ばあちゃんレスキュー!きゅん♡クエスト

羽遊ゆん

1.ばあちゃんは、私が救う!(脚本)

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〇ゆるやかな坂道
香坂瑠奈(志津ばあちゃん、元気かなぁ♪)
  大学二年の夏休み、私は
  久しぶりに大好きな志津ばあちゃんの家に
  向かっていた。
香坂瑠奈(あれ?電話・・・ 知らない番号からだ)
香坂瑠奈「・・・はい? ええ、私は香坂瑠奈です。 香坂志津は、祖母ですけど・・・」
香坂瑠奈「ええ!? 志津ばあちゃんが、病院に!?」
香坂瑠奈「どこの・・・はい、わかりました! すぐに向かいます!」

〇綺麗な病室
  - 志津ばあちゃんの病室 -
香坂瑠奈「ばあちゃん! 志津ばあちゃん!!」
香坂瑠奈「・・・ばあちゃん」
???「あ・・・瑠奈さんですか?」
香坂瑠奈「は、はい」
???「私は、あなたに電話をした間宮貴史です」
香坂瑠奈「あ! あなたが! ご連絡ありがとうございました」
間宮貴史「志津さんは今、昏睡状態です。 眠っているだけで命の危険はありませんが」
間宮貴史「現在の医療では治療法がないんです」
香坂瑠奈「ええ!? いったいどういう病気なんですか?」
間宮貴史「・・・ロマンス欠乏症」
香坂瑠奈「ロマンス・・・欠乏症?」
間宮貴史「ロマンス・・・つまりは『ときめき』不足で発症する病です」
香坂瑠奈(なにそれ? ときめき不足って・・・ どういうこと!?)
香坂瑠奈「あの・・・間宮さんはお医者さまですか?」
間宮貴史「あ! いえ・・・私は」
志津ばあちゃん「瑠奈・・・瑠奈ちゃん」
香坂瑠奈「ばあちゃん? テレパシーは、使えるんだね! 大丈夫なの?」
  ばあちゃんは、テレパシーが使える特殊能力者
  昔から私に危険がせまると察知して
  テレパシーでいつも助けてくれていた
志津ばあちゃん「ごめんねぇ、心配かけちゃって」
志津ばあちゃん「ばあちゃんね、間宮さんの家で倒れちゃって」
香坂瑠奈「間宮さんとはどういう知り合いなの?」
志津ばあちゃん「間宮さんはね『ロマンス欠乏症』の研究者なんだよ」
香坂瑠奈「へえ・・・研究者」
志津ばあちゃん「ばあちゃんね、ここ何年か具合が悪くて、何かいい情報がないかなーってスマホで探してたのよ」
香坂瑠奈「そうだったの?」
志津ばあちゃん「そしたら間宮さんのホームページが出てきてね、読むといろいろと思いあたる節があって」
香坂瑠奈「ふんふん、なるほど」
志津ばあちゃん「ばあちゃんから間宮さんに連絡をしたの。 それから、情報交換をしてきたんだけど」
志津ばあちゃん「いよいよ具合が悪くなって、間宮さんを訪ねたら倒れちゃってねぇ。 もー、あはは! いやーねぇ」
香坂瑠奈「ば、ばあちゃん!? いやーねぇって、他人事みたいに」
志津ばあちゃん「体が動かないだけなのよ。 でも、このまま動けないと困っちゃうねぇ」
香坂瑠奈「ばあちゃん、今の医療では、治療法がないんだって!」
志津ばあちゃん「治療法・・・なくはないのよ。 瑠奈ちゃん、ばあちゃんを助けて?」
香坂瑠奈「え? どういうこと? 助けられるなら助けたいよ!」
志津ばあちゃん「本当?ありがとう! じゃあ瑠奈ちゃん、たくさん胸キュンしてちょうだい♡」
香坂瑠奈「む、胸キュン~!!?」
間宮貴史「!」
香坂瑠奈「はっ! ご、ごめんなさい、大声出しちゃって!」
香坂瑠奈「も~!ばあちゃん何を言い出すのよ」
志津ばあちゃん「クスクス・・・落ち着いて。 今のばあちゃんと瑠奈ちゃんは繋がってるの」
志津ばあちゃん「瑠奈ちゃんがときめくと、ばあちゃんもときめく・・・ ときめきがどんどん溜まっていくと」
香坂瑠奈「あ!『ロマンス欠乏症』が治る!」
志津ばあちゃん「正解!そういうこと♪ ばあちゃんが動けない間は、間宮さんにあなたのことをお願いしているから」
香坂瑠奈「え?間宮さんに? ・・・そうなんだ」
香坂瑠奈「わかった! 私、ばあちゃんを絶対に助けるからね!」
志津ばあちゃん「ありがとう♪瑠奈ちゃん。 間宮さんによろしく伝えてねぇ」
香坂瑠奈「任せてよ!ばあちゃん!」
香坂瑠奈(あ!でも・・・私、恋愛経験ゼロだった。付き合ってる人もいないし・・・)
香坂瑠奈「・・・どうしよう」
間宮貴史「あの・・・どうかされましたか?」
香坂瑠奈「えっと・・・そのぅ」
間宮貴史「目をつむってたってことは 今まで志津さんとテレパシーで話していたんですよね?」
香坂瑠奈「え!テレパシーのことご存じなんですか?」
間宮貴史「ええ、志津さんからききました。 目の当たりにするまで、半信半疑ではありましたが・・・」
間宮貴史「あの、志津さんは病院に任せておけば大丈夫なので、別の場所でお話しませんか?」
香坂瑠奈「あ、はい・・・そうですね。 そうしましょう」

〇テーブル席
  ー 病院内のカフェ ー
「・・・あの!」
「す、すみません!」
香坂瑠奈「あ、お先にどうぞ」
間宮貴史「あ、はい。 改めまして、間宮貴史と言います。 『ロマンス欠乏症』の研究をしています」
香坂瑠奈「香坂瑠奈です。 今日は、祖母を病院に運んでくださってありがとうございました」
間宮貴史「あ、いえ。当然のことをしただけです。 この病院は祖父が理事長をしていて・・・」
間宮貴史「志津さんのことは、スタッフにしっかりとお願いしておきましたので、ご安心ください」
香坂瑠奈「そうですか。安心しました。 でも、すごいですね! お爺さまが理事長なんて」
間宮貴史「そうですね、すごいと思います。 私以外は。 私は研究をしているだけで・・・」
香坂瑠奈「あ!そうそう!研究! あの・・・ 祖母から、どこまで話をきいてます?」
間宮貴史「ああ・・・志津さんと瑠奈さんのことは、ほぼ把握できていると思います」
香坂瑠奈(ええー!? ばあちゃん、どこまで話してるんだろ!)
香坂瑠奈「祖母のテレパシー能力はご存じでしたよね?」
間宮貴史「ええ」
香坂瑠奈「私と祖母が繋がっているっていうことは?」
間宮貴史「それも、志津さんから・・・ 瑠奈さんには話していないと言ってましたが、さっきテレパシーできかれたんですね」
香坂瑠奈「祖母は間宮さんになんでも話してるんですね」
間宮貴史「そうですね。 今まで瑠奈さんが恋愛に無縁だったことも・・・」
香坂瑠奈「わわわ~! ま、間宮さんっ!」
香坂瑠奈(もうっ! ばあちゃん ぜーんぶ話してる!恥ずかしすぎっ)
間宮貴史「あ!間違ってましたか?」
香坂瑠奈「いえ・・・ 恥ずかしながら、そのとおりです だから、困ってるんです」
香坂瑠奈「ときめく相手がいないと 祖母を助けられないじゃないですか・・・」
間宮貴史「そのことなんですが・・・ 私がお相手じゃダメでしょうか?」
香坂瑠奈「ええ! 間宮さんが!?」
香坂瑠奈(正直・・・間宮さんに、ときめく要素が、な~い! 髪はボサボサ、グレーのトレーナー・・・)
香坂瑠奈「う~ん・・・えっとぉ」
間宮貴史「あ!ちょっと今日は急に志津さんが訪ねてこられたので部屋着ですけど、普段はこんな格好で外出しませんので」
香坂瑠奈(考えてることダダ漏れだ~)
香坂瑠奈「あはは・・・ご迷惑じゃないですか?」
間宮貴史「迷惑だなんて!志津さんを助けるために、瑠奈さんに協力したいんです。 研究のためでもありますけど・・・」
香坂瑠奈(そっか、研究者の間宮さん的には、私のそばにいたほうが都合がいいのか・・・)
香坂瑠奈「わかりました。 間宮さん、よろしくお願いします」
香坂瑠奈「と言ったものの どうしたらいいんでしょうか?」
間宮貴史「では、お互いを知るために 明日デートしましょうか」
香坂瑠奈「デートって・・・ なんかちょっと照れますね」
間宮貴史「え!そうですか!? では、逢瀬、あいびき、ランデブー・・・」
香坂瑠奈「言葉のチョイスがっていう意味じゃなくって・・・響きが」
間宮貴史「あ、ああ、すみません。 少し舞い上がってしまって!」
香坂瑠奈「いいえ♪ で、どうしましょう?」
間宮貴史「あ、そうですね。 ランチをご一緒しませんか?」
香坂瑠奈「いいですね♪ じゃあ、LINE交換しておきましょう?」
香坂瑠奈「よし♪ これで気軽に連絡がとれますね!」
間宮貴史「瑠奈さんは、今夏休み中ですよね?」
香坂瑠奈「ええ。祖母の家でゆっくりしようと思ってたんですけどね」
間宮貴史「じゃあ、私と一緒にいろんなところに行きましょう。 どこでも連れて行きますよ!」
香坂瑠奈(あっ、笑顔・・・初めて見たかも)
香坂瑠奈(ん?なんだろ、今の・・・)
志津ばあちゃん「瑠奈ちゃん、不意の笑顔に 母性本能くすぐられちゃったみたいね」
香坂瑠奈「ばあちゃん!? 今のって、そうなの?」
志津ばあちゃん「うふふ♪ その調子その調子! もっとキュンキュンしちゃってね♡」
香坂瑠奈「ば、ばあちゃ~ん・・・」
間宮貴史「では、そろそろ出ましょうか」
香坂瑠奈「あ、はい!」

〇一戸建て

〇一戸建て
  ー 初めてのデート当日 ー
間宮貴史「おはようございます! 瑠奈さん」
香坂瑠奈「おはようご・・・え!? どちらさま、ですか?」
間宮貴史「やだなぁ、間宮ですよ! 間宮貴史!」
香坂瑠奈「ま、ま、間宮さん~!?」
香坂瑠奈(昨日と全然違う・・・ イケメンになってる~)
志津ばあちゃん「きゃ~♪ 瑠奈ちゃん! 間宮さん、カッコいいわね!」
香坂瑠奈「ばあちゃん! そ、そうだね・・・びっくりだよ~!」
志津ばあちゃん「デート、楽しんできてね♪」
香坂瑠奈(ばあちゃんのためにも)
香坂瑠奈(”アレ”が出ないようにしなきゃ・・・)
間宮貴史「じゃあ、出発しましょうか」
香坂瑠奈「あ、はい♪」
  ー To Be Continued ー

次のエピソード:2.やっちゃった!

コメント

  • ロマンス欠乏症が目を引く設定だと思いながら読み進めていたら、おばあちゃんがテレパシー使いという予想外の展開と、ラストの実はカッコいい間宮さんと気になるアレで畳み掛ける構成がお見事でした…。今さらながらお読みして、見習いたい部分がたくさんあると感じました…!

  • 別人な上にスポーツカーでお迎え!?
    間宮さんギャップがすごいですね!
    テレパシーは遠隔でもできて映像も伝わるんですか?すごい!😳
    ばあちゃんがノリノリなので、ばあちゃんの作戦にも見えてきましたw
    初デート、一体なにをやらかしちゃうんでしょう?

  • これはきっと、キュンの予感しかしないやつですね!
    おばあちゃんと恋バナができるなんて素敵です〜!

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