異世界転生に本格ミステリぶっこんだら、新感覚ざまぁになりました!

高岩唯丑

エピソード4(脚本)

異世界転生に本格ミステリぶっこんだら、新感覚ざまぁになりました!

高岩唯丑

今すぐ読む

異世界転生に本格ミステリぶっこんだら、新感覚ざまぁになりました!
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇幻想2
モリアテ「だって、つまらないんですよ」
モリアテ「人間ってみんな同じような感じで、生まれて必死に生きて、結婚して、子供が出来て、夫婦でそろって老けていって、死ぬ」
モリアテ「・・・・・・あるいはその逆になるのが一定数」
  モリアテは心底呆れたように、深いため息をつく。
  でも、僕に視線を送り、また凶悪な笑みを浮かべて、口を開く。
モリアテ「でも、違う文化で生きてきた記憶を持った人間がそこに現れたら?」
モリアテ「その人間も、その周りの人間も、きっと予想外な人生を歩み始める・・・・・・これまでに見た事のない人間の生き方ですよ」
  モリアテの、光悦に歪んだ笑みがひどく恐ろしく感じて、僕は身震いをする。
  暇を持て余した神の遊び。それによって狂わされる人間は、たまった物じゃない。
ロク「・・・・・・もしかして、モリアテ様の気まぐれで、僕は死んだの?」
  聞くのは怖かった。でも、聞かずにはいられない。僕にはそれを知る権利が、あるはずだ。
  今まで光悦に歪んでいたモリアテの表情が、ただの微笑みへと変わる。それもそれで、恐ろしさを感じる微笑みだった。
モリアテ「知ってどうしますか?」
ロク「それは・・・・・・肯定と取っていいのかな?」
  モリアテの問いかけに、僕は問いかけで返す。そして、流れる沈黙。モリアテは静かに振り返り、背中を見せる。
モリアテ「これも新鮮・・・・・・あなたには期待していますよ」
  はぐらかされた。追及するか。でもしたところで、何も変わらない。むしろ機嫌を損ねて、そのまま死亡ルートも、あり得る。
ロク(今は黙っていた方が得策。でも、いつかは)
モリアテ「はははっ」
  モリアテが突然笑い声をあげて、こちらに体を向ける。心底楽しそうな表情。
モリアテ「やっぱりあなたは良いですね・・・・・・早く見たい、もう待ちきれないです」
  そのモリアテの言葉を契機に、僕の周辺が光り輝き始める。転生が始まったらしかった。
ロク「聞きたい事が沢山あるんだけどね」
モリアテ「もう待ちきれないので」
  モリアテが微笑んで、断じる様にそう言った。おそらく何を言っても無駄。
  自分で、情報を収集していかなければいけないらしい。見知らぬ世界に放り出される身にもなってほしい。
モリアテ「あぁ、いきなり死なれてもつまらないので、魔法の才能はサービスでつけてあげます、モンスターは魔法で、何とかしてください」
ロク「もうちょっと、手厚いアフターサービスしてくれないの?」
モリアテ「あまり手厚くすると、面白くなくなってしまいます」
ロク(本当に神は身勝手だ)
モリアテ「神はそういう物ですよ」
  ニコリと、モリアテが微笑むと、僕を包み始めていた光が、より一層大きくなる。
  モリアテの微笑みが、光に溶ける様に見えなくなっていった。目の前が真っ白になる。僕の意識は眠る様に、消えていった。

次のエピソード:エピソード5

コメント

  • 死んだのが女神様(?)の気まぐれだったとは、驚きました🫢

成分キーワード

ページTOPへ