エピソード1(脚本)
〇モヤモヤ
現代人の悩みの一つ、
それは・・・不眠症
だが、それは悪魔の仕業かもしれない・・・
デビルZ「私は闇の国からやって来た みんなの睡眠を邪魔する悪魔、デビルZ!」
デビルZ「今夜は寝させないぜぇ(Z)!!」
〇マンション群
デビルZ「ふんふんふ〜ん♫」
デビルZ「おっ、マンション。 あの部屋に行ってみようかな〜♫」
デビルZ「ふむふむ」
デビルZ「住んでいるのは 「たくや」という名前のサラリーマンだな」
デビルZは瞬時に住人の情報を
ある程度、把握できる能力を持っていた
〇一人部屋
たくや「ああ、寝られない!」
たくや「明日、大事なプレゼンの日なのに!」
たくや「・・・あっ、そうだ!」
たくや「ホットアイマスク買ったんだ」
たくや「使おうっと」
〇ゆめかわ
たくや「ああ〜気持ちいい〜」
たくや「いける、これは行けるぞ! 眠りの世界へ・・・」
たくや「今度こそ、寝られるはず!」
デビルZ「・・・ふふふ、寝させないぜぇ」
デビルZ「ホットアイマスク封印の術!」
デビルZ「ふんが、ふが!」
〇一人部屋
ホットアイマスクの保温時間は
1分ももたなかった
たくや「えっ、もう冷めたの?はやすぎない!?」
たくや「あぁぁ、寝られないよぉぉ」
たくや「とりあえず、電気つけよ・・・」
〇一人部屋
〇一人部屋
たくや「うわっ、でっかい虫!」
たくやは、殺虫スプレーをかけた
デビルZ「くさっ、やめてぇ」
デビルZ「わしはデビル!虫ではない!」
たくや「虫じゃない!?」
たくや「でも、大きな触角があるし・・・」
デビルZ「それ、角! 私のチャーミングな、つのぉぉぉ!」
デビルZ「私は君の睡眠を邪魔する悪魔、 デビルZだ!」
デビルZ「今夜は寝させないZ(ぜ)!!!」
たくや「・・・」
デビルZ(あれ、決め台詞、聞こえてない?)
デビルZ「寝させないぜぇぇぇ!」
たくやの体は怒りで震えていた
たくや「・・・お前のせいかあ!!」
たくや「お前のせいで今まで寝れなかっ・・・」
たくやは、勢いよく
デビルZに殴りかかった
デビルZ「ちょっ、痛っっっ!」
デビルZ「やめてぇぇ!」
っとそのとき、
ぐぅぅぅ〜
デビルZ「あらやだ、お腹鳴っちゃった、恥ずかし」
デビルZ「ちょっと、タイム!休憩をくれ 一瞬、飯を食べていいか?」
たくや「真夜中にジャンクフード!」
デビルZ「よかったら一緒に食べる?」
たくや「悪魔の誘惑!」
デビルZ「食べちゃいなよ」
デビルZ(これで食後2、3時間は寝られないぜ)
たくや「くっ、」
デビルZ「ほらほら、ちょっとくらい いいじゃない♪」
デビルZ「私は食べるぞ、いただきまぁーす」
デビルZ「うまっ、うまうま♪」
たくや「この時間の飯テロ、やめろぉぉ!」
デビルZ「ビールもあるぞお♪」
たくや「やめろぉおおぉ」
〇一人部屋
・・・2人の咀嚼音と笑い声が部屋に響く
たくや「あはは、でさー」
デビルZ「ウフフ」
たくや「あー、夜中のバーガーとビール最高!」
デビルZ「だろ、だろ♪」
たくや「2人分買ってくれたんだよね」
たくや「お金払わなくて大丈夫?」
デビルZ「ダイジョブ、ダイジョブ! 私、お金あるから」
たくや「ありがとう」
デビルZ「あのさ、ずっと聞きたかったんだけど」
たくや「んー、何?」
デビルZ「たくやって、フライドポテト カリカリ派?しなしな派?」
たくや「俺、カリカリ派」
デビルZ「えっ、マジィ! 私は、しなしな派だわ」
〇一人部屋
たくや「ふぅ〜、食った食った」
たくや「あー、なんか お腹いっぱいで眠たくなって・・・」
デビルZ「寝させないぜぇ!!」
たくや「忘れてた、そういえば お前、そういう奴だったな!」
たくや「明日、プレゼンなんだよ、 勘弁してくれよ」
デビルZ「それでも、寝させないぜぇぇ!」
たくや「やっぱり悪魔だな」
デビルZ「そういえば、じゃーん!これ見て」
たくや「そ、それってもしかして・・・」
デビルZ「たくやが、ずっと欲しがってた 新しいゲーム機とソフト持ってきたぜぇ!」
たくや「えっ、うそ!」
たくや「あの、世界に数台しか販売していない 幻のゲーム機セット!?」
デビルZ「んだ、んだ♪」
デビルZ「ちょっと試しにやってみない?」
たくや「でも、明日仕事あるし・・・」
デビルZ「明日持って帰るから 今晩しかできないぞ〜」
デビルZ「あっ、電源入れちゃった♫」
たくや「やめろぉぉ!」
〇一人部屋
・・・ゲーム機の電子音と
2人の笑い声が部屋に響く
たくや「うわっ、うそっ、やられたー」
デビルZ「ふふふ」
たくや「お前、結構強いんだな」
デビルZ「こう見えて私、ゲーマーなんです♫」
たくや「とにかく楽しかったよ、もう寝・・・」
デビルZ「寝させないぜぇぇぇ!!!」
たくや「びっくりした!急に大声出すなよ」
デビルZ「す、すまん」
たくや「無視して、もう寝るからな!電気消すぞ」
〇一人部屋
デビルZ(ふふふ)
デビルZ(布団に入っても、さっきのゲームで 脳が興奮して寝られないはずだぜぇ)
たくや「ああ、なんか目が冴えて寝れない・・・」
デビルZ(ふふふ、ほらな♫)
デビルZ「明日のプレゼンで緊張してるんじゃない?」
たくや「そ、そんなことは・・・」
デビルZ「もしよかったら、リラックス効果のある ヨガ知ってるけど一緒にやる?」
デビルZ「ヨガマット、持って来てるよ♫」
たくや「えっ、そんなのできるの?」
デビルZ「私、こう見えて ヨガインストラクターの資格持ってます♫」
たくや「悪魔なのに!?」
〇一人部屋
・・・手拍子の音と2人の激しい息遣いが
部屋に響く
デビルZ「はい、ワン、ツー、スリー、フォー♫」
デビルZ「はい、太もも上げて♫」
デビルZ「二の腕も上げて♫」
たくや「し、しんどっ」
たくや「ヨガってこんな激しい運動だったっけ?」
デビルZ(ふふふ)
デビルZ(実はヨガと見せかけて 激しいダイエット筋トレだ)
デビルZ(寝る前に激しい運動をすると 寝付けにくいからな♫)
1時間経過──
たくや「つ、疲れたぁ」
デビルZ「わ、私もフラフラだ・・・」
たくや「えっ、悪魔なのに!?」
デビルZ「ちょっと汗かいたから シャワー借りていいか?」
たくや「別にいいけど・・・」
〇清潔な浴室
デビルZ「はっ、恥ずかしいから絶対覗かないでね!」
「たくや)覗かないわ!」
〇一人部屋
1時間経過──
たくや「あいつ、意外と長風呂なんだな・・・」
デビルZ「ふぅ〜お風呂気持ちよかったあ!」
たくや「えっ、お前、その格好、パジャマじゃん!」
たくや「寝る気満々・・・」
デビルZ「えっ、何のこと?」
デビルZ「もお、たくやったら 寝ぼけちゃって♫」
たくや「見間違いなのか?」
たくや「とりあえず、もうさすがに 明日に備えて寝るわ」
〇一人部屋
たくや「おやすみ〜」
デビルZ「うん、おやすみ〜」
たくや「やっぱり、パジャマじゃん!」
デビルZ「Z、Z、Z〜」
たくや「って寝てるし!」
たくや「ヨガで疲れたんかな・・・」
デビルZ「Z、Z、ぜぇ〜」
デビルZ「今夜は寝させないぜぇぇ!」
たくや「いや、説得力ないわ!」
そして、気づけば朝がきて──
2人は寝ていた──
〇一人部屋
デビルZ「はっ、もう朝⁈」
デビルZ「私としたことが・・・ 寝てしまっていた」
たくや「おはよう!」
デビルZ「おはようございます・・・いや」
デビルZ「おはようございます!」
たくや「いや、もう寝てたのバレてるよ・・・」
デビルZ「今日、確か大事なプレゼンだよな?」
たくや「ああ」
デビルZ(悪魔として名誉挽回しなければ・・・)
デビルZ「必殺!エナジードリンク!」
デビルZ「プレゼン中は寝させないぜぇ!」
たくや「あっ、うん・・・」
たくや「むしろありがとう!」
たくや(昨晩、俺に飲ませたらよかったのに)
たくや「あっ、そうだ、 ちょっとお願いがあるんだけど・・・」
〇小さい会議室
プレゼン本番──
たくや「弊社が開発した新商品、」
たくや「強力殺虫スプレーでございます」
たくや「どんな害虫にも効きます」
たくやは、殺虫スプレーをかけた
デビルZ「くさっ、ごほっ、けむたい!やめてえぇ」
「顧客)おお!大きな虫にも効果てきめんだ」
デビルZ「だーかーら、私は虫ではなーい!」
デモンストレーションは拍手喝采で
プレゼンは大成功した──
〇オフィスビル
デビルZ「うー、たくやのばかばかぁ!」
デビルZ「うー、またスプレーなんて、ひどい〜」
たくや「まあまあ、おかげでプレゼン上手くいったし」
たくや「ありがとう、助かったよ」
たくや「ビール奢るからさ!しなしなのポテト付きで」
デビルZ「えっ、マジ!?」
「ちょっと何流されてるのよ!」
「人間と仲良くなって悪魔失格じゃない!」
デビルZ「げっ、その声は!!」
デビルZ「お前は睡魔!!」
次回、デビルZのライバル、
睡魔(すいま)登場!!
続く──
こんな悪魔がいたら逢いたいです。一緒に生活したい。毎晩ぐっすり眠れなくても良いから悪魔と遊びたい。いつも暇を持て余しています。
語尾にアニキを思い出させる悪魔さんでした。笑
寝かせないから悪い悪魔さんなのかと思ったら、プレゼン手伝ったりいいところもあるんですね。
ポテトはしなっとしたのが好きです。
お店で言えばモスくらいでしょうか。
フライドポテトは、出来立て熱々ならしなしな、冷めるのならカリカリがいいですね!
いやいや、デビルZのキャラクターが大好きです。威圧感があったと思ったら乙女化したりと、読んでいて脳内がバクりそうでした。総じてカワイイのですけどね!笑