今宵はハーフムーン(脚本)
〇宇宙ステーション
〇荒廃したビル
アタシ「もしもーし、寝てたー?」
アタシ「やっぱりー! 明かりが消えてたから 意地悪したくなって電話しちゃったの♪」
アタシ「ここからは月が綺麗に見えるわよ」
アタシ「スパッと割れたハーフムーン!」
アタシ「あの影の部分に あなたが住んでいるんだって思うと」
アタシ「余計に綺麗」
アタシ「なぁんかいまだに ピンとこないのよねー」
アタシ「地球からすれば月っていえば夜なのに」
アタシ「月からすれば 月にも昼と夜があるなんてね」
アタシ「アタシも早く月へ行きたい」
アタシ「チケットはいつになったら 取れるのかしら」
アタシ「待ってる間に おばあちゃんになっちゃいそう」
アタシ「しわくちゃになっても愛してくれるって 約束、忘れてないわよね?」
アタシ「ねえ、何とか言ってよ!」
アタシ「あなただけ先に眠るなんて 許さないわよ!」
アタシ「別に用なんかないわ。 声が聞きたかっただけよ」
アタシ「じゃ、またね。 おやすみなんて言わないわ」
アタシ「アタシが行くまで起きて待ってて」
アタシ「アタシがいる場所、見えるでしょ?」
アタシ「地球の明かり」
アタシ「そっちからでも見えるぐらいに 復興してきたでしょう?」
〇塔のある都市外観
人類が月を開発し始めて
半月は半月じゃなくなった。
半月の影の部分に
いびつな染みのように
都市の明かりが広がって
変わってしまった月の形は
地球から見上げる人々の心を狂わせた。
〇空港前
アタシは、月で暮らす彼のもとへ
行く約束をしてたけど、
〇空港のロビー
大きな鞄と
不安よりも大きな期待を抱えて
空港に駆け込んだアタシを追い越して
地球からミサイルが飛んでいった。
〇炎
月面都市は何日も燃え続け、
地球の国同士でも戦争が始まった。
〇荒廃した国会議事堂の大講堂
戦争はなかなか終わらなかった。
〇荒廃した国会議事堂
アタシが乗るはずだった
ロケットは雨で錆びて、
アタシの涙は
地球の土に落ちるばかり。
〇荒廃したビル
アタシは繋がらない電話を
かけ続ける。
明かり一つ灯らなくなった、
半月の真夜中の部分に向けて。
彼が対面にいるのかと思ったらまさか月にいるとは。
語り方と内容と音楽があっていて不思議な読後感が残りました。
フルボイスはひびった…!
まさかのフルボイス…!!
恋愛ものだから一人二役になるのかな?と思ってたら…月はすでに…😭💦
一人語りの構成とボイスの組合せ…すばらしいです✨✨