〇映画館の座席

〇新橋駅前
　　俺は自律型特異地蔵、不動明王地蔵。

〇遊園地
　　南方守護を担当している同級生の軍荼利明王地蔵と遊園地へ遊びに行って

〇メリーゴーランド
　　黒ずくめの地蔵の怪しげな取引現場を目撃した。
　　取引を見るのに夢中になっていた俺は
　　背後から近づいてくるもう一人の仲間に気づかなかった
　　俺はその男に毒薬を飲まされ
　　目が覚めたら・・・

〇メリーゴーランド
　　体が縮んでしまっていた!!

〇研究所の中
　　不動明王地蔵が生きているとヤツらにバレたらまた命を狙われ、周りの地蔵にも危害が及ぶ・・・
　　識者の助言で正体を隠すことにした俺は
　　軍荼利明王地蔵に名前を聞かれてとっさに・・・
　　不動　明夫
　　と名乗り

〇職人の作業場
　　ヤツらの情報を掴むために、父親が地蔵職人やっている軍荼利明王地蔵の家に転がりこんだ
　　ところがこのオッチャン・・・
　　とんだヘボ職人で・・・
　　みかねた俺はオッチャンになりかわり
　　持ち前の手先の器用さで次々と名地蔵を完成させてきた
　　おかげでオッチャンは今や世間に名の知れた名職人

〇研究所の中
　　ではここで、識者が作ってくれたメカを紹介しよう
　　最初は時計型電気銃

〇洋館のバルコニー
　　蓋についた照準器を合わせてボタンを押せば・・・
　　電気針が飛び出し、筋肉を操作して瞬時に拝ませる事が出来る

〇研究所の中
　　必殺のアイテムなら真言力強化蝶ネクタイ

〇高級マンションの一室
　　呪力と妖力で体内のチャクラを刺激し
　　真言の力を極限まで高めてくれる！
不動　明夫「ノウマク サンマンダ バザラダン センダ マカロシャダ ソワタヤ ウンタラタ カンマン」
おじいさん「ぎゃーーーーーー」

〇謎の扉
　　黒ずくめの地蔵達の正体はまだ掴めないけど
　　地蔵の俺よ！待っててくれ！
　　小さくなっても頭脳は地蔵
　　偶像はいつも一つ!!

〇映画館の座席
識者「・・・・・・」
識者「・・・なんだこれは!?」
不動　明夫「何って──」
不動　明夫「自作映画『名地蔵アキオ』だよ!!」
識者（・・・どこから突っ込んだらいいものか・・・）
識者「何故か私が出演しているのだが・・・」
識者「まさかメタモルフォーゼ地蔵か!?」
不動　明夫「ご名答!!」
不動　明夫「軍荼利明王地蔵と僕以外はメタモルフォーゼ地蔵だよ!!」
識者（自律型地蔵が３体も絡んでるのか・・・!!）
識者（フリーの日を与えるとすぐこれだ・・・!! ったく、私を悩ませおって!!）
不動　明夫「どうかな!?結構オリジナリティあると思うんだけど!?」
識者「・・・本気で言ってるのか!?」
識者「完全に某国民的人気漫画の劇場版冒頭だっただろ!!」
不動　明夫「え、その話は地蔵が出るの!?」
識者「くっ・・・地蔵は出ない、出ないんだが・・・」
不動　明夫「じゃあ別物だね」
識者（地蔵以外がすべて一緒なんだよ!!）
不動　明夫「まずはこれをYouTubeにアップして、ゆくゆくは本編撮って全国展開するんだ!!」
識者「ダメに決まってるだろ!! お前らは国家機密なんだぞ!!」
識者「冒頭で正体バラしてるし・・・」
不動　明夫「チェッ・・・折角作ったのに・・・ お蔵入りかぁ・・・」
不動　明夫「まっいいか!!撮影楽しかったし!! 上映会付き合ってくれてありがとね!!」
識者「まったくこいつは・・・」
識者「だが、臍を曲げられてはいかん。ウチの重大戦力だからな・・・」
識者「ところで・・・・・・」
識者「名地蔵ってなんだよ!?」