第三話 つかの間の希望、そして裏切り(脚本)
〇闇の要塞
『セールスランキング向上計画』は地味ながらも過酷を極めていた。
オルヴァン「やべっ! 【主人公】のとこの軍会議と魔王んとこの来月の売り上げ計画のミーティングがブッキングしてんじゃねーか!」
オルヴァン「急いで調整しねえと! くそっ、ここんところくに寝てねーってのに・・・!」
エリス「ちょっと! 魔王実況アップまだ!」
アルヒールド「すまない、編集にまだ時間がかかっている。SNSで遅れる報告を頼む」
トラブル、失敗、ハプニング、多くの苦労を経た結果、順調に成果をあげていた。
そして、今月の売り上げは──
〇魔王城の部屋
カルシム「今月の売り上げは8000万以上、平均順位も350位と大幅に上がっております」
エリス「やったー!」
アルヒールド「一度離れたユーザーは戻りにくいと聞く。再びゲームを始めてくれるか心配だったが、杞憂だったようだ」
オルヴァン「まあ元々、バグの少なさとイベ以外のストーリーは評価されていたからな」
カルシム「はい。それに加えて、オキアミス様の実況のおかげで新規ユーザーが増えましたのと・・・」
カルシム「皆様のイメージアップ計画が功を奏し、前に比べてストレスなく遊べるようになったことも理由かと思われます」
オルヴァン「マジでオレ達が売り上げの足ひっぱってたんだな・・・しかも数千万円分も」
エリス「改めて聞くとショックかも・・・」
魔王オキアミス「フン、まずはよくやったと誉めてやろう」
オルヴァン「お、魔王、実況終わったか? 録画終了ボタン押し忘れてねーだろうな?」
魔王オキアミス「たわけ。20分弱で押したわ」
アルヒールド「ならば今日中に動画サイトに投稿し、SNSに宣伝をのせておこう」
エリス(魔王もだけど、アルヒールドも実況に慣れ始めてる・・・)
アルヒールド「そういえば、ゴーマ王国がそろそろ新しい宣伝を打ち出すらしいな」
エリス「意外よね。あの嫌みな王様のことだから何か企んでんじゃないのって、思ってたんだけど」
エリス「協力するフリして自分のとこのキャラ売り出すとかさ。 でもそんなことなかったし・・・」
オルヴァン「まあ、あのオッサンだって、さすがにサ終は他人事じゃなかったんだろ」
カルシム「ともあれ、ようやく一息つけそうですな、オキアミス様」
魔王オキアミス「フン、ここまではできて当然のことよ」
魔王オキアミス「まだ目標には到達しておらん。来月こそWODの平均ランクを200位以内、売り上げ1億越えを達成させるのだ!」
〇闇の要塞
『セールスランキング向上計画』は順風満帆に進んだ。
オルヴァン「オ、オレの名前のサジェストから、『殺す』が消えた・・・! よっしゃ!」
エリス「わぁ、好意的な意見が増えてる! 『見直した』とか『名誉挽回』とか! 嬉しい!」
アルヒールド「ん? 『受け』? 『可愛い』? このサジェストは何だ?」
エリス「それ、検索しないほうがいいよ・・・たぶん」
安心してエゴサができたり・・・
〇配信部屋
魔王様「今日はここまでだ。次の時まで震えて待つがいい!」
コメント1「魔王様お疲れ様です! 友達に世界死すすめました! ※『魔王様』は魔王オキアミスの実況者名」
コメント2「魔王様の実況にハマってゲームをDLしました! WOD面白い!」
ユーザーも順調に増加していった。
だが魔王達は気づかなかった。
崩壊の嵐がすぐそこまで迫っていることに。
〇草原の道
オルヴァン「やべっ、【主人公】から安否確認の連絡がきちまった」
オルヴァン「最近魔王んとこの城にこもりきりだったもんな・・・」
オルヴァン「一旦、報告に帰るか・・・ん?」
ゴーマ国使者「いいか、首尾よくやれよ」
ゴーマ国兵士1「はっ! ただちに」
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腐女子ファンがついてくれたのなら、安泰……(?)。
いや、それよかアンチ荒らし……怖い:;(∩´`∩);: