戦はやめましょうよ・・・」
カレン「うん。あれだと隠れちゃう、私」
ハンナ「そりゃそうですよ!」
ハンナ「姫様にまた剣が突き付けられたら・・・」
ハンナ「ああ、考えただけで・・・」
カレン「・・・ごめん、ハンナ」
カレン(もう届かないのかな、私の想い)
カレン(思い出してよ・・・ジーク・・・)
ハンナ「姫様は、本当にジーク王子を想っていらっしゃるのですね」
カレン「え?」
ハンナ「とっても真剣なお顔をしていらしたので」
カレン「そう?」
ハンナ「ええ。今の姫様が、この小説の主人公に重なって見えて・・・」
ハンナ「この小説では、主人公は彼に好意を気づかれようと必死でした」
カレン「へぇ・・・それで『甘える』だったのか」
カレン「こちらは甘えるどころか会うことさえ出来ないけどね」
  ──コンコン
アルノ(宮廷画家)「どうも〜☆」
アルノ(宮廷画家)「プリンセスのかっわいいお姿、できましたよ〜☆」
カレン(え、早っ!)
アルノ(宮廷画家)「じゃ~ん☆」
アルノ(宮廷画家)「いいでしょ?ね?」
アルノ(宮廷画家)「それから、これ!」
アルノ(宮廷画家)「頼まれてた絵葉書です」
アルノ(宮廷画家)「誰に宛てるんすか? やっぱりご両親に・・・?」
アルノ(宮廷画家)「あ、ハンナちゃんにはこれ!」
ハンナ「こ、これ!」
カレン「何?これ・・・ぷっ!」
アルノ(宮廷画家)「いいでしょ?」
アルノ(宮廷画家)「ハンナちゃんとウェルナーくんの、寄り添う未来の図!」
アルノ(宮廷画家)「お守りにでもして?」
ハンナ「あ、アルノさん〜っ!」
アルノ(宮廷画家)「じゃあね、ハンナちゃん頑張って☆」
ハンナ「はぁ・・・」
カレン「ふふっ!」
ハンナ「姫様、絶対楽しんでますよね?」
カレン「まっさか〜!」
カレン「さて、ラブレター書くぞ〜」
ハンナ「姫様、ごまかした〜!!」

〇レトロ
カレン(ジーク・・・覚えてる?)
カレン(「愛と幸せに満ちた王国」を一緒に作ろうって、約束を)
ジーク王子(幼少期)「幸せな王国を、一緒に作ろうな!」
カレン(私はね、一緒に、作りたい。 幸せな、未来を)
カレン(私は、ジークに歩み寄りたい。 たとえ、ジークが忘れてしまっていても)
ジーク王子「それ以上近づくなっ!」
カレン(私はあなたと、幸せになりたい)
ジーク王子「戯言を」
カレン(国民の幸せは、私たちの幸せの向こうにあると思うから──)

〇貴族の部屋
カレン(これでよし、と)
カレン「どう、こんな感じで?」
ハンナ「姫様・・・」
ハンナ「姫様ぁ〜!」
カレン「・・・・・・」
カレン「ハンナ、」
  カレンはハンナの肩を、トンっと叩いた。
カレン「一緒に行ってくれる?」
カレン「この手紙、ジークに渡さなきゃ!」
ハンナ「姫様・・・」
ハンナ「はい!」

〇屋敷の書斎
  ──コンコン
ジーク王子「誰だ?」
ウェルナー「私です」
ジーク王子「入れ」
ジーク王子「どうした?」
ウェルナー(専属護衛)「これを、プリンセスと侍女が」
ジーク王子「・・・・・・フッ」
ウェルナー(専属護衛)「プリンセスは何と?」
ジーク王子「くだらん戯言だ」
  ジークは絵葉書を引出しにしまった。
ウェルナー(専属護衛)「・・・いいのか?ジーク」
ジーク王子「構わん」
ジーク王子「それより、戦況はどうなっている?」
ウェルナー(専属護衛)「は、」
ウェルナー(専属護衛)「ジーク王子の読み通り、帝国の軍はブルートから撤退を始めたそうです」
ウェルナー(専属護衛)「しかし、帝国軍の様子が明らかにおかしく・・・」
ジーク王子「4年前と同じ戦法で来ると?」
ウェルナー(専属護衛)「オスカー大佐も、そうおっしゃっておりました」
ジーク王子「そうか・・・」
ジーク王子(4年前・・・)

〇荒廃した街
帝国兵「はあっ!」
町人「いやーっ!」
町人「こっちよ!」
帝国兵「やぁ!」
ジーク王子「もう、ここまで・・・」
ジーク王子「街ごと──」
ジーク王子「街ごと、焼いてしまえば・・・」
ウェルナー(専属護衛)「それでは、民の命の保証が!」
ジーク王子「そんなことは解っている!!」
ジーク王子「だからまずは──」
元大佐「さすが聡明なジーク王子」
元大佐「仰せのままに」
ジーク王子「待て!まだ・・・」

〇荒廃した街
ジーク王子「まだ・・・」
ジーク王子「まだ・・・」
ウェルナー(専属護衛)「ジーク・・・」

次のエピソード:第5話 恋愛小説家との出会い

コメント

  • 国が戦争で危ないときに恋愛脳の幼なじみが迫ってきたら引くかも知れませんね。むしろ戦争に有効な策でも持ってってこいつ優秀だから側に置いとこうくらいのアプローチの方がいいかも…。引き続き読ませていただきます。

  • なんで隠れるのー!と思ったらまさかの天然でした😂でもウェルナーには地味に作戦が効いてるような……w
    絵のプレゼントには噴きましたwwwこれはちょっと、ウェルナーに見つかってしまって欲しいwww
    王子はやっぱり、頭を打ったせいではなさそう……?

  • ジークの涙のわけが、少しずつ見えてきそうですね😣絶対カレンと同じ気持ちなのに、どこまですれ違ってしまうんでしょう😢
    アルノとハンナが意外にいいコンビでは?とか思ったり😊ハンなの恋もどうなっちゃうのかなぁ。ここから一気に読ませて頂きます✨😌✨

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