fantasy treasure -追放転生者と死神少女

夜缶

追放された魔法使い(脚本)

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〇池のほとり
  剣と魔法が交差する世界・・・・・・
  いわゆるファンタジーの世界の片隅に、
  男は黄昏ていた。
リード・ワンダーライト「・・・・・・」
リード・ワンダーライト「・・・・・・」
リード・ワンダーライト「・・・・・・すぅ」
リード・ワンダーライト「・・・・・・っ」
リード・ワンダーライト「異世界のバカヤロォォオオオーーっ!!」
リード・ワンダーライト「ふざけんなぁぁぁっっ!!!」
リード・ワンダーライト「俺だって・・・・・・俺だってっ!! 頑張ってるのにっ!!」
リード・ワンダーライト「そんなに俺は使えないのかっっ!!」
リード・ワンダーライト「役に立たねぇのかっ!!!」
リード・ワンダーライト「くっそ・・・・・・!」
リード・ワンダーライト「どうして俺だけ・・・・・・っ!!」
リード・ワンダーライト「・・・・・・ぐっ!!」

〇黒
「ちっくしょぉおおお!!」
  男の悲痛な叫びが、夕暮れに向かって消えてゆく。
  いくらそこで叫ぼうが、誰も助けてくれない。
  それぐらい人気のない場所であった。
  男の名は『リード・ワンダーライト』
  職業は魔法使い。
  とあるパーティの一員だったが、魔法が役に立たないという理由から追放された。
  そして・・・・・・
  転生者でもあった。

〇怪しげな酒場
  あれから数時間後
  リードは常連の酒場にきていた
  理由はもちろん、寂しさを紛らわすためである
リード・ワンダーライト「鬱だっ」
エレナ・マーガレット「第一声がそれ?」
リード・ワンダーライト「あっ・・・・・・ごめん。 エレナさん」
エレナ・マーガレット「まぁいいけどさ」
エレナ・マーガレット「ご注文は?」
リード・ワンダーライト「アルコール抜きの飲み物一つ」
エレナ・マーガレット「アルコール抜きの飲み物一つ・・・・・・ いつものジュースでいいかしら?」
リード・ワンダーライト「お願いします」
エレナ・マーガレット「承りました」
エレナ・マーガレット「そういえば、アナタお酒頼まないわよね? まだ未成年だっけ?」
リード・ワンダーライト「あー・・・・・・いや。 俺、お酒苦手なんすよ」
エレナ・マーガレット「ふーん・・・・・・」
エレナ・マーガレット(じゃあ何故酒場に?)
リード・ワンダーライト「ここが気に入ってるからです」
エレナ・マーガレット「心を読むなっ」
リード・ワンダーライト「後、エレナさんがいるからです」
エレナ・マーガレット「・・・・・・はいはい。 それはどうも」
リード・ワンダーライト「あはは・・・・・・」
エレナ・マーガレット「・・・・・・」
エレナ・マーガレット「・・・・・・追放」
リード・ワンダーライト「・・・・・・えっ!?」
エレナ・マーガレット「その反応・・・・・・ あの話は本当だったみたいね」
リード・ワンダーライト「な、何故それをっ!!」
エレナ・マーガレット「アナタが所属してたパーティ・・・・・・ 『ナンバーワン』だっけ?」
エレナ・マーガレット「そのパーティがさっきここに来てて、 アナタの話をしてたのよ」
リード・ワンダーライト「そ、それでどんな話を・・・・・・?」
エレナ・マーガレット「・・・・・・内容は覚えてないけど」
エレナ・マーガレット「まぁ少なくとも、 聴いてて気持ちのいい話ではないわね」
エレナ・マーガレット「だって『追放』なんてワードが出てくるぐらいだしね・・・・・・」
リード・ワンダーライト「ぐっ・・・・・・!」
リード・ワンダーライト(そんなに・・・・・・! そんなに俺が邪魔だったのかよっ!!)
リード・ワンダーライト(クソが・・・・・・!!)
リード・ワンダーライト「エレナさんっ!! やっぱりお酒頼みますっ!!」
エレナ・マーガレット「は? さっきお酒苦手って・・・・・・」
リード・ワンダーライト「お願いしますっ!!」
エレナ・マーガレット「・・・・・・承りました」
エレナ・マーガレット(全く仕方ないわね・・・・・・)

〇怪しげな酒場
  更に数時間後
リード・ワンダーライト「くっそ・・・・・・ 何でこうも理不尽な目にぃ」
リード・ワンダーライト「大体異世界なら、俺ツエーみたいな能力があってもいいだろぉがよぉ・・・・・・」
リード・ワンダーライト「異世界なら楽させろよぉ・・・・・・!」
エレナ・マーガレット「ちょっとリード・・・・・・ いつまでそこにいるのよ」
リード・ワンダーライト「エレナさんもそう思いませんかぁっ!?」
エレナ・マーガレット「いきなり大声出すなっ もう夜中だから」
リード・ワンダーライト「だって! だって・・・・・・ヒックッ!」
エレナ・マーガレット(完全に出来上がったわね・・・・・・)
エレナ・マーガレット(・・・・・・)
エレナ・マーガレット「あのさリード・・・・・・」
リード・ワンダーライト「ヒック・・・・・・何すかぁ?」
エレナ・マーガレット「その・・・・・・ごめんなさいね。 さっき、嫌なこと思い出させちゃって」
リード・ワンダーライト「へ?」
エレナ・マーガレット「追放のことよ」
リード・ワンダーライト「!!」
リード・ワンダーライト「あぁ・・・・・・畜生!」
エレナ・マーガレット「そ、そのことなんだけどさ」
エレナ・マーガレット「私が言うのもなんだけど。 もう少し気楽に考えてもいいんじゃない?」
リード・ワンダーライト「気楽に?」
エレナ・マーガレット「そうよ! これはある意味チャンスだと思えばいいのよ」
エレナ・マーガレット「追放されて、むしろラッキーと思った方がいいじゃない?」
エレナ・マーガレット「ほら1人の方が気楽だし自由だし! 前向きに考えなさいよ」
リード・ワンダーライト「・・・・・・」
リード・ワンダーライト「エレナさん・・・・・・」
エレナ・マーガレット「!!」
エレナ・マーガレット(さ、流石に安直すぎたかしら・・・・・・?)
リード・ワンダーライト「そうだ。 そうだよねエレナさん」
エレナ・マーガレット「え?」
リード・ワンダーライト「確かに俺は自由だ! そうだよ! そうだったよ!」
リード・ワンダーライト「ありがとうエレナさん! 楽になったよ!」
エレナ・マーガレット「あっ、うん。 どういたしまして・・・・・・?」
エレナ・マーガレット(ポジティブなのかネガティブなのか。 よく分からないわねこの子・・・・・・)
エレナ・マーガレット(・・・・・・もしかしてお酒のせいかしら?)
リード・ワンダーライト「それなら早速、明日はギルドに行かなきゃ!」
リード・ワンダーライト「じゃあねエレナさん!」
エレナ・マーガレット「えっ! ちょっと!!」
エレナ・マーガレット「行っちゃった・・・・・・。 大丈夫かしら・・・・・・」
エレナ・マーガレット「・・・・・・」
エレナ・マーガレット「・・・・・・ん?」
エレナ・マーガレット「あいつ、さりげなくお金払わなかったような・・・・・・」

〇西洋風の受付
  依頼受付所・アネモネ
ユリ・ライラック「はーい次の方どうぞー!」
リード・ワンダーライト「こんにちは受付さん」
ユリ・ライラック「あらリード君! 珍しいわね1人?」
リード・ワンダーライト「あはは・・・・・・ クエストを受けたいのですが」
ユリ・ライラック「あ、もしかしてこれから仲間と合流するのかしら?」
リード・ワンダーライト「いえ・・・・・・。 これからは1人なので・・・・・・」
ユリ・ライラック「え!? ど、どうして?」
リード・ワンダーライト「あぁえっと・・・・・・」
リード・ワンダーライト「俺、1人の方が動きやすいんで」
リード・ワンダーライト「これからはソロで行動しようかと・・・・・・」
リード・ワンダーライト「ただ、それだけですよ」
ユリ・ライラック「そ、そうなの? それならいいんだけど・・・・・・」
リード・ワンダーライト「はい。 なので俺1人でもできそうな依頼を・・・・・・」
ユリ・ライラック「なるべくパーティで行動した方がいいと思うけど・・・・・・」
ユリ・ライラック「・・・・・・分かったわ。 ちょっと待っててね」
リード・ワンダーライト「お願いします」
リード・ワンダーライト「・・・・・・」
リード・ワンダーライト「『仲間』か・・・・・・」

〇黒
  お前の魔法、正直役立たずなんだよ
  お前自身、何かめんどくせぇし
  魔法はしょぼいし『短い』し、融通きかねぇし
  もっとキビキビ動けないわけ?
  なぁ?
  『無能』

〇西洋風の受付
リード・ワンダーライト「・・・・・・」
ユリ・ライラック「リード君!」
リード・ワンダーライト「は、はい!」
ユリ・ライラック「大丈夫? ボーッとしてたけど・・・・・・」
リード・ワンダーライト「だ、大丈夫です! それより、依頼の方は・・・・・・?」
ユリ・ライラック「えぇ見つかったわよ。 内容は・・・・・・」

〇西洋風の受付
ユリ・ライラック「ふぅ」
マリー・ライラック「仕事の方は順調かしら?」

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コメント

  • 世界観が素敵!ストーリーテンポも良く、楽しく読ませていただきました!続きもちょいと失礼いたします!

  • 異世界、転生、追放、はい好きです! 無能と呼ばれた彼の能力が気になります!
    赤い死体がでてきたとき、ドキッとしてしまいました😱
    こんなやり方があるのですね! 感服です!

  • 異世界でなく、魔法使いでなかったら、彼の苦悩は現実社会と似たり寄ったりなのが少し笑えました。ソロになった事が、幸とでるか凶と出るか、今後の展開が楽しみです。

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