警部 神爪強の事件ファイル

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【終】CASE13 (エピソード7−②)神爪の休暇 後編(脚本)

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〇怪しいロッジ
佐原純「神爪さんの休暇にとある理由で 那染鬼島まで同行した僕と大木先輩。 宿泊客達と知り合った僕たち。 しかし翌朝・・・・・・」
佐原純「宿泊客の一人でカメラマンの亀谷鉄二さんが遺体となって発見されてしまった── 宿泊客たちに話を聞いた僕たちは」
佐原純「島の旅館を営む北島イチコさんから 数十年前の言い伝えについて聞いた」
佐原純「犯人は・・・・・・一体誰なんだ!?」
佐原純「神爪さん、孤島で起きる事件は大抵関係者の中に犯人がいるんです。この事件は必ず僕たちが解き明かしましょう」
佐原純「・・・・・・」
大木真菜「決め台詞ないのね・・・・・・」

〇和室
佐原純「伊藤刑事の報告で被害者の亀谷鉄二さんの 死因は腹部を鋭利な刃物で刺されたことによる出血死。凶器となったのは料理に使う包丁」
佐原純「だということです」
大木真菜「他の宿泊客の方も本庁に調べてもらった結果・・・・・・なんと関係がありました」
神爪強「顔見知りだったってことか?」

〇怪しいロッジ
神爪強「春木さん、あなたは亀谷さんと初対面と言っていましたが顔見知りだったんだな なぜ嘘を?」
春木鶴美「へ、変に疑われるでしょ? 私は亀谷さんの撮った写真集などの編集を担当していたの」
神爪強「石村さん、あなたも顔見知りなようですが」
石村佳世子「えぇ・・・・・・亀谷さんの主治医がこの私よ」
石村佳世子「私も春木さんと同じで変な疑いかけられたくなかったの」

〇和室
佐原純「犬成さんと二ノ瀬さんは本当に初対面だったようです」
神爪強「そうか」
  その時、真菜の悲鳴が聞こえた──
「キャーーーー!!!!」
神爪強「どうした!?」

〇清潔なトイレ
神爪強「どうした!?」
大木真菜「お手洗いに入ろうとしたら・・・・・・」
  トイレの中には頭から血を流した石村佳世子がいた──
神爪強「ダメだ。亡くなっている・・・・・・」
佐原純「僕たちがいるのにまた被害が・・・・・・」
大木真菜「一体誰が・・・・・・」

〇怪しいロッジ
犬成行人「あの女医さんが!?マジかよ・・・・・・」
二ノ瀬卓馬「・・・・・・!!」
春木鶴美「あの石村さんが!?」
北島イチコ「やはり、なぞめ鬼の呪いじゃ・・・・・・」
神爪強「北島さん、その数十年前の言い伝え、詳しく聞かせてください」
北島イチコ「20年前、この島である事件が起きた。 その事件で島の住民が3人も亡くなった。 無差別殺人として捜査されたもの未だに犯人は」
北島イチコ「捕まっていない・・・・・・」
神爪強「そんな事件が・・・・・・私は担当じゃなかった」
佐原純「神爪さん実は、僕たちはその事件を調べに来たんです」
神爪強「なに?」

〇和室
神爪強「一体どういうことだ?」
佐原純「はい。実は本庁にとある方が訪ねてきたんです。その方はここ、那染鬼島で起きた無差別殺人事件の被害者の遺族だったんです」
佐原純「名前は西口花生さん 20年前の事件で娘さんである、西口花代さんを亡くしています」
大木真菜「その西口さんにはもう一人娘さん、西口花実さんがいて花実さんはストーカー対策室でストーカー被害に遭っていた方なんです」
神爪強「それで大木も同行したってわけか」
神爪強「20年前の事件を詳しく調べる必要があるみたいだが、あいにくの嵐で帰れない・・・・・・」
佐原純「科捜研の沢森さんとリモートで繋ぎましょう」
神爪強「科捜研の力を借りよう」

〇白
神爪強「沢森に頼みがある」
沢森泰美「なんでしょう」
神爪強「20年前の事件について調べてほしいことがあるんだ」
沢森泰美「20年前・・・・・・!!」
佐原純「どうしました?」
沢森泰美「実は・・・・・・私の父も那染鬼島の事件で」
神爪強「そうなんですか・・・・・・」
沢森泰美「でも、力になれるなら」
神爪強「ありがとうございます」
沢森泰美「事件の被害者は私の父、沢森治良と 西口花代さん、そして北島裕香さん」
沢森泰美「島の住人を無差別に刺す無差別殺人事件だったんです」
神爪強「北島・・・・・・」
佐原純「旅館の北島さんと関係が・・・・・・!?」
大木真菜「神爪さん、凶器が発見されました」
神爪強「沢森、凶器の鑑定も頼んだ」
大木真菜「データー送りますね」
沢森泰美「二人の被害者の傷と一致しました」

〇島
  そして、嵐が落ち着き神爪らは警視庁へと戻った──他の宿泊客も船に乗ることができた

〇大会議室
神爪強「科捜研からの報告だ。 凶器についていた指紋があの人のものと 一致した」
佐原純「えっじゃあ・・・・・・」
大木真菜「そんな・・・・・・」

〇島

〇怪しいロッジ
神爪強「亀谷さん、石村さんを刺した凶器から あなたの指紋が検出されました」
佐原純「北島イチコさん」
北島イチコ「・・・・・・!!」
神爪強「付着していた血液も被害者のものだと判明しました。指紋はあなたのもの以外なかった・・・・・・」
北島イチコ「それだけで私を犯人扱いかい? そもそも私のような年寄りが遺体を運べるわけがない」
佐原純「本当に70代ですか?」
神爪強「正体を明かせ・・・・・・北島イチコ、いや北島市江!」
北島イチコ「市江?誰だいそれは」
神爪強「北島さん、あなたは20年前の事件で娘さんを亡くしていたんですね」
神爪強「調べると20年前のその事件を追っていたカメラマンが亀谷さんだった」
佐原純「そして事件のとき現場にいた医師が石村さん」
神爪強「DNA鑑定をした結果、亀谷と石村は兄妹であることが判明した」
佐原純「さらに二人があの事件を起こした真犯人だということも調べがつきました」
神爪強「あなたは、20年前の事件の復讐で二人を殺したんですね。年齢を偽ってまで」
佐原純「ここの住民票を取り寄せたところ 北島イチコという人は存在しなかった。 北島市江があなたの本名ですよ」
北島イチコ「そうだ・・・・・・私が復讐した・・・・・・」
北島市江「亀谷は事件を調べているカメラマンのフリをしていたんだ。ところがある日・・・・・・聞いてしまった・・・・・・」

〇シックなバー
石村佳世子「バレてないでしょうね? あの旅館の人に」
石村佳世子「私達が北島裕香を殺したってこと」
亀谷鉄二「上手いこと事件を調べているカメラマンってことにしてあるから大丈夫さ。しかも直接殺したのはお前だろ?」
石村佳世子「ちょっと・・・・・・!!声が大きいわよ。 私が助けたら彼女は助かっていた・・・・・・けど、なんかムカついたのよね」

〇怪しいロッジ
北島市江「あいつらが許せなかった・・・・・・」
佐原純「無差別だと思われていた事件は無差別ではなかったんですね」
神爪強「私の知り合いにも事件で大切な人を亡くした方がいます。あなたと同じように悲しかったでしょう。でもあなたがしたことは」
神爪強「二人と同じことですよ・・・・・・ こんなことをしても娘さんは戻ってこない・・・・・・」
北島市江「・・・・・・ウッ・・・・・・」
  その瞬間、市江は倒れた──
神爪強「おい!!」
  そのまま市江は息絶えてしまった──
  後に司法解剖の結果、毒物が検出された。
  こうして、なぞめた島で起きた悲劇は静かに幕を閉じた──

〇大会議室
大木真菜「まさかイチコさんが真犯人で年齢も姿も偽ってたなんて・・・・・・その上、亡くなってしまった・・・・・・」
大木真菜「でもどうして市江さんは偽装を?」
神爪強「亀谷や石村に正体がバレないよう近づいたらしい」
大木真菜「そうですか・・・・・・」
大木真菜「神爪さん、西口花実さんをストーカーしていた男は無事に逮捕されました」
神爪強「そうか。それは良かった」
神爪強「伊藤、休暇じゃなかったか?」
伊藤恵里「休暇は切り上げてきました。事件なので」
伊藤恵里「神爪さん、現場へ急ぎましょう」
神爪強「あぁ」
  神爪たちの捜査は続く──

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