警部 神爪強の事件ファイル

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CASE12(エピソード7①)神爪の休暇 前編(脚本)

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〇駅のホーム
神爪強「着いたか・・・・・・」
「♪〜列車が発車します」
神爪強「・・・・・・なんでお前たちまで付いてきてるんだ?」
佐原純「えっと・・・・・・」
大木真菜「たまたま私達もここに用事があったんです」

〇島
  那染鬼(なぞめき)島──
佐原純「いいところですね〜」
大木真菜「眺めもいいし」
神爪強「来てみたかったんだ」
北島イチコ「ようこそ。那染鬼島へ」

〇怪しいロッジ
佐原純「謎めいてますね・・・・・・」
大木真菜「なんかちょっと怖い・・・・・・」
神爪強「そうか?大丈夫だ」
北島イチコ「この謎めいているのがこの島の特徴なんだよ」
神爪強「そうなんですか・・・・・・」
神爪強「あの方たちは?」
北島イチコ「あなた達と同じようにここに観光しに来た人達だね」

〇怪しいロッジ
  春木鶴美(32)会社員──
春木鶴美「ちょっとあんた、やめてくれる!? 勝手に取らないでよ!」
  亀谷鉄二(36)カメラマン──
亀谷鉄二「すまんすまん。つい職業病で」
  石村佳世子(30)──医師
石村佳世子「あなた達、喧嘩はやめたら?」

〇怪しいロッジ
  犬成行方(31)──会社員
犬成行人「やれやれ・・・・・・」
  二ノ瀬卓馬(21)──大学生
二ノ瀬卓馬「あの・・・・・・201号室の犬成さんですか?今日は部屋が空いてなくて相部屋になるみたいで。僕、二ノ瀬卓馬といいます」
犬成行人「犬成行人だ。よろしく」

〇学食
神爪強「食堂はこんな感じなんですね」
北島イチコ「えぇ。ここは昔、高校でね 今より島の住人も多かったんだけど 今じゃ廃校になった校舎を改装して 旅館にしているんだよ」
神爪強「そうなんですか」

〇和室
  101号室──
神爪強「相部屋なんだな」
佐原純「空きがないみたいで。すみません。 せっかくの休暇なのに」

〇和室
  102号室──
大木真菜「一人は少し寂しいわね」
春木鶴美「一人じゃないわよ。部屋の空きがなくて 相部屋になるらしいんだけどいいかしら? 私は春木鶴美よ。よろしくね」
大木真菜「一人より全然! 大木真菜です。よろしくお願いします。 春木さん」

〇和室
  201号室──
二ノ瀬卓馬「改めてよろしくお願いします!犬成さん!」
犬成行人「あぁ」

〇和室
  202号室──
亀谷鉄二「ここか」

〇和室
  204号室──
石村佳世子「一人のほうが落ち着くわ」

〇島
  その夜──

〇和室
「やめてくれ・・・・・・なぜだ・・・・・・」

〇島
  翌朝──

〇学食
神爪強「おはようございます」
北島イチコ「おはようございます。食事のご用意できてますよ」
佐原純「神爪さんおはようございます」
大木真菜「おはようございます!」
神爪強「あぁおはよう」
神爪強「ところで北島さん」
北島イチコ「なんでしょう」
神爪強「他の観光の方たちは団体ではなくそれぞれなんですか?初対面の方が部屋に来たと大木が言ってたもので」
北島イチコ「あいにく部屋の空きがなくてねぇ すみません。ご迷惑でしたか?」
大木真菜「わたしは大丈夫です」
神爪強「そういえば、一人足りない気がしませんか?」
北島イチコ「えっ?そんなことはないと・・・・・・」

〇学食
石村佳世子「あのカメラマンさんいないけど」
二ノ瀬卓馬「そういえば見かけませんね」
犬成行人「まだ寝ているんじゃないですか?」
二ノ瀬卓馬「僕、見てきますね」
犬成行人「あの人の部屋は何号室だっけ」
北島イチコ「202号室です。私も一緒に見に行きますよ」

〇和室
  202号室──
二ノ瀬卓馬「ウワァーーー!!!!」
  そこには血を流して倒れているの亀谷が──
二ノ瀬卓馬「北島さん、救急車を!」
石村佳世子「な、なんの騒ぎ?」
石村佳世子「カ、カメラマンさんじゃない!!」
神爪強「現場には一歩も入らないように」
石村佳世子「あなたは・・・・・・」
神爪強「警視庁捜査一課の神爪といいます」
二ノ瀬卓馬「警察の方がどうしてここに」
神爪強「休暇中でして」
犬成行人「誰なんだ?悲鳴はって・・・・・・」
春木鶴美「カメラマンさん!?」
大木真菜「みなさん落ち着いてください。 私も警察です」
佐原純「同じく僕も」
神爪強「まずは皆さんにお話を聞かせていただきます」
神爪強「亀谷さんの脈を測ったところ、残念ながらすでに亡くなっています。状況から見て 殺人事件として捜査します」
佐原純「まずはあなたから」

〇怪しいロッジ
石村佳世子「石村佳世子です。医師です」
石村佳世子「204号室に泊まっています。 ここに来たのは観光目的です。 久々に休みが取れたので あの方とは初めて会いました」

〇怪しいロッジ
春木鶴美「春木鶴美。会社員よ」
春木鶴美「カメラマンのあの人とは面識はないわ。初めて会いました。まさかこんなことになるなんて・・・・・・」
春木鶴美「あの人、カメラをずっと回してて 私と少し揉めました。けど殺してなんかいませんよ」
犬成行人「犬成行人。食品系の会社員です。 あの人とは初めて会いました。 まさか殺されてしまうなんて」
二ノ瀬卓馬「二ノ瀬卓馬です。あの人とは僕も初めてお会いしました。一体誰が・・・・・・」
北島イチコ「亀谷さんは何度もここに来てくれていてねぇ。まさか亡くなるなんて・・・・・・」
神爪強「そうですか。みなさんありがとうございました。それぞれの部屋に戻っていただいて大丈夫です。部屋からはなるべく出ないように」
神爪強「大木はとりあえず101号室へ」
大木真菜「分かりました。神爪さん、本庁へ連絡したんですが昨日の大雨で海が荒れて応援が来れないと」
神爪強「そうか・・・・・・分かった」
北島イチコ「これがあの言い伝えなのかもしれない」
神爪強「言い伝え?」
北島イチコ「この島では数十年前にある事件があった。 その時に亡くなった人の霊がなぞめ鬼となって現れる。そういう言い伝えから那染鬼島」
北島イチコ「というんじゃ」
佐原純「神爪さん、こういう孤島で起きる殺人事件は大概・・・・・・」
佐原純「犯人は関係者の中にいるんです」
大木真菜「佐原くん、ドラマの見過ぎよ」
佐原純「神爪さん、大木先輩、この謎を絶対解き明かしましょう・・・・・・」
佐原純「・・・・・・」
大木真菜「き、決め台詞ないのね・・・・・・」
  つづく──

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